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全社連絡に届いた社長の孫の写真→順番を待っていると思っていた私が、3分後に1番に送った一言

  • 2026.10.3
ハウコレ

先輩に言われるまで、誤送信だとは思っていませんでした。3分のあいだ打っては消していたのは、社長への感想ではなく、入社してから毎回並べてきたあの一言です。

全社連絡のグループに、白いおくるみの赤ちゃんの写真が上がってきました。差出人は社長で、添えられた文は「じいじの指、離さない」の1行です。入社2か月の私は、うちの会社はこういう写真も共有するところなのだと、その時は受け取っていました。

打っては消した一言

社長の投稿に返してきたのは、入社してから「承知しました」の一言だけです。連絡事項が出ると、先輩たちの承知しましたが上から順に並び、末尾にそろえて同じ一言を足します。写真にも、指が勝手にその一言を打っていました。読み返して、消しました。赤ちゃんの写真に承知しましたは、さすがにおかしい。かといって、入社2か月の私が社長の家族の写真に感想を書くのは、順番として先輩たちより先でいいのか。隣の席の先輩の画面には、同じ写真が開いたままでした。

誰の返信も並ばない画面

返信は、誰からもつきませんでした。連絡事項なら1分と空かない画面が、写真の下だけ空いています。時刻表示を見ると、写真が届いてから3分が経っていました。おくるみの赤ちゃんは大人の人差し指を両手で握っていて、指のほうが引き抜けずにいる、そんな写真です。感想はもう決まっていました。決まらないのは、私が1番に書いていいのかどうかだけです。先輩たちが書かないのも、同じように順番を待っているからだと思っていました。送信の前に、文の終わりの「ね」を消して、また足しました。

隣の席から聞こえた「誤爆だよ」

「社長、お孫さんに指を持っていかれてますね」。送ってすぐ、隣の先輩がこちらへ体を向けて、小さな声で言いました。「それ、たぶん誤爆だよ」。全社連絡に社長が私物の写真を上げる理由がない、と言われて、ようやく画面の意味が変わりました。みんなが待っていたのは、なかったことになるまでの時間だったのだと、そこで思い至りました。取り消しもできない画面の1番下に、私の感想だけが乗っています。そこへ社長の返信がつきました。「送る先を間違えました。消し方がわからないので、このままにしておきます」。そのあとは早く、課長のスタンプと、総務の「おめでとうございます」が続きました。

そして...

先輩には、空気を読んで返したのだと思われています。読めていなかっただけです。あの写真は今もグループに残っていて、上へ送ればすぐに出てきます。社長の連絡事項には、今も承知しましたを1番に打っています。順番を待たなくていいことだけは、あの日に覚えました。

(20代女性・事務職)

本記事は、読者アンケートに寄せられた実体験をもとにした本人視点の記事を参考に、相手側の心情を想定して制作しています。実際の相手本人への取材ではなく、編集部による解釈を含みます。

(ハウコレ編集部)

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