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「もう店に着いてるよ。3回目だよね」に、責められる前に強く出てしまった俺が、後悔した彼女の一言

  • 2026.10.3
ハウコレ

「ドタキャンくらい許せよ」は、責められる前に先に強く出てしまう俺の癖でした。数日後に届いた彼女の返事は、責めても怒ってもいなくて、だからこそ重かったのです。

会社の固定電話が、切ったそばからまた鳴り出しました。その横で自分のスマホが光り、彼女の名前が浮かびます。断りのメッセージを送ってから、まだ10分も経っていませんでした。

断りの一行を打つまで

彼女とは付き合って1年半。行きたい店を見つけるのは俺で、予約を取るのはいつも彼女でした。この日のパスタの店も、俺が行きたいと言い出した場所です。

退社の準備をしていたところに、取引先から納品ミスの連絡が入り、上司と2人で対応に追われました。デスクを離れられないまま、指だけでメッセージを打ちました。

「ごめん、今日行けなくなった。仕事で抜けられない」

既読はすぐつきました。返事が来るまでの間、彼女は今頃メニューを閉じているのだろうかと考えていました。

「もう店に着いてるよ。3回目だよね」

責められる前に、強く出てしまう癖

「3回目」という言葉を見て、頭に浮かんだのは言い訳でした。前の2回も仕事だったこと、今回は俺のせいじゃないこと。全部打ってから消して、残ったのは一番短い一行です。

「ドタキャンくらい許せよ」

送った直後にまた電話が鳴り、対応が終わるまでスマホを裏返して置いていました。

昔から、責められそうになると先に強く出てしまいます。怒られるのが怖くて、怒られる前に相手を黙らせようとする。彼女に対しても、同じことをしました。

裏返したスマホを戻すと、返事が届いていました。

「わかった。今日は一人で食べて帰るね」

一人で座る彼女の向かいの席を想像しました。俺が行きたいと言った店で、俺のいない席を。

「行けたら行こう」の重さ

それから数日、謝る文面を打っては消す日が続きました。結局送れたのは、次の話だけです。

「次はちゃんと行くから、また予約してよ」

返事は、少し間を置いて届きました。

「行けたら行こう。予約はしないよ」

責めてもいないし、怒ってもいない。ただ、待つことをやめた人の返事でした。俺が返せたのは「わかった」だけです。

その一行を、通勤の電車で何度も読み返しました。

そして...

あれから2週間、俺は自分で店を予約しました。彼女に送ったのは店の名前と地図だけです。上司には先に退社の予定を伝え、約束より早く着いて窓際の席に座りました。入口で名前を告げた彼女が、こちらを見つけて歩いてきました。今は、待つ側に回るのが俺の番だと思っています。

(20代男性・営業職)

本記事は、読者アンケートに寄せられた実体験をもとにした本人視点の記事を参考に、相手側の心情を想定して制作しています。実際の相手本人への取材ではなく、編集部による解釈を含みます。

(ハウコレ編集部)

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