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「よし、5分で駅まで走れば間に合う」寝坊してコートだけ羽織った私が、電車で足元を見て固まった理由

  • 2026.10.4
「よし、5分で駅まで走れば間に合う」寝坊してコートだけ羽織った私が、電車で足元を見て固まった理由

寝坊した朝、残されたのは5分

冬のある朝、目を開けると部屋がやけに明るくなっていました。

嫌な予感がして枕元の時計を見ると、いつも家を出る時刻の10分前です。

「うそ、あと10分しかない!」

私は布団をはねのけ、そのまま洗面所へ走りました。

顔だけ洗い、髪を後ろでひとつにまとめます。化粧は会社に着いてからすればいい。そう決めて通勤かばんをつかむと、残りはもう5分でした。

「よし。5分で駅まで走れば間に合う」

玄関でひざ下まである長いコートを羽織り、いちばん上のボタンだけ留めて外へ飛び出しました。

白い息を吐きながら駅まで走り、ホームへ駆け込むと、ちょうどいつもの電車が入ってきます。

「間に合った…」

混んだ車内でつり革につかまり、肩で息をしながら、窓に映る自分を見ました。

寝坊したのに、いつもの電車に乗れた。会社員になってから、こんなことは初めてです。

「私、やればできるじゃん」

思わず小さくつぶやき、周囲を見回してから口を閉じました。

次の駅で目の前の席が空くと、ようやくひと息つけると思い、そのまま腰を下ろしました。

コートのすそから見えた水玉模様

ところが座ってすぐ、向かいにいた女性が私の足元へ視線を落としました。

そして、何事もなかったように窓の外へ顔を向けます。

斜め前に立っていた男性も、一瞬こちらの足元を見たあと、すぐに中づり広告へ目をそらしました。

「…何?」

靴を左右で履き間違えたのかと思い、そっと足元を確認します。

靴はいつものものです。

けれど、座った拍子に開いたコートのすそから、見慣れた水玉模様がのぞいていました。

一瞬、頭が止まりました。

毎晩はいている、パジャマのズボンです。

まさかと思ってコートのえり元を少し開いてみると、上も同じ水玉模様でした。

「……着替えてない」

寝坊に気を取られ、着替えることを丸ごと忘れていたのです。

顔が一気に熱くなりました。

私は何もなかったような顔をしながら、コートのボタンを上から下まで全部留めました。

すそをできるだけ引っぱり、背すじを伸ばして窓の外を見続けます。

お願いだから、早く会社に着いて。

そのことだけを考えていました。

駅に着くと、会社まで早足で向かい、そのまま更衣室へ直行しました。

ロッカーに置いてあった予備のブラウスとスカートに着替え、水玉のパジャマは紙袋の底へ押し込みました。

ようやくいつもの格好になった瞬間、全身から力が抜けました。

その晩から、私は寝る前に翌日の服を椅子の上へそろえておくようになりました。

今では、あの「水玉の朝」はすっかり私の持ちネタです。

先日も、寝坊した後輩が髪を乱したまま席へ駆け込んできました。

「すみません……今日、もう朝から全部だめです」

私は思わず笑ってしまいました。

「大丈夫。私なんて、パジャマのまま電車に乗ったことあるから」

「えっ…パジャマで?」

後輩は目を丸くしたあと、吹き出しました。

私も一緒に笑いましたが、今でも水玉模様を見ると、あの朝の恥ずかしさが少しだけよみがえります。


※本記事は、GLAMが独自に実施したアンケートで寄せられた30代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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