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「俺の金はお前のもの」と言った俺が、「じゃあ私のお金は?」で初めて気づいたこと

  • 2026.9.30
ハウコレ

全部渡すつもりなら、文句を言われる理由はないと思っていました。でも俺の中では、彼女の給料まで、いつの間にか同じ財布に入ることになっていました。

その形でいいか本人に聞いたことは、一度もありませんでした。

父と同じ家計にしたかった

彼女とは付き合って2年になります。結婚の話が具体的になり始めたころから、俺には決めていたことがありました。

結婚したら、給料は全部彼女に渡す。うちの父がそうしていたからです。父は給料を母に渡し、そこから小遣いを受け取っていました。「俺の金はお前のものだから」そう言って笑う父を、俺はずっと気前のいい人だと思っていました。

だから3か月前から、自分でも試していました。週の最初に財布へ入れるのは5,000円だけ。使った金額を紙に書き、カードはなるべく持ち歩かない。結婚したあと小遣いをもらう生活になっても困らないようにするつもりでした。彼女には話していませんでした。

1,000円しか残っていなかった日

駅前の定食屋で結婚後の話をしているうちに、俺は父の言葉をそのまま口にしました。

「結婚したら俺の金はお前のもの」

「何それ」

彼女は笑いました。俺にはかなり真面目な話でした。でも、父もその言葉のあとに詳しい説明などしていなかったので、俺も「だから」としか続けませんでした。

会計は2,600円。財布には1,000円札が1枚と小銭しか残っていませんでした。その日はカードも家に置いてきています。

「ごめん。カードも今日持ってない」

結局、彼女が2人分を払いました。財布の中には、3か月つけている小遣い帳も入っていました。さっき大きなことを言った直後にこれでは、どう見えるかくらいは分かりました。

俺の中では、彼女のお金まで決まっていた

駅までの道で、彼女に聞かれました。

「さっきの、本気で言った?」

「本気だよ」

「財布に1,000円しかない人が?」

「だから、お前に持っててほしいんだよ」

俺の給料を渡して、そこから生活費や俺の小遣いを出してもらう。その意味で言いました。3日後、彼女に小遣い帳を見せました。

「結婚したら小遣い制になると思って、先にやってた」

「なんで?」

「うちの父親が、給料を全部母親に渡してたから。『俺の金はお前のもの』って、父親の口癖だった」

「私が管理するって決まってるの?」

「……いや」

そこで初めて、俺は答えに詰まりました。続けて彼女が聞きました。

「じゃあ、私のお給料は?」

俺の中では答えが決まっていました。

「それも一緒にしたらいいだろ」

彼女はすぐに返しました。

「誰が決めたの?」

言われるまで、おかしいと思っていませんでした。

「……俺」

そして...

俺は、自分の給料を全部渡すことを、相手を信頼している証明のように考えていました。その一方で、彼女の給料については、当然2人のお金になると思っていました。自分のものは渡す。相手のものも一緒にする。どちらも俺の中だけで決めた話でした。

「あなたのお金を私に渡すのも、私のお金を一緒にするのも、まだ2人で決めてないよ」

「うん」

彼女は小遣い帳を裏返し、「一緒に払うもの」「それぞれ払うもの」「貯めるもの」と書きました。

3か月続けていた5,000円生活をどうするかも、その日は決めませんでした。翌朝、俺は3か月ぶりにカードを財布へ戻しました。父のやり方を練習する前に、俺には彼女と決めることが残っていました。

(30代男性・設備メーカー営業)

本記事は、読者アンケートに寄せられた実体験をもとにした本人視点の記事を参考に、相手側の心情を想定して制作しています。実際の相手本人への取材ではなく、編集部による解釈を含みます。

(ハウコレ編集部)

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