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「ありがたいのに、少しだけ怖い」玄関に置かれた大根と青菜、貼られた一枚を見て周囲を見回した私

  • 2026.10.2

玄関に戻ってきた袋

40代になって、私は夫と田舎の集落にある古い空き家を借りました。

傷んだ床や障子を週末ごとに2人で直し、ようやく人の住む家らしくなってきたころのことです。

引っ越して間もないある朝、私は燃えるゴミの袋を集積所へ出しました。カレンダーを1日読み違えていたことに気づいたのは、夕方、買い物から帰ってきたときです。

玄関の前に、朝出したはずのゴミ袋が置かれていました。口はきちんと結び直され、袋の真ん中には紙が1枚貼られています。

「ゴミ袋の日を間違えてますよ」

思わず立ち止まっていると、夫も袋を見て首をかしげました。

「あれ、今日じゃなかったの?」

「うん。明日だった。私、見間違えてたみたい」

袋を見ると、中には宛名の書かれた封筒があり、住所の面が外側を向いていました。

「これを見て、うちだって分かったのかな」

「そうかもな。明日ちゃんと出し直そう」

夫はそう言い、私も恥ずかしさを感じながら袋を家の中へ戻しました。

ところが、ひと月後。私はまたゴミの日を取り違えてしまいました。そして、その日の夕方にも同じように袋が玄関へ戻っていたのです。

これで2度目でした。

「8時から」のはずだった清掃

住んでる地域では年に2回、道わきの草刈りと溝の掃除があります。

回覧板の案内には「朝8時から」と書かれていたので、私たちは軍手を持ち、8時ちょうどに集会所の前へ向かいました。

ところが着いてみると、道ばたの草はすでに半分ほど刈られています。時計を見直しましたが、まだ8時を少し過ぎたばかりでした。

「あら、来てくれたの。助かるわあ」

年配の女性が笑顔で声をかけてきました。

「すみません。8時からだと思っていて……」

「いいのよ、いいのよ。慣れてないんだもの」

そう言って、女性は私に鎌を手渡しました。

責められたわけではありません。それでも、案内どおりの時間に来たはずなのに、すでにかなり作業が進んでいることが少し不思議でした。

近所の人たちは、会えばいつも親切です。畑で採れた野菜を分けてもらうこともあります。

その一方で、私たちが何気なく過ごしていた日のことを、近所の人が知っていて驚くこともありました。

ある日、道で会った人から何気なく言われたのです。

「昨日はお客さんだったのね。白い車の」

たしかに前日は友人が遊びに来ていました。

「あ、はい。友人が来ていたんです」

そう答えながら、私は少しだけ戸惑いました。特別なことではないのかもしれません。それでも、どこで見ていたのだろうと思ってしまったのです。

親切なのに、少しだけ落ち着かない

住み始めて、もう2年になります。

誰かに嫌がらせをされたことは一度もありません。困っていれば声をかけてもらえますし、野菜をいただくこともあります。

だからこそ、悪意があるとは思っていません。

それでも、ときどき感じるのです。自分たちが思っている以上に、日々の暮らしは周囲から見えているのかもしれない、と。

今朝、正しい曜日にゴミを出して家へ戻ると、玄関の前に見覚えのない袋が置かれていました。

中には、土のついた大根と青菜。

そして、袋には小さな紙が1枚貼られていました。

「いつも早起きね」

ありがたいはずの野菜を抱えながら、私は思わず家の前の道を見渡しました。

けれど、そこには誰の姿もありませんでした。


※本記事は、GLAMが独自に実施したアンケートで寄せられた40代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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