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「前はタダでくれたのに納得いかない!」アメニティの追加を断られた客がフロントで激怒…スタッフが気づいた“誤解の真相”

  • 2026.10.23
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出典:photoAC ※画像はイメージです。

ホテルの客室に用意されているシャンプーや歯ブラシ、基礎化粧品などの各種アメニティ。
最近ではフロント近くのアメニティバーから自由に必要な分を持っていくスタイルも増えていますが、お部屋で快適に過ごすための嬉しいサービスですよね。

ですが、ホテルで働いていると、この「アメニティ」を巡ってお客様と思わぬトラブルになってしまうことも。

今回は、アメニティの追加要求を巡ってフロントで発生したトラブルのエピソードと、過去の経緯からお客様の誤解を解いたホテルマンの対応をご紹介します!

「もっと持ってきて!」アメニティ追加を断られて怒るお客様

ある日の夕方、ホテルに滞在中のお客様からフロントへ1本の内線電話が入りました。

「お部屋にあるアメニティのスキンケアセットを、あと3つ持ってきてくれる?」

当ホテルでは、基礎化粧品セットはお一人様1泊につき1セットのご提供を原則としており、予備を含めても規定の上限を超えてしまうご要望でした。

そのため、電話を受けたスタッフが
「大変恐れ入ります。スキンケアセットはお一人様1セットまでのお渡しとなっておりまして……」

と丁寧にお断りしたところ、お客様のトーンが一変したのです。

「前に泊まった時はタダでたくさん持ってきてくれたのよ!スタッフによって対応が違うの?」

お客様は電話を切り、そのまま直接フロントカウンターへといらっしゃいました。

「前に何個もくれた」のはなぜ?履歴に残されていた真相とは

「前に泊まった時はタダでくれたのに、今回はダメなんて納得がいかない!」

強い口調で話すお客様。

「過去にスタッフがルールを破って渡してしまったのだろうか」と疑問に思いつつ、お客様のお名前から過去のご利用履歴をシステムで確認しました。

すると、そこには前回の滞在時に発生していた「ある出来事」が記録されていたのです。

実は前回の滞在時、お部屋の浴室に不具合が発生し、お客様へご迷惑をおかけしてしまった経緯がありました。
その際、担当のスタッフがお詫びの気持ちを込め、特別にアメニティを多めにお渡ししていたことが発覚したのです。

お客様は「前回の特別な対応」を、「いつでも頼めば無料でもらえる通常のサービス」だと誤解してしまっていたのでした。

誤解を解いて納得いただくためのスマートな説明術

理由が判明したものの、ここでお客様を冷たく突き放してしまうと、お客様の不満は高まる一方です。

私は落ち着いたトーンで、前回の感謝とお詫びを交えながらお伝えしました。

「お客様、大変お待たせいたしました。

過去のご利用履歴を確認いたしましたところ、前回お泊まりいただいた際に、お部屋の設備不具合で大変ご迷惑をおかけしてしまった経緯がございました。その節は誠に申し訳ございませんでした。

その際にお渡しいたしましたアメニティは、ご迷惑をおかけしたお詫びとして特別にお渡しさせていただいたものでして……」

前回の経緯を丁寧にお話ししたところ、お客様は「あぁ、そういえばそんなこともあったね」とハッとされた表情を浮かべました。

「私どものご案内不足で、通常のサービスとの誤解を招いてしまい大変失礼いたしました。
アメニティの数には全客室で統一した規定がございますため、ご理解いただけますと幸いです」

とお伝えすると、お客様も

「そうだったんだね、こちらこそ勘違いして無理を言ってすみませんでした」

と納得してくださり、静かにお部屋へ戻っていったのです。

「特別な対応」が誤解を生む難しさと現場の工夫

現場での「良かれと思った特別な対応」が、時に誤解を生み、将来のトラブルの原因になることもよくあります。

お詫びや特別な配慮としてルール以外の対応を行う際は、お客様に「今回限りの特別な対応であること」をきちんとお伝えし、現場スタッフ間で正しい履歴を共有しておくことが欠かせません。

また、お客様からお申し出を受けた際も、すぐにお断りするのではなく、過去の経緯をしっかり確認して誤解を解いていく姿勢が大切です。

ホテルでアメニティやサービスについて疑問に思った際は、遠慮なくスタッフに尋ねてみてくださいね。
スタッフはいつだって、皆様に気持ちよく過ごしていただけるよう真摯に向き合ってくれますよ!


ライター:ひなこ

シティホテルおよび鉄道会社での勤務経験を持つWEBライター。駅員・車掌やホテルのフロント・宴会営業・レストランなどの現場を経験。現在では、現場での実務経験とトラブル対応の知見を活かした執筆活動を行っている。ホテルへの見識を深めるため「月1回ホテル宿泊」を継続中。



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