1. トップ
  2. 暮らし
  3. 食洗機の小物がヒーターで溶ける理由とNG5つ

食洗機の小物がヒーターで溶ける理由とNG5つ

  • 2026.10.3

軽い樹脂のスプーンや箸が食洗機の中で洗浄水に飛ばされ、ヒーターの上で溶けたり焦げたりした記録があります。NITEに集まった食器洗い乾燥機の事故280件を編集部が原因の結論から分け、ヒーターまわりで物が溶けた・焦げた25件の中身を整理。小物の入れ方からコンセントのつなぎ方まで、やりがちなNG5つをまとめました。

食洗機から焦げたようなにおいがして、扉を開けたら樹脂のスプーンが変形していた。庫内にはお湯をわかしたり食器を乾かしたりするためのヒーターがあります。
洗っている間、ノズルから噴き出す水の勢いで、軽い物はかごから飛ばされることがあります。落ちた先が乾燥のときに熱くなるヒーターやその近くだと、溶けたり焦げたりすることがあります。
製品の事故を調べる独立行政法人、NITEに集まった記録のうち、品名が食器洗い乾燥機・食器洗い機の280件を編集部で読み、原因の結論ごとに分けました。ヒーターまわりで物が溶けた・焦げた記録は25件ありました。
記録と公的機関の資料の両方から、かごに食器を入れるときから順に、やりがちなNGを5つ紹介します。

食洗機の事故280件 製品の不具合が112件、使い方は17件

数えたのは、NITEが公開している事故情報の検索サイトSAFE-Liteで、2026年10月3日に検索できた記録です。品名に「食器洗い」「食器洗浄」「食洗」「食器洗機」のいずれかを含む283件から、食器洗い用スポンジと洗剤の3件を外し、280件を対象にしました。発生は1996年2月〜2025年8月で、品名にビルトインとある記録が144件、そのほかの卓上型などが136件です。被害の種類に「火災」とあるものは133件でした。
結論の文で分けると、いちばん多いのは製品の不具合とみられるもの112件でした。原因がわからない・製品以外とみられるものが106件、設置工事や修理の作業に不備があったものが27件、長く使ったことによる劣化が18件で、使い方が原因とみられるものは17件です。

使い方17件のうち10件は、庫内のヒーターに物が触れて溶けたり焦げたりした記録です。内訳は、軽いスプーンや箸、容器のふたなどがヒーターやその近くに落ちたり入り込んだりした6件(うち4件は洗浄水で飛ばされたとみられるもの)、回転ノズルが外れた2件、ビニールと食品かすが1件ずつでした。残りは、プラグやコンセントまわりが4件、使用者が自分で修理した記録が2件、延長コードの容量を超えて使った記録が1件です。
件数を見るときに気をつけたいこと
・NITEへ通知されたり、NITEが集めたりした製品事故のうち、上の品名で検索できた記録の数です。食洗機の事故の全体を表す数ではありません
・原因ごとの振り分けは、weboo編集部が結論の文を読んで決めました。NITEが原因区分を付けていない(「--」の)記録も同じです
・「特定には至らなかった」とされた記録は、使い方が関係していそうでも原因不明側に入れています

ヒーターまわりで溶けた・焦げた25件 分類をまたいで数えると

使い方以外に分けた記録の中にも、ヒーターに物が触れた例があります。分類をまたいで、結論の文に物がヒーターやそのカバーに触れた・付いたとある記録を数えると25件でした。
多かったのは食品かすや油汚れ、異物がヒーターカバーの内側などに付いて、乾燥運転の熱で焦げた記録の8件です。このうち3件は、取扱説明書の清掃方法や注意表示が足りなかったことも影響したとされ、製品側に分けています。ほかに、樹脂などの燃えやすい物がヒーターに触れて出火した可能性が考えられるものの、原因の特定には至らなかった記録が7件ありました。なお、ポンプの不具合などで空だきになり、ヒーター近くの樹脂の小物入れが溶けた記録も3件ありますが、製品側の記録で、物がヒーターに触れたとは書かれていないため数えていません。

NG1|軽いスプーンや箸、容器のふたを食器用のかごにそのまま入れる

お弁当箱のふたや樹脂のスプーン、菜箸を、ほかの食器のすき間に差し込んでスタートする。洗い終わったら、底のほうで変形していた。
使い方の記録で最も多いのが、この軽い物がヒーターやその近くに落ちたり入り込んだりした6件です。樹脂のスプーン、ペットボトルのふた、プラスチックの箸箱、菜箸、木の箸、樹脂製品が、ヒーターやその近くで溶けたり焦げたりしていました。木の箸の記録では、箸がヒーターカバーの穴から入り込んでヒーターに触れ、乾燥のときの熱で出火して樹脂の水槽に燃え広がったとされています。箸箱の記録では、取扱説明書が小物用ポケットに入れるよう求めていたのに、食器用のかごに入れていました。

防ぐには:飛ばされやすい軽い物は入れ方を取扱説明書で確認。
NITEは2009年5月のメールマガジンで、使用者が入れた軽い樹脂のスプーンが洗浄水の噴射で吹き飛ばされ、温風の吹き出し口の上に落ちて、乾燥のときのヒーターの熱で溶けたとみられる事例を紹介しました。その機種の取扱説明書には「プラスチックのスプーン・フォーク等、洗浄水の噴射でとばされやすい軽いものは入れない」旨の注意表示があったとし、取扱説明書をよく読んでから使うよう呼びかけています。
食洗機で洗える食器や小物用のかごの有無は機種によって違います。軽い物をどこに、どう入れるかは、手元の機種の取扱説明書で確かめておきましょう。

NG2|食器と一緒にビニールが入ったまま運転する

作り置きの容器を、ラップをかけたまま流しに置いておき、そのまま食洗機へ。食器の下にポリ袋の切れ端が残っていたことに気づかない。
ビニールの記録は1件と少数ですが、運転中に焦げたにおいがして、上の排気口から黒い煙がたくさん出て、ブザーとエラー表示で止まったというものです。庫内や内部の電気部品に異常はなく、ヒーターにビニールとみられる焦げが付いていたとされています。

防ぐには:セットするときに庫内へビニールを入れない。
NITEは同じ2009年5月のメールマガジンでこの事例を取り上げ、「庫内にビニール等が入らないよう食器を入れる際はご注意ください。」と呼びかけています。ビニールが溶けてヒーターの熱がこもり、まわりの温度が一時的に上がったことで、エラーを検知したとみられています。

NG3|取り外した回転ノズルを、奥まで差し込まずに使う

庫内を掃除したついでに回転ノズルを外し、元の位置に載せただけで扉を閉める。
ノズルが軸受けに正しく差し込まれておらず、運転中に外れてヒーターの上に倒れ、溶けた記録が2件あります(どちらもビルトイン型)。件数は多くありませんが、NITEは2017年10月の資料でも、ビルトイン式の食洗機で製品に起因しない事故の一つに「回転ノズルの挿入不十分により、運転中に外れてヒーターに接触し、溶融」を挙げています。

防ぐには:取扱説明書の手順で取り付け、外れないか確かめる。
2件の記録には、その機種の取扱説明書に「ノズルをカチッというまで押し込み、取り付けた後、ノズルが手で軽く回ることを確認する」旨の記載があったと書かれています。ノズルの外し方や付け方は機種ごとに違うため、手入れのあとは取扱説明書の手順で戻しましょう。

NG4|ドアのレバーのぐらつきに気づいても使い続ける

扉のレバーががたつくけれど、閉まるには閉まるのでそのまま。修理を頼んだあとも、とりあえず使い続けている。
不具合や異常に気づきながら使い続けた、と書かれた記録は分類をまたいで7件あり、そのうち4件はドアのレバーやハンドルのぐらつきでした(4件とも2008〜2011年に起きた記録です)。このうち3件は、長く使ううちにドアのレバーを固定する部分が壊れ、ドアのスイッチの端子に力がかかって熱を持ち、出火したとされています。
長く使ったことによる劣化18件で見ても、13件はドアまわりの記録でした。レバーの固定部の破損のほか、ドアの開け閉めを繰り返して内部の配線が傷んだもの、ドアのゴムが劣化して入り込んだ水でスイッチがさびたものです。

防ぐには:普段と違うと気づいたら使うのをやめ、点検を。
総務省消防庁は、電気器具の安全な取り扱いとして「使用中に普段と違った音や動きに気付いたときは、すぐに使用を止め、コンセントから差込プラグを抜いて、専門の業者に点検をしてもらいましょう。」と呼びかけています。NITEも2017年10月の資料で、ビルトイン式の食洗機などを長く使っている場合は注意して使い、点検を受けることを勧めたうえで、「製品に異常があれば速やかに使用を中止してください。」としています。

NG5|延長コードやタップで、ほかの家電と一緒につなぐ

キッチンのコンセントが足りないので、電気ケトルや電子レンジと同じタップに食洗機のプラグも差している。
延長コードやタップにつないでいた記録は、分類をまたいで10件ありました。ほかの機器も一緒につなぎ、延長コードの容量を超える使い方を繰り返して差込口が熱を持った記録のほか、水がかかる場所に置いた延長コードの差込口に水が入った記録、タップの部分から出火した記録などです。

防ぐには:コンセントの上限と取扱説明書の指示を確認。
NITEが2025年7月にまとめた消費電力の目安では、食器洗乾燥機は1,200〜1,300Wです。一般的な壁の2口コンセントは2口の合計で1,500Wまでなので、食洗機を差すと、もう片方に使えるのは計算上200〜300Wしか残りません(編集部の計算)。
同じ資料でNITEは、消費電力の大きな家電にはタップなどにつなぐことを禁じている製品もあるとして、つなぐ前に取扱説明書や本体の表示を見て、その指示に従うよう求めています。総務省消防庁も、コンセントの許容量を超えて使うと過熱して火災の原因になるとして、たこ足配線をやめるよう呼びかけています。延長コードそのものの注意は、関連記事の延長コード・タップのNG5つで紹介しています。

焦げたにおい・煙・異音が出たときに公的機関が挙げること

記録には、焦げたにおいや異音、ブザーで異常に気づいたものもあります。普段と違うと感じたときの対応として、公的機関の資料にあるものを抜き出しました。
・すぐに使うのをやめ、コンセントから差込プラグを抜いて、専門の業者に点検してもらう(総務省消防庁)
・電源プラグが変形している・焦げている・異常に熱いときは使用を中止し、メーカーか販売店へ(NITE)
・電源コードが傷んだときは、使うのをやめて販売元に相談する。コードの修理や改造は大変危険(NITE)
記録の中には、電源コードを途中で切って別の線とつないだり、屋内の配線に直接つないだりしていたものが4件あり、そのうち2件は設置工事のときの作業でした。

よくある質問

食洗機の事故は、使い方より製品の不具合が多い?

この記事の数え方では、製品の不具合とみられる記録が112件で最も多く、使い方が原因とみられる17件を大きく上回りました。基板やコネクター、配線の不具合、洗浄水が内部に入り込んだことによる発火などです。記録の再発防止措置の欄に、回収や無償の点検・修理、社告などが書かれたものは81件ありました。NITE SAFE-Liteでは、製品名を入れて事故の情報とリコールの情報を調べられます。

食品かすは、どの程度落としてから入れればいい?

ヒーターまわりで溶けた・焦げた25件のうち、食品かすや油汚れ、異物が関係した記録は8件でした。記録の中には、取扱説明書の「ひどい油汚れや残菜は確実に取り除きます。」旨の記載にふれたものがあります。どこまで落とすか、フィルターやヒーターカバーをどう手入れするかは機種によって違うため、取扱説明書の手順に従ってください。

まとめ 軽い物とノズルを確かめてからスタートを

出典 www.nite.go.jp

食洗機のNGと、それぞれの防ぎ方をもう一度並べます。
・軽いスプーンや箸、容器のふたを食器用のかごにそのまま入れる → 飛ばされやすい軽い物は入れ方を取扱説明書で確認
・食器と一緒にビニールが入ったまま運転する → セットするときに庫内へビニールを入れない
・取り外した回転ノズルを、奥まで差し込まずに使う → 取扱説明書の手順で取り付け、外れないか確かめる
・ドアのレバーのぐらつきに気づいても使い続ける → 普段と違うと気づいたら使うのをやめ、点検を
・延長コードやタップで、ほかの家電と一緒につなぐ → コンセントの上限と取扱説明書の指示を確認
1996年2月〜2025年8月の食洗機の記録280件では、使い方が原因とみられるものは17件で、そのうち10件は庫内のヒーターに物が触れて溶けたり焦げたりしたものでした。かごに食器を並べ終えたら、飛ばされそうな軽い物やビニールがないか、ノズルが外れていないかを一度見てからスタートしましょう。

件数はすべて、2026年10月3日時点でSAFE-Liteに載っていた記録をweboo編集部が原因の結論から分けて数えたもので、NITE自身の集計とは別のものです。洗える食器や小物の入れ方、ノズルの付け方、使えるコンセントは機種によって違います。お手元の食洗機の取扱説明書で確かめてください。

元記事で読む
の記事をもっとみる

注目コンテンツ