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中古車査定員「変わりませんよ」擦り傷のあるジムニーを直さず売却…持ち主が相見積もりもしなかったワケ

  • 2026.10.27
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出典:PIXTA(※画像はイメージです)

車を売ろうとしたとき、ドアハンドルなどにある細かな擦り傷が気になることはありませんか。少しでも高く売るために、先に傷を直したほうがよいのか迷う人もいるでしょう。

しかし、傷を修理したからといって、その費用を売却額で取り戻せるとは限りません。筆者も自分の車を手放す際、細かな傷を直さずに売却しました。さらに、いくつかの買取店に相見積もりをとったわけでもありません。その判断のきっかけになったのは、査定時のやり取りでした。

実は、中古車の査定には、日本自動車査定協会(JAAI)が定める共通の基準があります。実車を確認する担当者によって傷の程度の判断が異なる可能性はあるものの、買取店ごとの買取額に大きな違いはない可能性があるのです。

「このくらいの擦り傷でしたら、そのままでも」

筆者はかつてジムニーに乗っていました。アウトドアが好きで、草が生い茂るオフロードにも入っていたため、ボディやドアハンドルなどに細かな擦り傷がありました。売却の査定を受けた際、その傷を修理する必要があるのか、査定員に尋ねました。

「傷を直してから売ったほうがいいですか?」

返ってきたのは、次のような言葉でした。

「いや、このくらいの擦り傷でしたら、そのままでも査定は変わりませんよ」

この程度なら修理してもしなくても査定は変わらない、という説明だったのです。

筆者は大手自動車メーカーで、塗装に関する生産技術や品質検査に携わっていました。新車の塗装検査では不合格になるような細かな傷でも、中古車の査定では減額の対象にならないケースがあります。塗装の仕上がりを検査することと、中古車としての価値を評価することでは、判断の目的が異なるのです。

実際、買取業者アップルの公式サイトでも、爪が引っかからない程度の軽微な傷は、ほぼ減額されないことが多いと説明されています。ただし、傷の大きさや目立ち方によっては、浅い傷でも減額される可能性があります。車全体に傷がある場合も同様です。

筆者の車については、傷が広範囲に及ばず、一部にとどまっていたことから、査定員は査定額に影響しないと判断してくれました。

修理代をかけても、手元に残るお金が増えるとは限らない

売却前の修理で考えたいのは、修理後に提示される金額だけでなく、費用を差し引いていくら残るかです。

仮に修理によって査定額が上がったとしても、その上昇分より修理費のほうが高ければ、手元に残るお金は少なくなります。傷を直した費用が、そのまま買取額に上乗せされるわけではないのです。

査定員から「そのままでも変わらない」と説明された今回のケースでは、売却額を増やすためだけに修理費をかける必要はないと判断しました。

一方で、傷が深い、へこみがあるなど、状態が異なれば査定への影響も変わります。「細かな傷だから大丈夫」と自分で決めるより、まずは実車を見てもらい、その傷がどう評価されるかを確認するほうが判断しやすいでしょう。

修理を検討するなら、今の状態での買取額と、直した場合にどの程度変わる見込みなのかを聞き、修理費と比べることが大切です。

査定には共通の基準がある。ただし、買取額は別

査定時には、別の買取店についても話をしました。

「見積もりを出してもらったあとで申し訳ないですが、他の買取店に持っていってみます」

筆者がそう伝えると、査定員は次のように答えました。

「共通の決まりがあるので、他のお店に持っていっても大きくは変わらないはずですよ」

半信半疑だった筆者は、その理由を調べてみました。査定員が話した「共通の決まり」に関連するのが、JAAIの定める「中古自動車査定基準」です。

JAAIの基準では、個別の車の状態を評価する際の加減点について、商品価値の増減に見合う金額とする旨を定めています。傷があれば一律に同じ金額を減額するのではなく、その状態が車の商品価値にどの程度影響するかを評価する考え方です。

もっとも、共通の基準があっても、実車を確認する担当者によって傷の深さや範囲の判断が異なる可能性はあります。また、すべての買取店がJAAIの基準だけを使うとまでは言い切れません。

筆者は査定員の説明を受け、他店へ持ち込んでも大幅な増額は期待しにくいだろうと考えました。見積もりを取りに行く手間も考え、最終的には他店へ持ち込まず、傷を直さないまま、その店に売却しました。

ただし、傷による減額がなかったことは、他店と買取額が変わらないことを意味しません。査定の出発点となる「基本価格」は各社で定められるため、同じように傷を評価しても、最終的な買取額には差が生じます。

筆者は手間も含めて判断しましたが、より高い売却額を目指すなら、契約前に複数の店で実車査定を受け、条件を比較するとよいでしょう。

売却前に細かな傷を見つけたら、まずは査定員に、その傷が価格にどの程度影響するかを尋ねてみてください。修理を依頼する前の一言が、費用をかけるべきか判断する手がかりになります。


参考:
車の買取は傷だらけだと減額される?中古車の査定基準を徹底解説(アップル)
中古自動車査定基準及び細則(日本自動車査定協会)


筆者:jaco

大手自動車メーカーで、自動車の塗装ラインの構築に携わった。車体の塗装面に色むらや異物がないか、品質検査を行った経験もある。現在はITエンジニア兼Webライターとして、ものづくりの現場で得た経験を生かして執筆している。趣味はキャンプ、登山、旅行。フリーランス時代には年間50泊ほどのキャンプを楽しみながら、アウトドアやIT系の記事を執筆していた。


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