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「5万円のゲーム機、買えたんだね」3万円を返さない弟。だが、実家で私が続けた一言

  • 2026.10.7

「来月には」が続いた半年

8か月前の夜、20代の弟から電話がありました。

生活費が足りず、給料日までの数日をどうしても乗り切れないというのです。

30代の私は、その日のうちに3万円を弟の口座へ振り込みました。

「給料が入ったら返してね」

「うん。絶対返すから」

ところが、給料日を過ぎても連絡はありません。

こちらから聞くと、「今月は別の支払いがあって…来月には返す」と言われました。

次の月も、その次の月も同じでした。

半年ほどたったころ、2人で食事をした帰りに、私はもう一度切り出しました。

「あの3万円、そろそろ返せそう?」

弟は頭をかきながら、困ったように笑いました。

「ごめん。3万円はまだ厳しいんだよね」

「そっか。じゃあ、余裕ができたらお願いね」

それ以上は言えませんでした。

お金のことで、きょうだいの関係まで悪くしたくなかったからです。母にも話していませんでした。

それからふた月ほどして、母との電話で、弟が新しいゲーム機を買ったと聞きました。

3万円は返せないのに、ゲーム機は買えた。

そのことが、どうしても引っかかりました。

ゲーム機を見せる弟に、初めて言ったこと

次の休み、私と弟は実家に集まりました。

居間の座卓をはさんで私の向かいに弟、その隣に母が座っています。

弟はかばんからゲーム機を取り出すと、母に画面を見せました。

「これ、やっと買えたんだ。5万円したけど」

「へえ、そうなの」

母が画面をのぞき込みます。

私は少し黙っていましたが、湯のみを置いて弟に言いました。

「5万円のゲーム機、買えたんだね。じゃあ、あのときの3万円も返せるよね」

弟の手が止まりました。

母も顔を上げます。

「3万円って、何の話?」

弟は何も言えず、ゲーム機を座卓に置きました。事情を聞いた母は、弟に静かに言いました。

「借りたものを返す前に買ったの?」

しばらく黙っていた弟は、やがて立ち上がりました。

「……ごめん、姉ちゃん。今、おろしてくる」

弟は家を出ると、近くのATMへ向かいました。戻ってきた弟が差し出した銀行の封筒には、3万円が入っていました。

「後回しにして、ごめん」

私は封筒を受け取って、かばんにしまいました。

少し気まずい沈黙が流れたあと、私は座卓の端に置かれたゲーム機を見ました。

「ゲーム、あとで1回やらせて」

弟はようやく顔を上げると、ゲーム機を私のほうへ押しました。


※本記事は、GLAMが独自に実施したアンケートで寄せられた30代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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