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相続した実家を“1,800万円”で売った50代姉弟→「そのまま分けられる」喜ぶが…後日、税理士から告げられた“225万円”の大誤算

  • 2026.10.6
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

皆さま、こんにちは。金融機関でマネージャーを務めながら、家計のご相談に日々向き合っている中川です。

今回ご紹介するのは、父から相続した実家を売った50代のAさんの体験談です。

「売れた金額が、そのまま分けられるのだろう」

そう思っていたAさんでしたが、税理士からある書類の有無を尋ねられます。1枚の書類で、税金が200万円以上変わりました。売る前に探しておきたい書類をご紹介します。

空き家のまま2年、1,800万円で売れた

Aさん(50代女性)は、弟と2人で父の実家を相続しました。

誰も住む予定がなく、空き家のまま2年が過ぎます。管理の手間を考え、売ることにしました。

父が家を建てたのは1980年代の後半です。そのため、一定の要件を満たす空き家を売ったときの特別控除は使えませんでした。

買い手が見つかり、価格は1,800万円。仲介手数料などの費用を引いても、姉弟で分けられる額が残ります。

「これで、実家のことは一区切りです」

空き家のままにしていた2年の間も、固定資産税や火災保険料はかかっていました。早く手放せたことに、姉弟ともほっとしていました。

「買った値段は分かりますか」

売却の後、確定申告の相談で税理士を訪ねます。

税理士は書類に目を通し、こう尋ねました。

「お父さまがこの家を買われたときの、売買契約書は残っていますか」

Aさんは驚きました。父が家を建てたのは、Aさんが小学生のころです。契約書がどこにあるのか、見当もつきません。

「それによって、税金がずいぶん変わります」

不動産を売ったときの税金は、売った金額から取得費と譲渡費用を引いた「譲渡所得」にかかります。取得費とは、買ったときの金額などのことです。

買ったときの金額が分からない場合は、売った金額の5%を取得費とみなして計算できます。1,800万円で売ったなら、取得費は90万円です。

「売った金額のほとんどが、利益として扱われるのですね」

契約書が見つかるかどうかで、税額が変わる

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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

Aさんは実家の書類をすべて持ち帰り、探しました。

押し入れの段ボール、仏壇の引き出し、父が使っていた机。3日かかりました。

仏壇の引き出しから、当時の売買契約書が見つかります。土地の購入代金は1,200万円と記されていました。

建物については、持っていた期間に応じた減価償却費相当額を差し引いて計算します。

契約書がある場合とない場合とで、課税される所得はおよそ1,110万円変わりました。所有していた期間が5年を超える場合の税率は20.315%(所得税・復興特別所得税・住民税の合計)ですので、税額の差はおよそ225万円です。

相続した不動産は、亡くなった人が買ったときの金額と取得した日を引き継ぎます。所有していた期間が5年を超えるかどうかで税率も変わるため、この日付も重要です。

売る前に、この4つを探しておく

実家を売ると決めたら、次の書類を探してください。

・売買契約書(買ったときの金額が分かるもの)
・登記に関する書類
・通帳や住宅ローンの資料(支払いの記録が残っているもの)
・資産価値を高める工事をしたときの領収書

通常の修理や維持の費用は取得費に加えられませんが、価値を高める工事の費用は加えられる場合があります。

また、一定の要件を満たす空き家を売った場合には、特別控除が使えることがあります。控除は最高3,000万円、相続人が3人以上の場合は1人あたり最高2,000万円で、2027年12月31日までの譲渡が対象です。

取得費が分からないからといって、すぐに5%で計算すると決めつけないことです。家を片づける前に、書類だけは箱にまとめておきましょう。


執筆・監修:中川 佳人

金融機関勤務の現役マネージャー。1級ファイナンシャル・プランニング技能士。20年にわたり、資産形成や家計管理・住宅ローンなどの実務に携わってきた経験を活かし、記事の監修や執筆を行っている。専門的な内容を、誰にでもわかりやすく伝えることをモットーとしている。

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