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ガスファンヒーターは指定の接続具で NG5つ

  • 2026.10.2

ガスファンヒーターやガスストーブの製品事故の記録196件を、weboo編集部が原因の結論から分類しました。使い方が原因とみられる92件のうち50件は漏れたガスに火がついた事故で、専用のガスコード以外でつないだ記録が24件ありました。差し込み方やにおいに気づいたときの対処まで、NG5つを公的機関の資料と合わせて紹介します。

朝晩の冷え込みが強くなると、しまっておいたガスファンヒーターを出して、ガス栓につなぐ日がやってきます。年に一度しかしない作業だけに、ホースの種類や差し込み方は記憶があいまいになりがちです。
経済産業省所管の独立行政法人NITE(製品評価技術基盤機構)が集めた製品事故のうち、品名がガスファンヒーター・ガスストーブ・ガス温風暖房機の記録196件について、原因の結論を編集部で分類しました。使い方が原因とみられる92件のうち、50件は漏れたガスに火がついた事故です。そのうち24件は、ゴム管など専用のガスコード以外の接続具でつないでいました。
記録に何度も出てくる使い方のうち、公的機関の資料も注意を呼びかけているものを、ガス栓につなぐときから順にNG5つにまとめました。洗濯物やスプレー缶のように石油ストーブ・電気ストーブと共通する注意は、よくある質問で件数だけ紹介しています。

ガス暖房の事故の記録196件 使い方の92件中50件は漏れたガスに引火

もとにしたのは、NITEの事故情報を検索できる「SAFE-Lite」に2026年10月2日時点で載っていた記録です。品名に「ガスファンヒーター」「ガスストーブ」「ガス暖房」「ガス温風」「ガスヒーター」のどれかを含む227件から、カセットボンベなどのガスで動くものや携帯用・屋外用の31件を外し、ガス栓につないで使う196件を対象にしました。都市ガス用126件、LPガス用67件、ガスの種類の記載がないもの3件で、品名に「FF式」「密閉式」とある14件も含みます。発生は1996年2月〜2025年2月です(発生日がわからない3件を含む)。
結論の文で分けた結果は、使い方が原因とみられるもの92件、原因が特定されなかったり製品以外にあるとみられたりしたもの96件、製品自体の不具合6件、長く使ったことによる劣化2件でした。
使い方92件の中で最も多いのは、接続部やホースから漏れたガスに火がついた事故の50件です。周りの物が燃えたり熱せられたりした事故31件が続き、換気不足などによる不完全燃焼や酸欠と、体や衣服が熱に触れた事故がそれぞれ4件でした。

この数字が表すもの・表さないもの
・NITEに通知・収集された製品事故の記録のうち、上の品名で拾えたものの件数です。ガス暖房の事故をすべて数えた数字ではありません
・原因の振り分けは編集部(weboo)の判断です。NITEの区分が「--」となっている記録は、結論の文を読んで決めました
・使い方92件のうち45件は2006〜2010年の記録で、2016年以降は4件です。記録の数は年によって大きく違うため、年ごとに事故が増えた・減ったと読むことはできません
・原因不明・製品以外の96件にも、接続部から漏れたガスに火がついたことが考えられるものの、特定までは至らなかった記録が13件あります
このあとのNG1〜5は、記録に繰り返し出てきて、しかもNITEや消防庁などの資料に同じ注意が書かれている使い方です。ガス栓につなぐ、使う、においに気づく、という流れの順に並べています。

NG1|取扱説明書の指定と違うゴム管や接続具でつなぐ

買い替えた新しいファンヒーターを、家にあったガス用のゴム管でガス栓につないでしまう。こんろ用のホースが余っていたから、と流用する。
ガスが漏れて火がついた50件のうち、24件は取扱説明書が指定するガスコード以外の接続具でつないでいた記録です。18件はゴム管(絹巻ラセン管や口ゴム付きのホースを含む)で、残りは指定と違うソケットやプラグなどでした。器具別ではガスファンヒーター14件、ガスストーブ6件、ガス温風暖房機4件です。使っているうちに接続が緩んだり外れたりしたと書かれた記録が6件、漏れたガスが本体の内部に吸い込まれて火がついたとされた記録が7件ありました。

防ぐには:接続具は取扱説明書の指定どおりに。接続口の形も確認。
NITEが2016年11月に作成した資料は、参考として業界団体のホームページから、ガス用ゴム管は「ホースエンド型」の接続口にしかつなげず、ガス暖房機の接続口は「スリムプラグ型」でゴム管はつなげないため、接続具には必ず「ガスコード」を使うという説明を載せています。2009年12月の資料でも、ガスストーブ・ガス温風暖房機の注意の一つに「ガスホースは所定のものをお使いください。」を挙げていました。
NITEのちらしでは、指定の迅速継手を使わずにゴム管を直接つないだため、使ううちに接続部が少しずつ外れ、タイマーで点火したときに漏れたガスに火がついたファンヒーターの事例が紹介されています。
ただし記録の中には、本体側がゴム管を差し込む形(ホースエンド)のガスファンヒーター・ガスストーブもありました。ゴム管でつなぐ接続口について、NITEは2020年の資料で「ゴム管は、接続口の赤線まで差込み、必ずゴム管止めで固定する。」としています。手元の機種の接続口がどちらの形かは、取扱説明書で確かめておきましょう。

NG2|「カチッ」まで差し込まず、外れないか見ない

シーズン最初にガスコードをつなぐとき、プラグが引っかかった手応えだけで、奥まで入ったと思い込んでしまう。
ガスが漏れて火がついた50件のうち、ガスコードやホースの差し込み・締め付けが足りなかった記録は10件です。その冬初めて使う日に、継手が奥まで差し込まれていなかった記録や、ホースが外れたあとつなぎ直して使った記録があります。ゴム管を差し込む形の接続口で、ゴム管止めが付いていなかった、ゴム管バンドの締め付けが不十分だった、という記録も含めました。

防ぐには:カチッと鳴るまで差し込み、外れないことを確かめる。
NITEは2020年3月の資料で、ソケットにゴミなどが付いていないかを見たうえで、カチッという音がするまでしっかり差し込み、容易に外れないことを確認するよう求めています。ガス栓を開けるのは、ガス栓からガス機器までつながっていることを確かめてから、とも書いています。
同じ資料では、2009〜2018年度にNITEへ通知されたガス栓・ソケット・ゴム管などの事故474件のうち、誤使用や不注意による261件の中で、接続不良でガスが漏れて引火した事故が133件ありました。差し込み不足によるものが最も多く、掃除や機器の取り替えでいったん外し、つなぎ直したときにきちんと接続されなかった例も挙がっています。対象の範囲が違うので、この記事の件数とは比べていません。

NG3|長すぎるホースで、接続部に無理な力をかける

部屋の真ん中まで届くように長いホースを使い、床をはわせたまま。ガス栓の前に家具があって、ホースが曲がった状態でつながっている。
ホースに力がかかって外れたり緩んだりした記録は4件と多くはありません。ヒーターを動かしたときにホースが外れたり接続が不完全になったりした記録が2件、長いホースを足で引っかけて接続部が緩んだ記録、ふすまの開け閉めでホースの接続部に力がかかった記録が1件ずつでした。

防ぐには:長さは適切に。障害物があれば自在型のソケットに。
NITEの2016年の資料は、同じ参考欄で、ガスコードは適切な長さの物を使い、長すぎると機器の熱くなる部分に触れたり、無理な力がかかったりして破損し、ガス漏れの原因になるとしています。ガス栓の周りに障害物があるときは、ソケット部が自在型のガスコードを使うようにも載せています。
2020年の資料も、ゴム管が曲がらないよう長さとソケットの形を選ぶよう挙げ、力が加わったまま使い続けると接続部が壊れてガス漏れの原因になるとしています。

NG4|ひび割れて硬くなったホースを使い続ける

ヒーターは何度か買い替えたのに、ホースは昔からの物をそのまま使っている。触ると硬く、表面に細かいひびが入っている。
使い方に分類した記録のうち、ホースの劣化が書かれていたのは2件で、約20年使っていたストーブのガスホースが硬くなってひび割れていた記録と、古くなったゴムホースの亀裂からガスが漏れた記録です。ほかに、ホースの外れか亀裂かが特定されていないものが1件あります。原因不明・製品以外に分類した記録にも、古くなったゴム管の亀裂から漏れたガスに火がついたとみられるものが1件ありました。

防ぐには:硬くなった・ひびのあるホースは新しい物に交換。
NITEは2020年の資料で、ソケットやゴム管・ガスコードは時間とともに劣化するとして、ひび割れて硬くなった物や端がゆるくなった物は交換し、ガス機器を買い替えるときにも合わせて交換するよう求めています。青ゴム管などは製造が終わってから20年以上たっているため、すぐに交換するよう挙げました。NITEのちらしも、ひび割れて固くなってきたゴム管は新しい物に取り替えるよう書いています。

NG5|ガスのにおいがするのに火をつける

少しガスくさい気がするけれど、寒いのでとりあえずスイッチを入れる。なかなか火がつかないので、点火ボタンを何度も押す。
ガスが漏れていたり部屋にたまっていたりする中で、ガス暖房の点火操作をした記録は9件ありました(点火を繰り返したものを含み、NG1〜4と重なる記録もあります)。ホースが外れたことに気づいてつなぎ直したあと、十分に換気しないまま使った記録が2件、ガス警報器が鳴っていたのに、においを感じなかったため点火した記録、器具栓のつまみが半開きでガスが漏れていた部屋で点火した記録、ホースをつながないままガス栓を開け、つなごうとして誤って点火した記録、火がつかないので点火を繰り返した記録などです。原因不明に分類した記録にも、点火操作を繰り返したあとに出火したり爆発したりしたものが4件あります。

防ぐには:火もスイッチも使わず、栓を閉めて窓を開ける。
NITEは2016年の資料で、ガスのにおいがしたり、ガス漏れの音が聞こえたりしたときは使うのをやめ、ガス栓とガス暖房機が正しくつながっているか確認するよう挙げています。においに気づいたときの手順は、次の節にまとめました。

ガスのにおいに気づいたら 火もスイッチも使わない

NITEは2020年3月の資料で、ガスのにおいがしたりガス漏れの音が聞こえたりしたときは、次のことをすぐ行うよう挙げています。
・火を使っていたら、すぐに全部消す
・火のもとになる換気扇や電灯などのスイッチには、決して手を触れない
・ガス栓を閉める
・窓や戸を大きく開ける
・ガス事業者へ連絡する
漏れを確かめようとしてライターの火を近づけ、引火した事故もあると注意し、ガス漏れに早く気づくためのガス警報器の設置も勧めています。
総務省消防庁の防災・危機管理eカレッジも、ガス臭いと感じたら器具栓やガス栓を閉めて火を止め、玄関の扉や窓を開けて新鮮な空気を入れるよう説明しています。換気扇や空気清浄機のスイッチは電気の火花で引火するおそれがあるため操作しないこと、空気より重いLPガスでは床など低い所の換気も十分に行うことも挙げています。そのあと、都市ガスでは換気して安全を確かめてから屋外のメーターガス栓を閉めてガス会社へ、LPガスでは容器のバルブを閉めて販売店か緊急時連絡の保安機関へ連絡し、指示を受けるよう書かれています。

よくある質問

洗濯物やスプレー缶の事故は、ガス暖房にもある?

あります。使い方92件のうち、周りの物が燃えたり熱せられたりした事故は31件でした。上や前に干した洗濯物・タオル・衣類が落ちたり触れたりした記録が8件、温風の前に置いたり近くで使ったりしたスプレー缶の記録が7件、寝ている間の記録が4件などです。NITEは2009年12月の資料で、ガスストーブ・ガス温風暖房機でも、布団やカーテン、新聞紙、雑誌などの燃えやすい物の近くで使わないこと、洗濯物や衣類を器具の上につるしたり干したりしないことを挙げています。燃えやすい物から離す距離は、機種ごとに取扱説明書に書かれています。スプレー缶の注意は、関連記事の石油ストーブのNG5つでも紹介しています。

ガスファンヒーターでも換気は必要?

NITEは2009年12月の資料で、ガスストーブ・ガス温風暖房機を換気しないまま使い続けないよう挙げ、密閉燃焼式を除いて、使うときは必ず換気するよう求めています。堺市消防局も、経済産業省のウェブサイトを出典に、LPガス機器の注意として、ガスファンヒーターを使うときは定期的に部屋を換気するよう呼びかけています。
記録では、使い方に分類したもののうち換気不足やほこりの詰まりによる不完全燃焼や酸欠が4件で、窓を閉め切った部屋で長時間使った例や、不完全燃焼を防ぐ安全装置のない古いストーブを換気せずに使った例でした。

カセットボンベで使うガスストーブは?

この記事の集計からは外しています(カセットボンベなどのガスで動くものや携帯用・屋外用の記録31件)。NITEは2016年の資料で、カセットボンベ式のガスストーブにボンベを付けたとき、ガスのにおいがしたり「シュー」という音が聞こえたりしたら使うのをやめ、ボンベの切り込み部がストーブのボンベ受けガイドにきちんとはまっているか確かめ、しばらく時間をおいてから使うよう求めています。

まとめ ガス栓につなぐ日にホースの種類・差し込み・傷みを見る

出典 www.nite.go.jp

ガスファンヒーター・ガスストーブでやりがちなNGと、防ぐためのポイントです。
・取扱説明書の指定と違うゴム管や接続具でつなぐ → 接続具は取扱説明書の指定どおりに。接続口の形も確認
・「カチッ」まで差し込まず、外れないか見ない → カチッと鳴るまで差し込み、外れないことを確かめる
・長すぎるホースで、接続部に無理な力をかける → 長さは適切に。障害物があれば自在型のソケットに
・ひび割れて硬くなったホースを使い続ける → 硬くなった・ひびのあるホースは新しい物に交換
・ガスのにおいがするのに火をつける → 火もスイッチも使わず、栓を閉めて窓を開ける
1996年2月〜2025年2月に起きたガス暖房の事故の記録196件では、使い方が原因とみられる92件のうち50件が、接続部やホースから漏れたガスに火がついた事故でした。暖房シーズンの最初にガス栓へつなぐときが、ホースの種類、差し込み、傷みをまとめて確かめるよい機会です。

この記事の件数は、2026年10月2日にNITE SAFE-Liteで検索した記録について、原因の結論の文からweboo編集部が数えたもので、NITE自身がまとめた数字ではありません。接続口の形や使えるガスコード、対応するガスの種類(都市ガス・LPガス)は機種によって違います。つなぐ前に、お手元の機器の取扱説明書で確かめてください。

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