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駐車場で愛車に傷をつけられた50代女性→原因が分からず…保険会社に相談した結果、自腹を切ったワケ

  • 2026.10.28
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

皆さま、こんにちは。自動車販売・整備・保険業に27年従事している河野みゆきです。

自宅の駐車場に停めていた車に、いつの間にか傷がついていた。そんなとき、まず気になるのは、何が原因で傷ができたのかということではないでしょうか。

近くに木があれば、枝が落ちてきた可能性も考えられます。もし隣家の木が原因なら、修理費用を負担してもらいたいところですが、原因を確認できなければ、話し合いを進めるのも難しくなります。

Kさん(50代・女性)も、愛車のボンネットに傷を見つけたものの、原因を特定できず、対応に困ったそうです。

愛車に見覚えのない傷…周囲を確認するも原因は分からず

ある日、自宅の駐車場に停めていた車を見たKさんは、ボンネットに細長い傷がついていることに気づきました。

「昨日までは、こんな傷はなかったはずなのに……」

そう思いながら車の周囲を確認しましたが、原因となるようなものは見当たりません。そもそも傷がつく瞬間を見たわけではないため、家族にも心当たりがなく、いつ、何が原因で傷がついたのか分かりませんでした。

ふと目を向けたのは、近隣の家にある木です。風で枝が折れたり、落ちてきたりした可能性も考えられます。しかし、枝が車に当たるところを見た人はいません。周囲にはほかにも木があり、どの木が原因なのかを判断することもできませんでした。

Kさんは、近隣の家の人に修理費用を負担してもらえないかと考えましたが、確かな証拠がないまま話を持ちかけることにもためらいがありました。

そもそも、木の枝が原因だったとしても、木の所有者が必ず責任を負うわけではありません。民法第717条では、竹木の栽植(植樹)や支持(手入れ・支柱等)に欠陥があり、それによって他人に損害が生じた場合原則として土地の占有者が責任を負い、必要な注意をしていたときは所有者が責任を負うと定めています。

例えば、枯れた枝が折れそうな状態で放置されていた場合などは、管理状況が責任の判断に関わることがあります。一方、適切に管理されていた木の枝が強風などで落ちた場合には、所有者の責任が認められるとは限りません。

Kさんの場合は、そもそも枝が原因だったのかどうかも確認できない状況でした。

車両保険は使える?気になる等級への影響

自分だけで判断するのは難しいと考えたKさんは、加入している保険会社に相談しました。

担当者に傷の状況を伝えると、まずは原因や損傷の状態を確認する必要があるとのこと。仮に、落下中の枝が車に直接当たって傷がついたのであれば、契約内容によっては車両保険の補償対象になる可能性があります。ただし、補償の可否は事故の状況や契約条件などによって判断されるため、傷があるというだけで保険金が支払われるとは限りません。

Kさんは車両保険に加入していたため、補償を受けられる可能性があると知り、少し安心しました。しかし、気になったのは保険を使った場合の等級への影響です。

駐車中に飛来・落下してきた物が車に直接当たった事故で車両保険を使う場合は、一般的に『1等級ダウン事故』に該当します。翌年度の契約では等級が1つ下がり、事故有係数適用期間も1年加算されるため保険料にも影響しますが、3等級ダウン事故に比べると保険料への影響は小さいです。

もちろん、保険を使うかどうかは修理費用だけで決めるものではありません。翌年度以降の保険料への影響も確認し、保険を使った場合と使わない場合を比較して考えることが大切です。

Kさんは、近隣の家に賠償を求めることが難しいと分かった一方で、車両保険を使える可能性があることも知りました。修理費用と今後の保険料への影響を踏まえて検討した結果、Kさんは納得できない気持ちを抱えながらも、今回は保険を使わず自費で修理することにしました。

ドライブレコーダーや近隣との情報共有も

今回のように、傷がついた原因が分からなければ誰に相談すべきか、修理費用を誰が負担するのかを判断するのも難しくなります。

では、同じようなトラブルに備えるために、できることはあるのでしょうか。

まず検討したいのが、駐車中の様子を記録できるドライブレコーダーです。駐車監視機能がある機種なら、設定や使用条件によっては、枝などが落ちてくる様子や車に何かが当たる瞬間を記録できる可能性があります。駐車中も録画できるか、電源の確保やバッテリーへの影響はどうかなどを確認して選びましょう。

また、近隣との日頃のコミュニケーションも大切です。町内の集まりなどで「最近、車に枝のようなもので傷がついてしまって……」と、被害があったことをさりげなく話題にしてみるのも一つの方法です。特定の家を疑うような伝え方は避け、情報を共有する姿勢を心がけましょう。

そして、傷を見つけたときは、修理する前に損傷部分や車の周囲、落ちている枝などを撮影しておくことも重要です。原因を特定する手がかりになる可能性があるため、気づいた時点で状況を記録し、保険会社にも早めに相談しましょう。

近隣の木から枝が落ちてきたように思えても、原因を特定できなければ、所有者に修理費用を求めるのは簡単ではありません。だからこそ、日頃から被害を記録できる環境を整え、いざというときに備えておきましょう。


ライター:河野みゆき
自動車販売・整備・保険業に27年従事。損害保険募集人資格を保有し、車両購入からメンテナンス、カーライフに関わる保険まで幅広く対応。現場経験をもとに、ユーザー目線でわかりやすい情報発信を行っています。


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