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古いこたつはリコール確認を ヒーター落下など5つのNG

  • 2026.10.5

2012年4月以降に起きた電気こたつの事故の記録104件をNITE SAFE-Liteで集め、編集部が結論まで読むと、ヒーターユニットが落ちた・外れた記録が23件あり、うち20件はリコールの対象製品でした。布団の押し込み、中で乾かす洗濯物、外れたユニット、こたつでの居眠り、リコールの確認を5つのNGにまとめます。

厚手の布団を掛け、座椅子を寄せて、足もとには座布団。こたつは、ヒーターの付いた箱のまわりに燃えやすい物を集めて使う暖房でもあります。
製品事故の情報を集めているNITE(製品評価技術基盤機構)の公開記録のうち、2012年4月以降の電気こたつの104件を、編集部が結論の文まで読んで分けました。目立ったのは、ヒーターユニットがやぐらから落ちた・外れた記録の23件です。このうち20件は、回収や部品交換などのリコールが行われている製品でした(16件は同じ取付部品の記録)。
押し込んだ布団、中で乾かす洗濯物、外れたユニット、こたつでの居眠り、リコールの確認。記録と公的機関の資料の両方に出てくる5つの場面を、順に見ていきます。

電気こたつの事故の記録104件 どこに原因があったか

使ったのは、製品事故の検索サイトSAFE-Lite(セーフ・ライト)で2026年10月4日に品名を「こたつ」として検索した485件です。豆炭・練炭・木炭のこたつ、こたつ布団やカバー、いす、ペット用の53件を外し、電気こたつの本体・ヒーターユニット・こたつ用の電源コードの記録に絞りました。そのうえで、発生日が2012年4月1日以降のものを数えています。NITEが2012年11月に出した電気こたつの資料が2011年度までの事故をまとめているため、その後の期間にしました。同じ事故が2つの品名で載っていたものは1件とし、104件が残りました。いちばん新しい発生日は2026年1月です。
結論で振り分けた結果、いちばん多かったのは原因が不明か、製品以外によるとみられる52件で、うち50件は結論に「事故原因の特定には至らなかった」などとある記録です。亡くなった方がいる8件は、いずれもこの側に入っています。製品の不具合とみられるものは32件、使い方によるとみられるもの17件、長年の使用による劣化3件と続きます。
数え方のメモ:振り分けは結論の文を読んだ編集部の判断で、NITEの原因区分が空欄の記録も同じ基準で分けています。使い方にふれた記述があっても、結論が「特定には至らなかった」で終わる記録は原因不明として数えています。104件のうち51件は2012〜2015年に起きたもので、数はNITEに通知・収集された分に限られ、世の中で起きたこたつの事故すべてではありません。

製品の不具合32件のうち25件は、記録の再発防止措置の欄に回収・返金や部品の交換、新聞の社告が書かれた製品です。ヒーターユニットをやぐらに固定する樹脂部品や反射板の不具合でユニットが落ちたものが19件、器具用プラグのケースが割れて外れ、電気の通る部分が出たものが3件などでした。残る7件は、基板のはんだ付け不良4件、コードの被覆1件、脚の接着やねじ2件です。
使い方17件は、こたつ布団をやぐらの中に押し込んだものが7件、コードや器具用プラグの扱いが5件、ヒーターユニットを床や敷物に置いて使ったものが3件などです。
NITEが2022年11月に公表した資料では、NITEに通知された2017〜2021年度のこたつの事故29件のうち、調査の終わった26件の内訳を、製品の不具合などによる事故6件(うち3件はリコール対象製品)、誤使用・不注意による事故6件、経年劣化による事故1件、原因の特定ができない事故13件としています。集計の期間・方法が違うため、上の件数と足し引きはできません。

ヒーターユニットが落ちた・外れた23件 リコールの対象製品は20件

今度は原因の分類を横断して、104件の経過の中に出てくる場面を拾いました。1件の記録を複数の場面で数えている場合があります。
最も多かったのは、やぐらの天板の裏に付いているヒーターユニットが、落ちた・外れたという記録の23件です。このうち16件は、2016年4月に回収が発表された同じ取付部品の不具合による記録で、うち12件は回収の発表後にまとめてNITEに通知されたもの(発生は2012〜2015年)です。製品の不具合に分けたものが19件、原因不明の側が3件、使い方が1件。被害の種類が火災とされた記録は9件で、ほかにも落ちたユニットが敷き布団やじゅうたん、畳を焦がした記録があります。
次いで、こたつ布団の押し込みやヒーターへの接触が結論に書かれた記録(可能性を含む)が10件、ヒーターや内部にほこりがたまっていた記録が5件、こたつの脚が壊れた・外れた記録が3件でした。こたつの中の洗濯物や座布団・枕、寝るときにこたつに足を入れていたという記録は、それぞれ2件です。

NG1|こたつ布団や座椅子ごと、やぐらの中へ押し込む

すき間風が入らないよう、布団の端をやぐらの内側にたくし込む。座椅子をぐっと奥まで差し入れる。
こたつ布団の押し込みやヒーターへの接触が結論に書かれた記録は分類をまたいで10件で(うち接触と書かれたものは8件)、使い方に分けたのが7件、原因不明の側が3件です。使い方の記録には、やぐらの中に押し込んだ布団がヒーターの保護カバーに当たって焦げた、溶けて穴が開いた、という経過が並びます。押し込んだ布団でヒーターのまわりの温度が上がり、反射板が変形してやぐらが熱くなり、足にやけどをした記録もありました。記録に引かれた本体や取扱説明書の表示には「ふとんをやぐらの中に押し込んで使用しない」とあります。

防ぐには:布団・座椅子・座布団をヒーターユニットに近づけすぎない。
NITEは2012年11月の注意喚起で、座いすや座ぶとん、上掛けなどが電気こたつのヒーターユニットに近づき過ぎないよう求めています。2022年11月の資料でも、押し込まれたこたつ布団がヒーターユニットに触れた火災があるとして、座椅子や座布団などがヒーターユニットに近づいていないかにも気を配るよう求めています。

NG2|こたつの中で洗濯物を乾かし、座布団や枕も入れておく

乾ききらなかった靴下やタオルを、こたつの中に広げておく。座布団や枕も、こたつの中に入れておけば温かい。
この期間の記録で、こたつの中の洗濯物や座布団・枕が経過に書かれていたのは2件です。1件は、中間スイッチ内部の異常発熱と、中に入れた洗濯物がヒーターに触れたことの両方が出火の可能性として挙げられた火災です。もう1件は、ヒーターユニットが落ちて、中に入れてあった座布団とそば殻の枕が焼けた火災です。どちらも結論は原因の特定に至らずで、数は多くありません。ただ、記録に引かれた取扱説明書には「座布団や衣類等をこたつの中に入れたり、洗濯物等を乾燥しない。ヒーターに接触し、火災の原因になる。」と書かれていました。

防ぐには:中で衣類を乾かさず、燃えやすい物をユニットに近づけない。
NITEは2012年11月の注意喚起で、電気こたつの中で衣類を乾かさないよう求め、2012年2月の資料では、ヒーターユニットに掛けふとんや洗濯物などが触れて火がついた事故を、電気こたつで多い事故の一つに挙げています。2022年11月の資料でも、こたつと電気ストーブに共通する注意として、燃えやすい物と距離をとり、衣類などを乾かさないことを挙げています。

NG3|外れたヒーターユニットを、床や敷物に置いたまま使う

天板の裏のヒーターが傾いて、足に当たるようになった。外れたユニットをこたつの中の床に置けば、温かさは変わらない。
記録には、やぐらから外れたヒーターユニットを敷物の上に置いたまま使い続けて敷物から火が出て、けがをした例があります。リコールの対象だった製品で、ユニットが落ちたのに気づきながら使い続けたことも事故に影響したと考えられる、とされた記録もありました。ほかに、ユニットだけを外してこたつの中の床に置いて使い、こたつ布団などに触れて建物3棟が焼けたとされる記録があります(使い方に分けたユニットの置き方は3件)。この記録に引かれた本体の表示には「床などに置いて使うことは絶対にしない。」、取扱説明書には「ヒーターユニット単体では使用しない、火災の原因となる。」とありました。

防ぐには:故障したまま使い続けず、ユニットを単体で使わない。
NITEは2012年11月の注意喚起で、故障した状態で使い続けないこと、電気こたつ(ヒーターユニット等)を改造したり自分で修理したりしないことを求めています。なお、堀こたつ用のように床側に取り付ける製品もあります。記録には、堀こたつ用のヒーターを堀こたつに設置せず、ダイニングテーブルの下の床にじかに置いて足を載せ、やけどをした例がありました。取り付け方は製品ごとの取扱説明書のとおりにします。

NG4|こたつに足を入れたまま、朝まで眠る

テレビを見ているうちにうとうと。肩まで入って、そのまま朝まで。
寝るときにこたつに足を入れていたことが経過に書かれた記録は2件でした。1件は、こたつを使って3時間眠り、ふくらはぎに低温やけどを負った記録です。製品に異常は見つからず、製品に起因しない事故と推定されていますが、原因の特定には至っていません。記録に引かれた取扱説明書には「就寝用暖房器具として使用しない。」とあり、本体と取扱説明書には、温度を低めにし、ときどき体を動かすよう注意する表示もありました。もう1件は、こたつの隣に敷いた寝具の足もとをこたつに入れて使っていた家の火災で、原因の特定には至っていません。

防ぐには:寝る前に、こたつの電源プラグを抜いておく。
NITEは2022年11月の資料で、こたつと電気ストーブに共通する注意として、就寝時や外出時はプラグをコンセントから抜いておくよう挙げ、こたつでは低温やけどのおそれもあるとして、寝るときには使わないよう強く求めています。

NG5|何年も前のこたつを、リコールの情報を見ずに出して使う

実家から譲ってもらったこたつや、押し入れに何年もしまっていたこたつを、そのまま出して使う。
104件のうち、リコールの対象製品と記録から確かめられたものは27件(製品の不具合25件、原因不明の側2件)でした。記録に書かれた社告や回収の発表日と発生日を比べると、発表より後に起きていた記録が10件あります。1985年に新聞で社告が出ていた製品の記録が2013年と2014年に、2016年4月にユニットの取付部品の不具合で回収が発表された製品の記録が2017年・2019年・2024年(2件)に、といった具合です。対象範囲の拡大で起点が2つある1件を除く9件では、最初の発表から数えて、事故は1年足らず〜約29年後に起きており、うち5件は7年以上たってからでした。

防ぐには:リコールの対象になっていないか、使う前に確かめる。
NITEは2022年11月の資料で、こたつと電気ストーブの注意の一つに、リコール対象になっていないかの確認を挙げています。発売から数年後にリコールが行われた例や、使わずに保管していた製品がリコール製品だった例もあるとして、最新のリコール情報を入手するよう勧め、消費者庁のリコール情報サイトでキーワードから検索できることを紹介しています。

使うのをやめる目安 傾いたユニット・熱いコード・外れたピン

シーズン中に「いつもと違う」と感じたときの扱いは、NITEの2つの資料に次の記述があります。
・故障した状態で使い続けない。ヒーターユニットなどを改造したり、自分で修理したりしない(2012年11月)
・使用開始時や使う前に電源コードの破損を点検し、使用中にコードが触れないほど熱くなっていないかも点検する。破損や異常があれば使用を中止する(2022年11月)
記録には、器具用プラグを差し込んだときにピンが1本外れたことに気づきながら、差し込めば普段どおり使えたため1か月使い続け、プラグの接続部が焼けた例もありました。外れたユニットや抜けたピンは、資料の言う「故障した状態」「異常」にあたります。気づいたら、そのまま使わないことです。シーズン前のコードやプラグの点検の手順は、関連記事の「こたつを出す前の7ステップ」で取り上げています。

よくある質問

天板に手をついて立ち上がっても大丈夫?

脚が壊れた・外れた記録は3件で、3件ともけがや物の落下につながっていました。脚の固定ボルトがゆるんだまま天板に手をついて立ち上がり、脚が折れた記録(使い方)、脚の接着不良で手をついたときに折れて転んだ記録、脚のねじの長さや締め付けに不具合があり、外れた天板が6歳の子どもの足に当たった記録(いずれも製品の不具合)です。記録に引かれた取扱説明書には「使用中にボルトがゆるむ場合があります。時々ゆるんでいないか必ず点検してください。」「こたつ脚に緩みやがたつきがないか、定期的に点検する。」と書かれていました。

ヒーターのほこりは関係ある?

ヒーターや内部にほこりがたまっていたと書かれた記録は5件でした。ヒーター管に付いたほこりだけが焦げて煙が出た記録、30年以上使った製品で綿ぼこりがヒーターの熱で炭化して火が出たとされる記録などです。記録に引かれた取扱説明書には、ヒーターカバーに付いたごみやほこりは掃除機で吸い取るよう書かれたものもありました。NITEも2022年11月の資料で、定期的に清掃してほこりを取り除くことを挙げています。

まとめ ヒーターまわりのすき間とリコールの確認を

出典 www.nite.go.jp

最後に、5つの場面と防ぎ方を一覧にしておきます(順番は上の図と同じ)。
・こたつ布団や座椅子ごと、やぐらの中へ押し込む → 布団・座椅子・座布団をヒーターユニットに近づけすぎない
・こたつの中で洗濯物を乾かし、座布団や枕も入れておく → 中で衣類を乾かさず、燃えやすい物をユニットに近づけない
・外れたヒーターユニットを、床や敷物に置いたまま使う → 故障したまま使い続けず、ユニットを単体で使わない
・こたつに足を入れたまま、朝まで眠る → 寝る前に、こたつの電源プラグを抜いておく
・何年も前のこたつを、リコールの情報を見ずに出して使う → リコールの対象になっていないか、使う前に確かめる
ヒーターのまわりに物を詰め込まないこと、外れたら使わないこと、出す前にリコールの情報を見ておくこと。この3つが記録と公的資料のどちらにも出てきます。
布団の掛け方やヒーターユニットの取り付け方は製品ごとに決められています。お使いの電気こたつの取扱説明書と本体の表示で確かめてください。

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