1. トップ
  2. 長年に渡りスタイリングを手掛けたアンジェラ・ケリーが語る「エリザベス女王との絆」

長年に渡りスタイリングを手掛けたアンジェラ・ケリーが語る「エリザベス女王との絆」

  • 2026.10.4
Hearst Owned

英国女王、エリザベス2世専属のパーソナル・アシスタント兼シニア・ドレッサーを務めたアンジェラ・ケリーさん。この10月に初来日し、阪急うめだ本店「英国フェア 2026」で、女王のファッションやエピソードを語るトークショーを行います。それに際してリシェスでは、長年の側近ならではのケリーさんの想いをインタビュー。11月28日(土)発売のリシェスNo.58「エリザベス女王のスタイリング」特集でご紹介するのに先立ち、『リシェス デジタル』でその一部をお届けします。

また、エリザベス女王をはじめ4名の王族からロイヤルワラントを授けられた英国のライフスタイルブランド「ハルシオン・デイズ」も今回の英国フェアに登場。英国の気品とクラフトマンシップに彩られたそのブランドストーリーを合わせてご紹介します。

Hearst Owned

<Profile>
Angela Kelly(アンジェラ・ケリー)
英国女王、エリザベス2世の専属パーソナル・アシスタント、シニア・ドレッサー、キュレーターとして、ジュエリー、勲章、衣装を担当。約30年にわたる貢献により、2023年にロイヤル・ヴィクトリア勲章のコマンダー(CVO)を受章。著書に『Dressing the Queen: The Jubilee Wardrobe』『The Other Side of the Coin: The Queen, the Dresser and the Wardrobe』がある。

装いを通じて女王を支え、最期の日々もその傍らに

2022年9月8日夕刻、英国の象徴として世界中で親しまれていたエリザベス女王の崩御が伝えられ、英国は深い悲しみに包まれました。同年6月には在位70周年を記念する「プラチナ・ジュビリー」で人々の祝福に応え、亡くなる2日前には、スコットランドのバルモラル城で新首相を任命。公務に献身してきた英国史上最長在位の君主は、この城で96年の生涯を穏やかに閉じました。その最期の日々を身近で支えたひとりが、ケリーさんです。アン王女や地元教会の牧師と交代で、女王の枕元に付き添っていたといいます。

ケリーさんが女王のもとで担った役割は多岐にわたります。装いのアドバイスに加え、ドレスやコート、帽子を手がけるデザイナーであり、宝飾品や勲章、ワードローブの管理・監修を担うキュレーターでもありました。

「人々の目に留まるため」の鮮やかな色彩がトレードマークに

Getty Images

父ジョージ6世の急逝に伴い、1952年2月、25歳で即位したエリザベス女王。以来、クチュリエや帽子職人、靴のデザイナーらの手による、英国の職人技とデザインの粋を集めた高貴で洗練された装いをまとってきました。しかし、「女王はご自身をファッションアイコンだとは思っていらっしゃいませんでした」とケリーさんは話します。

「最も大切だったのは、“人々の目に留まること”です。女王は小柄な方でしたから、群衆の中でもすぐにお姿を見つけられるよう、鮮やかな色を選びました」。装いは、国家元首としての役割と密接に結びついていました。女王が何よりも望んでいたのは、人々がその言葉に耳を傾けてくれることだったのです。

Getty Images

2016年6月の90歳の公式誕生日祝賀で披露されたネオングリーンのコート、2018年5月のハリー王子とメーガン妃の結婚式で見せた、ライムグリーンに紫を合わせた大胆なカラーコーディネーション。上質な素材や端正な仕立てに加え、鮮やかな色彩もまた、女王の姿を人々の記憶に刻んできました。

〈左〉Aflo 〈右〉The dresses designed by Angela Kelly and worn by Queen Elizabeth II (left) and her stunt double (right) for the London 2012 Olympics Opening Ceremony. (C) Royal Collection Enterprises Limited 2026 | Royal Collection Trust. Photographer: Jon Stokes. <br>※これは Queen Elizabeth II: Her Life in Styleで展示されているものです Hearst Owned

なかでもケリーさんが忘れがたいと語るのは、自らドレスと帽子をデザインした、2012年のロンドンオリンピックです。「開会式では、ジェームズ・ボンドとともに女王がヘリコプターから飛び降り、会場に降り立つという演出がありました。この大舞台に向けて私は、数ある色合いの中から、この特定の“ピーチ”(写真上)を選びました。事前に調べたところ、この色はどの国の国旗にも使われておらず、夜空の中でも映える色だったからです」とケリーさん。映像を手がけたダニー・ボイル監督と制作チームとの共同作業は、極秘で進められました。世界中の人々を驚かせ、楽しませる演出に携わったことは、今も特別な思い出として残っているそうです。

女王から学んだのは、他者への思いやりと理解、ユーモアを忘れないこと

Getty Images

こうした仕事の背景には、長い年月をかけて育まれた、ふたりの信頼関係がありました。出会いは1992年、女王がドイツを訪問した際のこと。当時、駐独英国大使の公邸でハウスキーパーを務めていたケリーさんは、その人柄を女王に気に入られ、王室での仕事に誘われました。1994年にアシスタント・ドレッサーとして宮廷入りし、以後、約30年にわたって女王に仕えることになります。ウィンザー城の敷地内に暮らし、衣装室や寝室で身の回りを整える日々には、公の場ではうかがい知れない、親密なひとときもありました。

「女王は毎朝、BBCラジオ2の番組を聴いていらっしゃいました。お気に入りの『ダンシング・クイーン』が流れると、ふたりで一緒に踊ったものです。女王は歌うことがお好きで、歌声も素敵でした。でも、歌が得意ではない私が加わると、女王の調子を乱してしまって、ふたりで笑い合いました。あれほどくつろいだお姿を拝見できたことは、かけがえのない思い出です」。女王のドレスやコートを手がけてきた英国人デザイナー、スチュワート・パーヴィンさんも、『ヴァニティ・フェア』誌に「アンジェラは女王に自信をもたらし、彼女がそばにいると、女王はよりリラックスしていらっしゃいました」と語っています。

「長年、女王の傍らで働き、本当に多くのことを学びました。他者への思いやりと理解、そしてユーモアを忘れず、人生の面白い側面に目を向けること。私自身も自信を深め、自分の選択や決断を貫くことができるようになりました」。女王のことを語ると、今も思いが込み上げるケリーさん。一方、これからの仕事に話が及ぶと、「新しい冒険を始めたい」と話します。目指しているのは、女性たちが大切な場面に自信をもって臨めるよう、装いを通じて支えること。女王のもとで培った経験を、今度はほかの女性たちのために生かそうとしています。初めて訪れる日本では、若いデザイナーの仕事場を訪ね、素材や手仕事に触れることも楽しみにしているそう。女王と過ごした日々を大切にしながら、新たな出会いから学ぶことにも、心を弾ませています。

エリザベス女王からロイヤルワラントを授与された「ハルシオン・デイズ」

Hearst Owned

装いを彩るドレスや帽子から、王室の居城での暮らしに息づく数々の工芸品まで、エリザベス女王は英国のクラフトマンシップを重んじ、その継承を支えてきました。英国の伝統的なエナメル工芸を受け継ぐ「ハルシオン・デイズ」も、約40年にわたり女王のロイヤルワラントを保持してきたブランドのひとつです。

そうした王室との関わりが認められ、2022年3月、同社の会長兼CEOのパメラ・ハーパーさんと夫のピーターさんは、ウィンザー城で女王に内謁する機会を得ました。当日は、アーカイブのエナメル作品が披露され、職人による絵付けや金彩の実演も行われました。「女王は、私たちの熟練した絵付け・装飾職人の技をぜひ間近で見たいと望んでいらっしゃいました」と、パメラさんは振り返ります。

Hearst Owned

「ハルシオン・デイズ」の歩みは、1950年、ロンドン・メイフェアの小さなアンティークショップから始まりました。1970年には、途絶えかけていた英国のエナメル工芸を復興し、初の工房を開設。同年、エリザベス王太后から、その住まいであるクラレンス・ハウスを描いたエナメルボックスの注文を受け、1972年に初のロイヤルワラントを授与されました。その後、エリザベス女王、エディンバラ公、当時のチャールズ皇太子からも認定を受け、2024年にはチャールズ3世国王からも。王室との深い縁は、世代を超えて受け継がれています。

Hearst Owned

ブランドの礎をなすエナメル工芸品に加え、ジュエリーやテーブルウエアも展開する同社。王室とのつながりを花の意匠で表現した新作が、2026年に登場したファインボーンチャイナの「ザ・キングズ・ローズ」コレクションです。モチーフは、イングリッシュローズで知られる英国の育種会社「デヴィッド・オースティン」が、チャールズ3世国王に敬意を表して名づけたバラ。鮮やかなピンクに白い絞り模様が入る、表情豊かな花びらが特徴です。ティーポットやカップ&ソーサーには、柔らかなピンクの花々やつぼみ、瑞々しいグリーンの葉がレリーフのように立体的に浮かび上がり、小さな金色の蜂が愛らしさを添えます。ボーンチャイナの表面のバラには、息を呑むほど繊細な絵付けが施され、その花びらが織りなす柔らかな起伏が、器にやさしい温もりを感じさせます。

キングズ・ローズ Tea for Twoセット[ティーカップ&ソーサー2客、ティーポット、クリーマー、スモールボウル]¥341,000(ハルシオン・デイズ/シグニチャー 西馬込店)<br>※写真内のチャージャープレートは含まれません Hearst Owned

「今後はチェリーブラッサムをモチーフにした新作も予定しています」とパメラさん。日本のために考案された桜の意匠も、すべて手描きで仕上げられます。英国の伝統的な陶磁器づくりに根差し、日本へと想いを寄せる「ハルシオン・デイズ」。熟練の職人の手から生まれる花々は、英国工芸の豊かさを伝え、日々のティータイムに優雅な彩りを添えてくれることでしょう。

阪急うめだ本店「英国フェア2026」に、アンジェラ・ケリーさんとハルシオン・デイズが登場

Hearst Owned

毎年人気を博す阪急うめだ本店の「英国フェア」。今年は過去最大級の約130店舗が集結します。アフタヌーンティー、ブリティッシュパブ、ファッション&雑貨など本場の英国スタイルを満喫できるほか、さまざまなイベントも開催。会期前半はエリザベス女王生誕100周年を記念して「女王の愛した英国~語り継がれる名品~」を、後半は「アフタヌーンティーマーケット」をテーマとするので、両方ともに見逃せません。

会期前半にハルシオン・デイズが出展するのはもちろん、ケリーさんのトークショーや書籍サイン会・写真撮影会という特別な機会が実現します。ぜひ立ち寄ってみてください。

【阪急うめだ本店「英国フェア2026」】
会期/2026年10月7日(水)~19日(月)
※前半は10月7日(水)~12日(月・祝)、後半は10月14日(水)~19日(月)
時間/10:00~20:00
※12日(月・祝)と19日(月)は17:00終了
※13日(火)は終日閉場
会場/大阪府大阪市北区角田町8-7 阪急うめだ本店 9階 催場、祝祭広場、阪急うめだギャラリー、アートステージ
URL/website.hankyu-dept.co.jp/honten/h/britishfair
※一部、英国以外の国(地域)で生産または原材料を使用した商品もあります
※諸事情により、出品・出店や来日が中止になる場合があります

【アンジェラ・ケリー トークショー】
内容/エリザベス女王の身近にいたケリーさんだからこそ知るエピソードや女王のファッションの魅力を語ります。
日時/
10月7日(水)18:00~
10月9日(金)11:00~、15:00~
10月10日(土)11:00~
※各回約30分
場所/9階 祝祭広場 階段下ステージ
参加費/無料

【アンジェラ・ケリー 書籍サイン会・写真撮影会(要予約)】
内容/衣装を通したエリザベス女王の素顔を率直に綴り、女王本人の許可を得て出版されたベストセラー回顧録『The Other Side of the Coin: The Queen, the Dresser and the Wardrobe』をサイン付きで。ケリーさんと参加者の写真撮影も行います。
日時・定員/
10月9日(金)12:20~14:00(定員16組)
10月10日(土)13:00~15:00(定員24組)
※各組約5分
参加費/¥5,500(書籍代込み)
予約URL/reserve.hankyu-hanshin-dept.co.jp/events

ハルシオン・デイズ 問い合わせ先
シグニチャー 西馬込店
TEL/03-3777-3417
URL/www.halcyondays.co.uk

元記事で読む
の記事をもっとみる

注目コンテンツ