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蒸気が抜けるアイロン台でやけど 衣類用アイロンのNG5つ

  • 2026.10.8

NITE SAFE-Liteにある衣類用アイロンとアイロン台の事故の記録251件を1件ずつ分類しました。電源を入れたまま離れた等の記録は23件で死亡2件を含み、蒸気が下に抜けるアイロン台でのやけどは5件。NG1〜4は記録とNITEの資料から、NG5は東京都の調査から選んでいます。

衣替えでしまっていたシャツやハンカチに、久しぶりにアイロンをかける季節です。かけ面は高温になり、スチームを使うタイプは中で湯をわかしているので、扱い方しだいで、焦げや火事、やけどにつながります。
衣類用アイロンとアイロン台の事故の記録は、NITE(製品評価技術基盤機構)が公開する「NITE SAFE-Lite」に251件ありました。weboo編集部はこの全件の原因の文を読み、どんな場面の記録が多いかを数えました。NG1〜4は、この記録とNITEの資料の両方に出てくる場面から選びました。子どものやけど(NG5)は、NITEの記録には無いため、東京都の調査をもとにしています。

251件のうち92件は2013年11月にまとめて受け付けた同じ文の記録

集めたのは、品名に「アイロン」を含む記録です。品名にヘアアイロンとある144件は除き(ヘアアイロンの注意は関連記事「ドライヤー・ヘアアイロンのNG5つ」で取り上げています)、衣類用アイロン244件(うちコードレス29件)と、アイロン台7件を対象にしました。いちばん古い記録の発生は1996年12月、新しいものは2025年6月で、ほかに発生日が書かれていない記録が1件あります。数えているのはNITEに寄せられて公開されている記録で、実際に起きた事故の数そのものではありません。
まず目につくのが、2013年11月にまとめて受け付けられた、同じ文の記録92件です。どれも「スチームアイロンの電源コードから火花が出た。」という通知で、型式と原因の文も同じです。2012年から2013年に起きた製品破損の記録で、本体側でコードを保護する部品の中が、コードをさらにスリーブで覆った二重構造で柔軟性がなく、根元に力が集中したことが原因と推定されています。この時点の措置の欄には、すでに販売した製品への措置はとらず、2013年2月製造分から改良したと書かれています。
同じ型式・同じ原因の記録は、この92件のほかにも3件あり、うち1件は手首にやけどをした重傷の記録です。この3件の措置の欄には、2014年7月1日付けでホームページに社告を掲載し、取扱い上の注意を呼びかけるとともに、電源コードに不具合が起きた場合は無償で修理・部品交換を行っている(1件)、取扱説明書の巻き付けについての記載を2014年7月出荷分から削除した(重傷の1件)、といった内容が書かれています。
92件を含めると、製品の不具合とみられる記録は162件です。92件を除いた製品の不具合は70件(上の3件を含む)で、温度を調節する部品や安全装置が働かずに熱くなり続けた記録、内部の配線やコードの不良で火花が出た記録などです。原因の特定に至らない・製品以外とみられる記録は51件(うち50件は、原因を特定できなかった、または調査できなかったと結論にある記録)、使い方が原因とみられる記録は31件、使っているうちに傷んだ(経年劣化)とみられる記録は7件でした。NITEの区分が付いていない28件は、結論の文から振り分けています。

被害の種類で見ると、製品破損が146件と最も多く、亡くなった方が出た記録は2件、重傷は5件、軽傷は23件です。92件と発生日不明の1件を除いて発生年ごとに並べると、2005〜09年と2010〜14年の記録が多く、使い方が原因とみられる記録は2009年までに22件ありました。

電源を入れたまま離れた等の記録23件 死亡2件を含む

ここからは原因の区分とは別に、記録に書かれている場面ごとに数えます。1件に複数の場面があれば、それぞれに入れています。
いちばん多いのは、電源を入れたまま、またはアイロンをかけたまま、その場を離れた・外出した・放置した・寝込んだ・目を離した・切り忘れたと書かれた記録で、23件ありました。亡くなった方が出た2件は、どちらもこの中に入っています。ただし23件の原因の区分を見ると、使い方とみられるものは16件で、製品の不具合側が3件、原因の特定に至らない側が4件あります。また12件は2004年までの記録です。
次いで、スチームの熱湯や蒸気でやけどをした記録が13件(アイロン台を通り抜けた蒸気の記録は別に数えています)、コードを曲げて収納した・本体に巻き付けた・無理な力が加わったことが原因の文に書かれた記録が7件、蒸気が下に抜ける(メッシュ地など)アイロン台を蒸気が通り抜けた記録が6件、異常に気づきながら使い続けた記録が3件です。

NG1|電源を入れたまま、アイロンのそばを離れる

ワイシャツにアイロンを当てたまま、鳴った電話に出る。スタンドに立てたまま、洗濯物を取り込みに行く。ほんの少しのつもりで、その場を離れる場面です。
離れた・外出した等の記録23件には、衣類にアイロンをかけた状態で離れ、衣類やアイロン台が熱せられて火が出た、と警察や消防の調査でみられた記録が並びます。亡くなった方が出た記録は、衣類にアイロンをかけた状態で離れた間に発火したもの(2000年)と、アイロンをかけたまま寝込んでしまったもの(2007年)です。電源を入れたアイロンをじゅうたんの上に立てて4〜5分離れたら、倒れてじゅうたんが焦げていたという記録もあります。
使用後に外出して布団を焦がした記録では、事故品の取扱説明書に、アイロンのそばを離れるときは必ず差込みプラグを抜く、という注意があったと記録されています。最近の記録にも、電源を入れた状態で離れていたら焼けていた(2025年1月・温度ヒューズが働かなかった原因は特定に至らず)、製品の不具合に加えて電源に接続したまま長時間置かれたことも影響した(2025年6月)という記録があります。

こうする:そばを離れるときは、差込みプラグを抜く。
この注意は、NITEの記録2件に引用された事故品の取扱説明書の文言です(「アイロンのそばを離れるときは、必ず差込みプラグを抜く。」「電源プラグを差した状態でアイロンから離れない。」)。公的機関の資料では、衣類用アイロンについて同じ文言を確認できませんでした。

NG2|温度調節が効かないアイロンを、延長コードのスイッチで使い続ける

温度のつまみを動かしても熱くなりすぎる。それでも、コンセントの手元スイッチで切ればいいか、と使い続けてしまう場面です。
異常に気づきながら使い続けた記録は3件でした。温度調節の機能が故障していたため、つないでいた延長コードのスイッチで入り切りして使い続け、そのスイッチを切り忘れて周りの可燃物から火が出た記録(2015年)、使っている人が不具合に気づいていたのにプラグを抜かずにその場を離れたことも影響したとされた記録(2016年)、電源ランプが点いたり点かなかったりしていたのを知りながら使い続け、プラグの刃が折れて火花が出た記録(2013年)です。

こうする:温度調節が故障したら使うのをやめる。
NITEは2015年の記録とよく似た経過の事例を挙げ、「温度調節ができなくなったアイロンは温度が上昇し続けます。温度調節機能が故障した場合は使用を中止してください。」と書いています。延長コードの使い方全般は、関連記事「延長コード・タップのNG5つ」で取り上げています。

NG3|蒸気が下に抜けるアイロン台の下に、膝や足を入れてスチームを使う

床に座って、脚の低いアイロン台でシャツを伸ばす。スチームボタンを押した瞬間、台の下に入れていた膝が熱い。
蒸気が下に抜ける(メッシュ地など)アイロン台を使っていて、台を通り抜けた蒸気が膝や太ももにかかってやけどをした記録が5件、足や床がぬれた記録が1件ありました。正座をして使っていてスチームが瞬間的に強く出る機能を使った、台の下に太ももを入れていた、という記録です。やけどの5件のうち4件は使い方が原因とみられる区分で、そのうち3件の記録には、事故品の取扱説明書に、膝元にタオルなどを掛けて使う、台の下に膝や足・手などを入れない、といった注意があったと書かれています。残る1件は、スチームに触れると危険な場合があるという注意表示が台に無かったことから、製品側の問題とされた記録です。

こうする:台の下に膝や足・手を入れない。
NITEは「天板がメッシュ構造であるアイロン台はスチームや湯滴を透過します。このようなアイロン台を使用する場合、アイロン台の下に膝や足・手などを入れないで下さい。」という注意を出しています。お使いのアイロン台の天板が蒸気を通すつくりかどうかは、台の表示や取扱説明書で確かめましょう。

NG4|コードの根元を曲げたまま、本体に強く巻き付けてしまう

アイロンがけが済んだら、コードをぐるぐると本体に巻き付けて立てておく。そのたびに同じところで、根元が折れ曲がります。
92件のまとまりを除いても、コードやプラグの断線・半断線、プラグの刃の折れが原因の文にある記録は23件あります。そのうち、曲げて収納した・巻き付けた・無理な力が加わったことが原因の文に書かれた記録は7件でした。コードの根元で断線して火花が出て、手首にやけどをした重傷の記録(2014年)では、根元に力が集中しやすい構造に加え、取扱説明書の「使用後電源コードをアイロンの下部に巻き付ける。」という記載も事故に影響したと推定されています。この記録は92件と同じ型式で、措置の欄には、この記載を2014年7月出荷分から削除したとあります。コードを本体の下部に巻き付けて立てて保管するよう取扱説明書にあったものの、巻き付け方の注意が無かったとされた記録(2012年)もあります。

こうする:根元に無理な力をかけない。強く巻き付けない。
NITEは「電源コードの根元に繰り返し曲げや引っ張りなどの負荷を加えると、コードが半断線状態となりスパークが発生することがあります。」として、使うときは根元に無理な力が加わらないよう注意し、「保管する時も電源コードを強く本体に巻き付ける等、無理な力が加わらないようにしてください。」と注意しています。コードを本体に巻いて収納するつくりの製品でも、強く巻いて根元に無理な力をかけないようにしましょう。

NG5|アイロンがけの後、熱の残る本体を床や低い台に残して離れる

アイロンがけを終えて、本体を床の端に置いたまま、たたんだ服をしまいに行く。その間に、はいはいの子どもが近づいていきます。
NITEの251件には、子どものやけどの記録はありませんでした。一方、東京都が2013年に0〜6歳の子どもを持つ保護者3,000人に行ったアンケートでは、子どものやけどやヒヤリ・ハット(やけどしそうになった経験)の原因として、アイロンの事例が251件挙がっています(この記事のNITEの記録とは別の数です)。状況は「保護者が使用中に近づく、手を出す」が139件で最も多く、次いで「使用後、本体に触る」が76件でした。使ったあと10分ほどたってもまだ熱く、少し目を離したすきに1歳の子が触ってしまった、という事例も紹介されています。

こうする:熱いうちは、子どもの手が届く場所に置かない。
東京都の「乳幼児のやけど事故防止ガイド」は、0歳の時期の注意として、ハイハイや伝い歩きを始めたら「子供の手が届くところには熱くなる物を置かない」と挙げています。東京都の事例では使ってから10分ほどたってもまだ熱かったので、使った直後だけでなく、冷めるまでの置き場所にも気をつけましょう。

焦げ臭い・ランプが消えないときの記録と説明書の文言

温度の調節が効かなくなったときは使うのをやめる、というのがNITEの注意です(NG2)。
記録の中には、焦げたにおいがしたので電源プラグを抜いた、スイッチを切ってもランプが消えないのでプラグを抜いた、という経過も残っています。NITEの記録に引用された取扱説明書には、「異常、故障がある時は、使用を中止し、コンセントから電源プラグを抜いて、必ず販売店に点検を依頼する。」「電源コードを動かすと電源ランプが点滅する時は、使用を中止し、販売店に相談する」といった注意がありました。落とすなどして傷んだアイロンを使い続け、加熱中に焼けた記録(2020年)では、取扱説明書に「落下させるなどしてアイロンに損傷や水漏れがある場合は使用しない。」とありました。異常があったときの手順も機種ごとに違うので、手元の説明書で一度確かめておきましょう。

スチームの熱湯とコードレス 数字の補足

熱湯・蒸気のやけどをNGに入れていない理由

アイロン台を通り抜けた蒸気の6件とは別に、熱湯や蒸気でやけどをした記録が13件ありました(重傷2件を含む)。水タンクに満水の線を越えて給水し、温まる前にスチームに切り替えたか、スチームボタンを何度も押したため、湯がスチームの穴から漏れたと推定された記録などです。製品の不具合とされたものや、原因の特定に至らないものも含まれます。この場面の注意を扱ったNITEや自治体の資料を確認できなかったため、この記事のNGには含めていません。給水の量やスチームの使い方は機種で違うため、手元の説明書を見てください。

92件のまとまりの読み方

2013年11月にまとめて受け付けた同じ文の記録は、被害の種類がすべて製品破損です(発生は2012年〜2013年)。この記事の251件のうち約37%を占めるため、全体の割合で見ると使い方の記録が少なく見える点に注意が必要です。

コードレスアイロンの記録の傾向

品名にコードレスとある記録は29件で、うち17件が製品の不具合、8件が原因の特定に至らない側でした。うち10件は、スタンドや充電台に置いていた、または充電中に、スタンドや本体が溶けた・煙が出たなどの記録です。

まとめ 離れる前にプラグ、台の下に膝を入れない

出典 www.nite.go.jp

衣類用アイロンの記録251件のうち92件は2013年11月にまとめて受け付けた同じ文の記録でした。残る159件で最も多いのは製品の不具合の70件で、原因の特定に至らない・製品以外の51件、使い方の31件、経年劣化の7件と続きます。使う人が気をつけられる場面として目立ったのは、電源を入れたまま離れること。亡くなった方が出た2件も、この場面の記録です。
離れるときはプラグを抜く。温度が効かなくなったら使わない。蒸気が下に抜ける台の下に膝を入れない。コードの根元に無理をかけない。熱の残るアイロンを子どもの手が届く場所に置かない。

※件数は2026年10月7日に取得したNITE SAFE-Liteの記録を、weboo編集部が1件ずつ読んで分類したものです(品名に「アイロン」を含みヘアアイロンを除いた251件・期間は区切っていません)。東京都の件数は2013年のアンケートの結果で、NITEの記録とは集め方が別です。給水やスチーム、コードの片付け方は、製品に付いている説明書の手順に従ってください。

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