1. トップ
  2. エピソード
  3. 「今日は俺が出すから。好きなの頼んでいいよ」と言った彼。だが、会計前の対応に別れを決めた

「今日は俺が出すから。好きなの頼んでいいよ」と言った彼。だが、会計前の対応に別れを決めた

  • 2026.10.1

「今日は俺が出す」と言った彼

40代のころ、同じ年ごろの彼と付き合っていました。優しくて話も合う人でしたが、お金のことになると、どこかゆるいところがありました。

ある週末、二人で小さな洋食屋に入ったときのことです。席に着くと、彼はメニューを広げながら言いました。

「今日は俺が出すから。好きなの頼んでいいよ」

私はハンバーグを、彼はステーキとビールを注文しました。ところが食事を終えてレジへ向かうと、彼が上着のポケットを何度も探り始めます。

「あれ……財布がない。ごめん、今日は立て替えてもらっていい?」

「うん、わかった」

その日は私が6千円を支払いました。彼も困っている様子だったので、そのときは深く考えずに済ませました。

ところが、次の食事でも似たようなことが起きました。今度は財布を開いた彼が、中を見て困った顔をしました。

「ごめん。現金、入れ忘れてた」

そして3度目。食事の帰りに寄った雑貨店で、彼は自分のシャツを持ってレジへ行ったものの、また私を振り返りました。

「これもお願いしていい?あとでまとめて返すから」

気づけば、私が立て替えたのは3回。合計で1万8千円になっていました。

次の外食は、店に入る前に

次に外食することになった日、私は店の入り口で足を止めました。のれんの向こうから、焼き魚のいいにおいが漂ってきます。

「入る前に、ひとつだけいい?」

彼が不思議そうに振り向きました。

「今日はそれぞれ自分の分を払おう。それと、今まで立て替えた1万8千円も、今月中に返してほしいの」

彼は一瞬黙りました。

「……今日はちゃんと持ってきてるよ」

そう言ってズボンのポケットから黒い財布を取り出しました。店の前で順番を待っていた年配の夫婦が、ちらりとこちらを見て、すぐに視線を戻します。

その日、彼は自分の分を自分で支払いました。

そして次の週、1万8千円を白い封筒に入れて返してくれました。

「遅くなって、ごめん」

返してもらっても、残った違和感

お金は戻ってきました。それでも、その後も支払いの話になると、彼からは「今月は出費が多くて」「来週まとめて」といった言葉が出ることがありました。

そのたびに話し合うことに疲れている自分に気づき、私は別れを決めました。

「今までありがとう。でも、私たち、お金の感覚が合わないと思う」

彼はしばらく黙ったあと、小さくうなずきました。

別れた日の帰り道、バッグの中にある自分の財布が、少しだけ軽く感じられました。


※本記事は、GLAMが独自に実施したアンケートで寄せられた40代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

元記事で読む
の記事をもっとみる

注目コンテンツ