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2台による衝突事故で…ギリギリ回避した3台目→「接触ゼロだから置き去りで帰宅」は罪に?弁護士の見解は

  • 2026.10.6
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出典元:photoAC(画像はイメージです)

車を運転していると、目の前で突然事故が発生するなど、思いがけない場面に遭遇することがあります。間一髪で衝突を回避できたとしても、そのまま現場を離れてよいのか、判断に迷うこともあるでしょう。

SNSでも、「事故をギリギリで避けて接触していなければ、そのまま走り去っても問題ない?」「事故を目撃しただけでも現場に残る必要がある?」といった疑問の声が見られます。さらに、複数台が関係する事故では、自分の車は何にも接触していなくても、回避するために取った行動が後続車などに影響を与えている可能性もあります。

では、前方で起きた事故を間一髪で回避し、他の車や物に接触していない場合、現場に残る必要はあるのでしょうか。また、非接触であっても「事故の当事者」となり、救護や警察への報告が必要になるケースはあるのでしょうか。交通事故に遭遇した際の対応や法的な責任について、弁護士の寺林智栄さんに伺いました。

接触していなければ立ち去ってもいい?事故を間一髪で回避した場合

---前方で交通事故が発生し、それを間一髪で回避できたものの、自分の車は他の車や物に接触していない場合、そのまま現場を離れても問題ないのでしょうか?

寺林智栄さん:

「前方で交通事故が起き、それを間一髪で回避したものの、他の車や物に接触していない場合、基本的には、事故の当事者ではないため、必ず現場に残らなければならないというわけではありません。

ただし、『接触していないから、何をしてもよい』というわけではありません。例えば、自分の急ブレーキや進路変更が原因となって後続車が事故を起こしたなど、自分の運転が事故の発生に関係している可能性がある場合には、事故の状況を確認したり、警察に事情を説明したりする必要が生じることがあります。また、事故の目撃者として、警察から事情を聞かれることもあります。

特に注意したいのが、警察官から現場を離れるよう指示された場合です。警察官の指示に従って現場を離れたのであれば、通常、そのこと自体が『ひき逃げ』などに当たるわけではありません。ただし、後から事故との関係について警察から連絡が来た場合には、指示された内容や事故当時の状況を正確に説明することが大切です。

なお、複数の車が関係する事故では、自分では『接触していない』と思っていても、急な回避行動が別の事故につながっていることがあります。そのため、現場を離れる前に、警察官に『自分はどのような対応をすればよいか』を確認しておくと安心です」

ぶつかっていなくても「事故の当事者」に?非接触でも救護・報告が必要なケース

---自分の車が他の車と接触していなくても、自分の急ブレーキや車線変更などが別の事故につながった場合、「事故の当事者」として救護や警察への報告が必要になるのでしょうか?

寺林智栄さん:

「車同士が接触していなくても、『事故の当事者』として警察への報告や救護が必要になる場合があります。

重要なのは、車両同士が接触したかどうかではなく、自分の運転が事故の発生に関係しているかどうかです。例えば、前方の事故を避けようとして急に車線変更した結果、後続車がその車を避けきれずに別の車と衝突したようなケースでは、最初の車両同士に接触がなくても、自分の運転行為と事故との間に因果関係が認められる可能性があります。

道路交通法上、交通事故があった場合には、事故に関係した運転者には、停止して負傷者を救護することや、警察に事故の状況を報告することなどが求められます。そのため、『自分はどの車にもぶつかっていない』という一点だけで、こうした義務がなくなるとは限りません。

判断のポイントは、1.自分の運転行為が事故の発生・拡大に影響したか 2.その事故によって人が負傷したか 3.自分が事故の発生を認識できたか、といった事情です。

複数の車が関係する事故では、事故の連鎖によって責任関係が複雑になることがあります。『接触していないから関係ない』と自己判断せず、事故が起きた場合には、まず安全を確保したうえで警察に状況を伝え、必要な対応を確認することが大切です」

「自分は関係ない」と立ち去ったら?後から事故との関係が判明することも

---事故当時は自分が関係しているとは思わずに現場を離れたものの、後から自分の運転が事故に関係していたと判明した場合、どのような法的責任を問われる可能性がありますか?

寺林智栄さん:

「事故当時は『自分は関係ない』と思って現場を離れたとしても、後から事故との関係が判明すれば、法的な責任を問われる可能性はあります。

もっとも、重要なのは『現場を離れた』という事実だけではなく、事故との因果関係の有無と、事故の発生を認識していたかどうかという点です。例えば、自分の急な進路変更がきっかけで後続車が事故を起こしたにもかかわらず、その状況を認識しながら立ち去った場合には、救護義務違反や報告義務違反などが問題となる可能性があります。

一方で、本当に事故との関係を認識できず、通常の運転者でも事故の発生に気付かなかったような場合には、責任の有無は慎重に判断されます。

また、近年はドライブレコーダーや防犯カメラの映像から、後日になって事故の経緯が明らかになるケースも少なくありません。そのため、警察から連絡を受けた場合には、現場を離れた理由や当時認識していた状況を正確に説明することが大切です。

複数の車が関係する事故では、『接触していない=無関係』とは限りません。事故との関係が少しでも考えられる場合には、自己判断で立ち去るのではなく、警察に状況を伝えて指示を受けることが、後のトラブルを防ぐ最も安全な対応といえるでしょう」

「接触していない=無関係」とは限らない

前方で起きた事故を回避し、自分の車が他の車や物に接触していなければ、基本的には事故の当事者ではなく、必ず現場に残らなければならないわけではないとのことです。

一方で、事故との関係を判断するうえでは、「接触したかどうか」だけでなく、自分の運転が事故の発生や拡大に影響していないかも重要になります。急ブレーキや進路変更などをきっかけに後続車が事故を起こした場合には、非接触であっても救護や警察への報告が必要になる可能性があります。

複数台が関係する事故では、その場で自分が事故に関係しているか判断するのが難しいこともあるでしょう。事故との関係が考えられる場合には自己判断で立ち去らず、安全を確保したうえで警察に状況を伝え、必要な対応を確認することが大切です。


監修者:寺林智栄

2007年弁護士登録。札幌弁護士会。てらばやし法律事務所。2013年頃よりネット上で法律記事の執筆・監修を開始。Yahoo!トピックスで複数回1位獲得。読む方にとってわかりやすい解説を心がけています。


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