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「えっ...?俺、何かやらかした?」突然のパッシングに困惑…実は“自分への警告”とは限らない意外なワケ

  • 2026.10.7
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出典:PIXTA(※画像はイメージです)

「えっ...?俺、何かやらかした?」

先日、昼間の運転中に突然対向車からパッシングを受けました。ライトの異常か、警察かと戸惑ったものの理由はわからないままでした。考えてみれば、パッシングって一体何を意味するのでしょうか。

本記事では筆者の実体験を交えながら、状況によって全く異なるパッシングの多様な意味と、その適切な受け止め方について紐解きます。

SNSでも解釈がバラバラ…パッシングの謎

運転中に突然対向車からピカッとパッシングをされると、心当たりがなくても少し焦ってしまいますよね。実は、この突然の合図に対して戸惑いを感じているのは、決して少数派ではないようです。

SNSでしばしば「昼間に車で普通に走っているときに対向車から突然パッシングされたが理由がわからない」という趣旨の投稿がされ、話題になります。

投稿を覗いてみると、ドライバーたちの解釈が見事なまでにバラバラであることがわかります。「この先で警察が取り締まりをしている」「スピードを落とした方がいい」「この先で事故が起きている」といった前方の道路状況に関するサインである、という意見が目立ちました。

しかしその一方で、「自分のクルマのライトがついている、あるいはライトの状態がおかしいことを教えてくれている」と自車の状態を指摘するものや、「とりあえずこの先に何かあるから注意した方がいいという意味だろう」と慎重に受け止める意見も見受けられます。

これほどまでに多くの解釈が飛び交っている背景には、パッシングに対する共通認識がいかに曖昧であるかという事実があります。

実は筆者も経験あり。ハイビームを教えてくれたサイン

SNSに寄せられた多様な意見を整理してみると、あることに気がつきます。それは、パッシングの意味が自車に向けられた注意と、周囲の状況を知らせる合図の大きく2つに分かれているということです。実は筆者自身も、これまでに何度かパッシングを受けてハッとした経験があります。

以前、夕暮れ時から夜にかけての道を運転していたときのことです。対向車とすれ違う瞬間に、突然パッシングを受けました。そのときは何事かと思い、周囲を見渡しても特に変わった様子はありません。しかし、ふとメーターパネルに目を落とした瞬間、青いランプが点灯していることに気がつきました。自車のヘッドライトがハイビームになったままだったのです。

この場合、対向車はすれ違いざまに「眩しいですよ」ということや、「ハイビームになったままですよ」ということを伝えるためにパッシングをした可能性が高いと考えられます。最近のクルマにはオートハイビーム機能が搭載されていることも多いですが、システムが対向車を認識するのが遅れたり、手動で切り替えたまま戻し忘れてしまったりすることは、誰にでも起こり得るミスです。

このように、対向車からのパッシングは、自分では気づきにくい自車の状態やうっかりミスを教えてくれるサインとして機能することがあります。この経験をして以来、筆者はパッシングされたら、まず自車のライトスイッチを確認する癖がつきました。

別の日に遭遇した、その先の警察の取り締まり

一方で、全く異なる状況でパッシングを受けた経験もあります。それは、見通しの良い昼間の直線道路を走っていたときのことでした。対向車線からやってきたクルマが、すれ違う少し手前で突然パッシングをしてきたのです。

そのときは明るい昼間だったため、ライトのつけ忘れやハイビームの消し忘れではありません。速度も法定速度内でしたし、車両に異常があるようにも感じられませんでした。不思議に思いながらそのまましばらく走り続けると、数百メートル先の路肩で、警察が交通取り締まりを行っているのが見えたのです。

この出来事を振り返ってみると、あのときの対向車は先の道路で取り締まりをしているから注意した方がいいということを、すれ違うこちらに知らせる意図があったのだと推測できます。

先のハイビームの経験と、この取り締まりの経験を並べてみると、非常に興味深い事実が浮かび上がってきます。それは、同じ対向車からの光の合図であっても、あるときは自車のライトに対する注意喚起であり、またあるときは先の道路状況を知らせるサインであったということです。

字幕のないボディランゲージ。同じ操作で意味が変わる理由

なぜ、たった一つの操作にこれほど多くの意味が存在するのでしょうか。それは、パッシングがドライバー同士の慣習的なコミュニケーション手段であり、いわば字幕のないボディランゲージのようなものだからです。

たとえば、右折待ちをしている交差点で対向の直進車からパッシングされたら、地域によっては「お先にどうぞ」と道を譲ってくれている意味として受け取るケースがあります。ただし、譲られたことに焦って右折した結果、対向車の陰から直進してきたバイクや自転車と衝突してしまう、いわゆるサンキュー事故のリスクも潜んでいます。

直接言葉を交わせないドライバー同士にとって、パッシングは瞬時に何らかの合図を送る手段として使用されてきた歴史があるのでしょう。もちろん、道路交通法では、夜間に他車と行き違う際の減光義務(ロービームへの切り替え)などが定められている程度で、パッシングそのものの具体的な使い方が法律で定められているわけではありません。

パッシング1回が特定の一つの意味を持つといった全国共通のメッセージが存在しないからこそ、受け取る側の解釈やその場の状況によって意味が全く変わってしまうのです。

突然パッシングされたらどうすればいい?

ここまで見てきたように、パッシングには決まった一つの正解があるわけではありません。では、実際に自分が運転しているときに突然パッシングされたら、どのように対応するのが正解に近いのでしょうか。

もっとも大切なのは、相手が何を伝えようとしているのかを完璧に当てようとすることではなく、それを安全確認のきっかけとして活用することです。突然光を当てられると驚いてしまうかもしれませんが、そこで焦って急ブレーキを踏んだり、むやみにパニックになったりするのは周囲を巻き込むおそれもあり大変危険です。

まずは落ち着いて、自車の状態に目を向けてみましょう。ヘッドライトがハイビームになっていないか、オートライト非搭載車などの場合は夕暮れ時なのにライトをつけ忘れていないかを確認します。自車に問題がなければ、次は周囲の状況です。速度が出すぎていないかメーターを確認し、前方の道路に落下物や事故車、あるいは取り締まりなどがないか、いつも以上に慎重に前方を注視して進むことが大切です。また、死角から歩行者や自転車が飛び出してくる可能性にも備えておくと、より安心できるはずです。

対向車が何らかの注意を促すためのサインとして発したのかもしれませんし、もしかするとただ手が当たってしまっただけの偶然かもしれません。いずれにしても、何かを伝えようとしているのかもしれないと一度自分のクルマや周囲に意識を向けることで、未然に防げるトラブルはたくさんあります。

次に運転中、対向車から突然ピカッとパッシングを受けたときは、慌ててしまう前にまずはひと呼吸置いてみてください。そして、ご自身のクルマの状態と周囲の安全を、もう一度確認するきっかけにしてみてはいかがでしょうか。



ライター:Masaki.N
自動車メーカーで車体開発エンジニアとして設計・先行開発に携わった後、マーケティング/市場リサーチ領域で商品導入・訴求設計にも従事。さらに自動車サブスク系ITベンチャーでマーケティングを担当し、ユーザー視点のコミュニケーション設計を経験。現在は自動車ライターとして、新車情報、技術解説、モデル比較、中古車相場、維持費、業界動向まで幅広く執筆。SEO記事・コラム・インタビューなど媒体横断で制作し、専門知識を生活者の言葉に翻訳して「買う/持つ」の判断を支援します。加えて、カスタムを含む実車取材・体験を通じて得た一次情報を記事に落とし込み、机上の知識にとどまらない“現場感”のある解説を強みとしています。


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