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布団乾燥機のNG4つ 事故の記録で目立つのはプラグの根元

  • 2026.10.5

布団乾燥機の事故の記録96件(1996年11月〜2025年2月)をNITE SAFE-Liteの品名から拾い、原因の結論を1件ずつ読みました。電源コードに引っ張りや曲げなどの力が加わったと書かれた記録が26件あり、21件はプラグ側でした。コードの根元の扱い、しまい方、自分での補修、リコールの確認の4つのNGを、NITEの資料の文言とあわせて紹介します。

干せない日の布団を、ボタンひとつでふかふかに。寒い夜に、寝る前の布団を温めておく使い方もあります。
その布団乾燥機の事故の記録を読んでいくと、壁のコンセントに差した電源プラグのあたりから火や煙が出た、という経過がたびたび出てきます。製品事故を調べている国の機関、NITEの公開データベースから布団乾燥機の96件を拾い、編集部が原因の結論を1件ずつ読み、場面ごとに数え直しました。NGは4つに絞りました。どれも記録に繰り返し出てきて、NITEの注意喚起にも同じ注意がある場面です。フィルターのほこりと本体の中の異物は、布団乾燥機についての公的な文言が見当たらないため、よくある質問で記録だけを紹介します。

布団乾燥機の事故の記録96件 原因の結論で分けた結果

もとにしたのは、NITE SAFE-Lite(セーフ・ライト)という事故情報の検索サイトです。2026年10月5日に品名で検索すると、「布団乾燥機」で40件、「ふとん乾燥機」で56件(ふとん乾燥機用の電源コード1件を含む)が見つかり、重なりはありませんでした。数が多くないので期間で区切らず、1996年11月〜2025年2月に起きた記録と、発生日の欄が空いている4件を全部使っています。
最多は原因がわからない、または製品以外が原因とみられる63件でした。焼け方が激しく部品が残っていないなどで、59件の結論は「原因の特定には至らなかった」といった言い方で終わっています。亡くなった方がいる2件は、2件ともこちらに入ります。次いで使い方によるとみられる18件、製品の不具合とみられる15件で、長年の使用による劣化と結論された記録は0件でした。
この集計の前提
・1996〜2006年の22件は消防・警察の調べを短く書いたものが多く、年代によって記録の詳しさがそろわない。どの数もNITEに通知・収集され、品名で見つかった記録に限られる
・結論が原因の特定に至らずで終わる記録は、経過に使い方の推測があっても「原因不明」の側に置いた
・NITEの原因区分が「--」の29件は、結論の文を読んで編集部が同じ基準で振り分けた

使い方の18件のうち12件は、電源コードを引っ張ったり曲げたりしたことで線が切れた・切れかけた事故でした。残りは、自分でコードや部品を直す・手を加えるなどした4件、乾燥マットを折りたたんだまま凹凸のあるベッドの上で使った1件、近くで使ったスプレー缶のガスに火がついた1件です。
製品の不具合15件のうち11件は、送風ファンのモーターが回らずヒーターが過熱した製品で、記録の措置の欄に社告や点検・交換が書かれています。残る4件は、コードとマットを同じ場所にしまう構造でコードの根元が繰り返し曲がったもの2件、タイマーの接点1件、組み立ての不良1件です。
NITEは2012年5月の資料で、NITEに通知された製品事故のうち2006〜2010年度に発生した乾燥機と除湿機の事故261件について、布団乾燥機を38件としています。集めた期間と数え方が違うので、上の件数と足したり引いたりはできません。

電源コードに力が加わった記録26件 プラグ側が21件

原因の分類をいったん離れて、96件の経過と結論に出てくる場面を拾いました(1件を複数の場面で数えることがあります)。
最も多かったのは、電源コードに引っ張りや曲げ、ねじれなどの力が加わったと書かれた記録の26件です。使い方に分けたものが12件、原因不明の側が12件、製品の不具合が2件でした。線が切れかけた・火花が出た位置は、21件が電源プラグの中や根元で、本体側のコードの付け根が2件、位置の書かれていないものが3件です。うち6件では、電源コードやプラグを取り替えると本体は普通に動いたと書かれています。本体に異常がなくても、プラグのところから火が出ることがあるわけです。
ほかには、社告・回収・無償交換が書かれた機種の記録が14件、異音や異臭に気づいて見に行くと煙や火が出ていた記録が8件、修理や改造がされた製品と自作のコードが6件、吸込口やフィルター、本体の中のほこりが5件、本体の中の異物が3件(吹出口から入ったと書かれたのは1件)ありました。

NG1|プラグの根元でコードが曲がったまま、ねじれたまま使う

壁際のコンセントに差したまま、プラグのすぐ先でコードが直角に折れている。ベッドの脚の下にコードが入り込んでいる。
コードに力が加わった26件の結論には、コードの保護部分(プロテクター)のあたりに「曲がりくせ」「捻れ」「よじれ」が残っていた、プラグの中で線が切れて溶けた跡があった、といった調査結果が並びます。記録に引かれた取扱説明書には「電源プラグを無理に曲げたり、ねじったり、引っ張ったりすると、感電、ショート、火災の原因になります。」と書かれたものもありました。国の技術基準の折り曲げ試験に合ったプラグでも、過度な曲げが加わって線が切れたとされた記録があります。保護部分からコードにかけて曲がりくせがあり、ショートした火花で手の甲にやけどをした記録もありました。
なお、プラグを抜くときにコードを持って引き抜いていた、またはコードを強く引っ張った跡があったと書かれた記録は5件です。抜き方の注意は関連記事の「しまっていた布団を出す日の8ステップ」で取り上げています。

防ぐには:使うときはコードを伸ばし、家具の下やドアに挟まない。
NITEは2012年5月の資料で、乾燥機の事故の多い現象の一つに電源コードの引っ張りや過度の屈曲などによる芯線の半断線とショートを挙げ、布団乾燥機で多く起きているとしています。東北支所の2013年10月のセミナー資料も、布団乾燥機の電源プラグから煙が出た事故を、プラグに曲げなどの力が加わって断線・スパークしたものとして紹介し、使用中はコードを伸ばすこと、家具の下敷きやドアに挟まれた状態になっていないかを確かめることを挙げています。

NG2|しまうたびに、コードの根元を折り曲げて押し込む

使い終わったら、ホースやマットと一緒にコードもくるくるとまとめて、本体のすき間に押し込む。
記録には、コードとエアーマットを本体の同じ場所にしまう構造のために、しまうたびにコードの根元の保護部分が繰り返し曲がり、線が切れて火花が出た例が2件ありました。これは使う人の扱いではなく、製品の設計の不具合とされた記録です。ただ、しまうときの曲げでも根元の線は傷むことがわかります。

防ぐには:本体に巻きつけず、しまい方は取扱説明書のとおりに。
東北支所の2013年10月の資料は、コードの断線・半断線の注意として、しまうときに製品の本体へコードを巻きつけないことを挙げています。コードをしまう場所が付いている機種は、その機種の取扱説明書に書かれたしまい方に従ってください。

NG3|切れかけたコードをテープで巻くなど、自分で直して使う

まだ動くから、とビニールテープで巻いて済ませる。コードが短いので、手持ちのコードを継ぎ足す。
修理や改造がされた製品、自作のコードが書かれた記録は6件でした(使い方4件、原因不明の側2件)。半分切れた電源コードをテープで芯線ごと巻いて使い、そこから火が出たとされた記録、コードを延ばすために自分でつないだコードが熱を持ってショートし、指にやけどをしたとされた記録があります。コード以外では、温度の調節と安全のための部品を自分で修理して働かない状態にしていた記録、工事現場で資材を乾かすためにタイマーのつまみをねじで固定し、続けて運転できるようにしていた記録(原因の特定には至らず)がありました。過熱を防ぐ温度ヒューズが取り外されてじかにつながれていた記録もありますが、改造した経緯は特定されていません。ホースの破れをビニルテープで補修した上に吸込口のフィルターが詰まっていて、はがれたテープが温風で溶けて煙が出た例もあります。

防ぐには:補修・改造はしない。傷んだら販売店やメーカーに相談。
NITEは2015年3月の注意喚起で、切れたところをビニールテープで補修することや、別のコードと途中でつなぐことを電源コードの改造・加工・修理として挙げ、つなぎ目の接続不良から煙や火が出るおそれがあるとして、行わないよう求めています。

NG4|社告やリコールの対象か、一度も確かめずに使う

数年前にもらったもの、押し入れの奥にあったもの。型番を見ないまま、冬のたびに出して使う。
社告や回収、無償の交換が記録に書かれた機種の記録は14件でした。このうち12件は、送風ファンのモーターの不具合で2008年8月に社告が出た機種で、2008年前後の記録です。5件は2008年4月15日、3件は2009年1月28日に、それぞれ同じ日に受け付けられています。同じ部品の記録がまとめて届いた分、件数はこの機種に偏っています。社告より後に起きた記録は2件でした(発生が「2008年8月」とだけある1件は前後が分かりません)。
残る2件は、コードを無理に曲げたり引っ張ったりした状態で使い続けると断線して熱を持つおそれがあるとして、2015年6月に無償交換が発表された機種の記録です。どちらも発表より前に起きたもので、原因の特定には至っていません。

防ぐには:対象なら使うのをやめて、製造事業者などに問い合わせる。
NITEは2012年5月の資料で、乾燥機や除湿機の一部には社告・リコールの対策がとられている製品があるとして、手元の製品が対象かどうかをリストで確認するよう求めています。東北支所の2013年10月の資料も、持っている製品がリコール製品なら、ただちに使うのをやめて製造事業者などに問い合わせるよう求め、調べ先の一つに消費者庁の「リコール情報サイト」を挙げています。

異音や異臭などで気づいた8件 NITEが挙げる事故の予兆

96件のうち8件は、使い始めや使っている最中に異音や異臭(「ボン」という音を含む)に気づいて見に行くと、すでに煙や火が出ていたという記録です。火災警報器が鳴って気づいた記録も3件ありました。
NITEは2015年3月の注意喚起で、電気製品を使っているときに次のような様子があれば、使用を中止して電源プラグをコンセントから外し、購入した販売店や製造事業者に相談するよう求めています(一部を抜粋)。
・異音や異臭がする
・電源コードや電源プラグが部分的に熱くなる
・電源コードの一部が硬くなっている、こぶができている
記録には、電源スイッチが故障したまま使い続け、スイッチから火が出たとみられる例(原因の特定には至らず)もありました。プラグの根元が熱い、焦げたにおいがする、と感じたら、すぐに使うのをやめ、電源プラグをコンセントから外して、購入した販売店や製造事業者に相談しましょう。

よくある質問

吸込口やフィルターのほこりが書かれた記録はある?

吸込口やフィルター、本体の中のほこりが書かれた記録は5件でした。フィルターがほこりで詰まったまま強い運転で使い、熱の出口のあたりが過熱したと考えられる記録、20年以上使っていなかった古い製品を使い始め、中に積もったほこりがヒーターに触れた可能性がある記録などです。ただ、5件のうち4件は結論が原因の特定に至らずで、ほこりが原因と言い切れる記録ではありません。引用されていた説明書の文には「吸込口をふさがない、異常過熱により発火することがある。」「フィルターは目詰まりしたまま使わない。故障の原因になる。」とありました。手入れの方法と頻度は機種ごとに違うため、説明書の手入れの項を見ておきましょう。

本体の中に異物が入っていた記録はある?

本体の中に異物があったと書かれた記録は3件で、吹出口から入ったと書かれているのは1件です。その1件は、吹出口から入った紙くずや樹脂のかけらが送風ファンのまわりにあり、ヒーターの熱で火がついたと考えられる記録です。ほかに、本体の中に金属製の耳かきが入り込んでファンの羽根が割れ、そのかけらがヒーターに触れて焼けたと考えられる記録(入った経路の記載なし)、ヒーターに付いた炭化した異物が燃えた可能性があるとされた記録がありました。3件とも結論は原因の特定に至らずです。吹出口から入った記録が引いている説明書の注意は「吹出口に異物を入れない。異常発熱による発火の原因になる。」です。何かが入ったかもしれないときは、運転を再開せず、販売店か製造元に問い合わせましょう。

まとめ 4つのNGと、使う前に見ておく場所

出典 www.nite.go.jp

布団の乾き具合に目が行きがちですが、記録の中で目立ったのは、壁ぎわの電源プラグのところから煙や火が出た例でした。コードの根元は、使っている間も、しまうときも曲げたままにしない。傷んだコードは自分で補修せず、古い機種なら一度は社告やリコールの対象かを調べる。4つのNGを言い直すと、この2文になります。
マットを使うかどうか、ホースの差し込み方、コードのしまい方は機種によって違うので、手元の機種の説明書や本体に書かれたやり方で使いましょう。

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