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ケトル・電気ポットのNG5つ やけどの約3割は転倒・落下

  • 2026.9.28

NITEの製品事故情報から電気ケトル・電気ポットの事故404件を集め、やけどの記録72件の起き方をweboo編集部で分類すると、約3割(21件)は本体が倒れた・落ちた事故で、そのうち16件は子どもが関わっていました。やりがちなNG5つと代わりにできること、2026年6月からの転倒流水対策の義務化をまとめました。

寒くなると、白湯やお茶、カップスープで電気ケトルや電気ポットの出番が増えます。すぐ沸いて便利な反面、中身は100℃近い熱湯です。
この記事でわかることは次のとおりです。
・電気ケトル・電気ポットの製品事故の記録404件でみる、やけどの起き方(weboo編集部の集計)
・子どもの手が届く所、ふた、水以外、蒸気、コード。やりがちなNG5つと代わりにできること
・2026年6月以降に製造・輸入される電気ケトル等に、倒れても湯が漏れにくい対策が義務づけられたこと
根拠にしたのは、NITE(製品評価技術基盤機構)・消費者庁・国民生活センター・東京都の公表資料です。

事故の記録404件を1件ずつ確認 やけど72件のうち21件は転倒・落下

NITEが公開している製品事故情報の検索サービス「NITE SAFE-Lite」で、電気ケトル・電気ポットの事故を集めました。品名で絞ると404件(電気ケトル・電気やかん256件、電気ポット・電気ジャーポット101件、品名が「電気湯沸器」のもの47件。1996年〜2025年12月に発生)。weboo編集部が1件ずつ読み、事故の内容に「やけど(火傷)を負った」とある72件を、どう起きたかで分けました。
・本体が倒れた・落ちた(転倒・落下):21件
・取っ手や底が外れた、底などから湯が漏れた:14件
・ふたが開いた・外れた(湯を注ぐ・ふたを開ける・運ぶとき):11件
・注ぎ口などから湯が出た・噴き出した:10件
・火や火花が出た:9件/蒸気に触れた:5件/取っ手が熱くなっていた:2件

いちばん多かったのは、本体が倒れた・落ちた(転倒・落下)事故の21件(29.2%、約3割)です。21件のうち16件は重傷または死亡の事故で、9件は倒れたときにふたが開いた・外れたと記録されていました。また、21件のうち16件は子どもが関わった事故(子どもが倒した・触れた、または近くにいた子どもがやけどを負った)でした。
事故原因の記述から見ると、404件のうち使い方が原因とみられるものは52件、製品の不具合は233件、長く使ったことによる劣化は9件、原因がわからない・製品以外が原因とみられるものなどが110件でした。

数字を見るときの注意
・これはNITEに通知された製品事故のうち、検索で拾えた電気ケトル・電気ポットの事故の件数です。事故全体の数ではありません
・起き方・原因の分け方はweboo編集部が記録を読んで決めたもので、NITEの分類ではありません。1件に1つを当てはめました
・品名が「電気湯沸器」だけの47件には、記録に「ポット」と書かれたものや調乳ポットが含まれます。発生日がわからない3件を含みます
ここからは、記録に多い起き方と公的機関の呼びかけをもとに、NG1〜5をみていきます(NGの並びは件数の順ではありません)。

NG1|子どもの手が届く所や台の端に置き、コードを垂らす

ダイニングテーブルやキッチンワゴンの上にケトルを置き、コードはコンセントまで垂れたまま。大人の目線では気にならない置き方です。
集計した事故のうち、子どもが関わったやけどの事故は18件ありました。13件が重傷、1件は亡くなった事故です。18件のうち16件は、本体が倒れた・落ちた事故でした。つかまり立ちをした子どもがポットの台ごと倒れた、キャスター付きのワゴンが傾いた、子どもがコードを引っ張って高い所から落ちた、という記録があります。
なお、18件のうち品名が電気ケトル・電気やかんのものは1件で、ほかは品名が電気ポット・電気ジャーポット・電気湯沸器のものでした。

代わりに:コードも含めて子どもの手の届かない、安定した場所に。
消費者庁は、電気ケトル等は、電源コードも含めて小さなこどもの手の届かない場所に置くよう呼びかけています。本体が手の届かない場所にあっても、電源コードを引っ張って転倒することがあるとしています。
NITEも、乳幼児の手が届くところで使わない、不安定な場所では使わない、電源コードをひっかけるなどして転倒させないよう注意する、を挙げ、子どもの手が届かない場所で使用し、使用後はすぐに片付けるよう求めています。
東京都は、0歳児及び1歳児が電気ケトルを転倒させ、漏れ出た湯でやけどを負う事例が多いとして、床の上や台の端など、転倒・落下のおそれがある場所で使わないよう呼びかけています。消費者庁によると、こどもは大人よりも皮膚が薄く、やけどが重症になってしまうことがあります。

NG2|ふたの閉め忘れ・ロック忘れ、ふたを持って運ぶ

急いでいる朝、ふたを軽くのせただけでスイッチを入れる。電気ポットを移動するとき、つい上のつまみを持つ。どちらもよくある動作です。
集計したやけどの記録では、湯を注ぐ・ふたを開ける・運ぶときにふたが開いた・外れた事故が11件ありました。ふたがきちんと閉まっていないまま湯を注いだ、ふたのつまみを持って持ち上げた、ふたを付けたまま残り湯を捨てた、といった記録です。
本体が倒れた21件のうち9件でも、倒れたときにふたが開いた・外れたと書かれていました。

代わりに:ふたは確実に閉めてロックし、ふたを持って移動しない。
消費者庁は、適切にロックするなど安全機能を活用し、蓋の閉め忘れや部品の破損・劣化にも注意するよう呼びかけています。内ぶたのパッキンなど部品が劣化していると、安全機能があっても湯漏れのリスクが高まるとしています。
NITEは、蓋を確実に閉めていないと飛散したお湯でやけどを負うおそれがあるとし、蓋を持って移動しないことを挙げています。給湯ロックボタンの付いた製品でも、ロックした状態で倒すと注ぎ口から湯が流れるおそれがあるとしています。また、ふたを外すタイプのケトルは、ふたの着脱を本体をテーブルなどに置いた状態で行うよう勧めています。

NG3|お茶の葉など水以外を入れる、傾けたり揺すったりする

ティーバッグを入れてそのままお茶に。中をすすぐついでに、熱湯を入れてぐるぐる揺する。ひと手間を省きたくなる場面です。
使い方が原因とみられる事故のうち、水以外のものを入れた・傾けたり強く揺すったりした事故は4件ありました。茶葉を入れて使っていたため、蒸気の通り道が詰まって沸騰を検知できず、中の圧力が上がった状態でふたを開けようとして、ふたが外れた。洗うために熱湯を入れて強くゆすり、底のスイッチ部分から熱湯が漏れた。この2件はいずれも重傷の記録です。

代わりに:湯を沸かすだけにし、本体を傾けたり揺すったりしない。
NITEは、水以外のものを入れたり、沸かしたりしない、湯を沸かすだけにするよう呼びかけています。茶葉などを入れると、蒸気の通り道が詰まって沸騰を検知できなくなったり、泡立って中の圧力が上がり、中身がふき出したりするおそれがあるとしています。あわせて、本体を抱きかかえたり、傾けたり、揺すったりしないことを挙げています。水の量は、お使いの製品の取扱説明書で目盛りを確かめましょう。

NG4|注ぎ口や蒸気口に手や顔を近づける

沸いたかな、と注ぎ口をのぞき込む。ポットの給湯ボタンを押すとき、手が蒸気口の上を通る。毎日のことで気にとめない動作です。
集計したやけどの記録にも、蒸気に触れてやけどをした事故が5件ありました。湯を沸かしている最中にポットの上に手を伸ばした、湯を捨てようとして蒸気が噴き出した、などの記録です。
国民生活センターが2021年9月に公表した資料によると、医療機関から寄せられた情報には、2016年度以降の5年あまり(2016年4月〜2021年6月末の伝送分)で、電気炊飯器・電気ポット・電気ケトル・加湿器(スチーム式)の蒸気による乳幼児(0〜5歳)のやけどが56件ありました。

代わりに:蒸気の出る所に手や顔を近づけない。
NITEは、蒸気孔・注ぎ口や蓋の内側に触ったり、手や顔を近づけたりしないよう呼びかけています。国民生活センターも、これらの家電から出る蒸気は数秒触れただけでやけどを負うおそれがあるとして、乳幼児が蒸気に触れない位置に置くよう注意を呼びかけています。
買い替えるときは、国民生活センター・東京都・消費者庁とも、蒸気を抑える機能(蒸気レス・蒸気カットなど)の付いた製品を検討するよう勧めています。

NG5|コードを引っ張ってプラグを抜く、棚に挟んで使う

食器棚のスライド棚にポットを置き、出し入れのたびにコードが挟まる。抜くときはコードをつまんで引く。キッチンの家電でありがちな扱い方です。
使い方が原因とみられる52件のうち、いちばん多かったのはコードを引っ張る・曲げる・挟むなどでコードやプラグが傷んだ事故(16件)でした。16件のうち9件は火災、4件は周りの物まで焦がした・焼いた事故です。コードを引っ張ってプラグを抜くことを日常的にしていた、スライド式の収納台にコードが挟まれていた、コードを束ねたまま長く使っていた、といった記録があります。

代わりに:プラグを持って抜き、コードを折り曲げたり踏んだりしない。
NITEは、電源コードを折り曲げる、踏みつける、引っ張るといった使い方を続けると、中の線が切れて異常発熱や発火に至るおそれがあるとして、電源プラグを外す際はコードではなくプラグを持って抜き差しするよう呼びかけています。延長コードにつなぐ前に、取扱説明書や本体表示を確かめましょう(延長コード・タップのNG5つは関連記事で紹介しています)。

2026年6月から 電気ケトル等は倒れたときの湯漏れ試験の合格が必須に

倒れたときの湯こぼれを防ぐため、国の安全基準が見直されました。消費者庁によると、2026年6月以降に日本で製造・輸入される電気ケトル等は、倒れても湯漏れが50ml以下であること等の転倒流水試験に合格した製品であることが必須になっています。NITEも、2026年6月1日以降に製造・輸入される電気ケトルは全て対策が取られたものになるとしています。
ただし、2026年5月以前に製造・輸入された対策のない在庫は、6月以降も販売される可能性があると消費者庁は注意しています。消費者庁は、特に小さなこどものいる家庭では、転倒流水対策がなされた電気ケトルかどうか確認してはどうかと呼びかけています。

東京都が市販の電気ケトル9商品を調べたテストでは、最大水位線まで水を入れて沸騰させた後に倒すと、転倒流水防止構造のない多くの商品では5割を超える湯が流れ出たのに対し、構造のある商品は2%以下でした(倒してから約10秒間)。本体が二重構造でない商品は、側面などが80℃を超え(二重構造の商品は60℃未満)、蒸気を抑える機能のない商品は蒸気吹出口の真上で90℃を超えていました(機能のある商品は30℃未満)。

よくある質問

製品の不具合による事故も多いの?

集計した404件のうち233件は、事故原因の記述から製品の不具合とみられるものでした。ただし、その中には同じ原因の記述でまとまって記録された事故(51件・44件・27件のまとまり)が含まれます。「電気ケトルはどれも危ない」という意味ではありません。
お持ちの製品がリコールの対象になっていないかは、NITE SAFE-Liteで製品名から事故やリコールの情報を調べられます。

旅行先で気をつけることは?

子どもが関わったやけどの事故18件のうち6件は、旅館・ホテルなどの宿泊先で起きていました。床の間や畳の上、テーブルに置かれていた電気ポットなどを子どもが倒した・触れた、という記録です。
消費者庁も、旅行先など普段と違う使用環境で子どもがやけどを負う事故が起きているとして、製品だけでなく使うときの環境に危険がないか確かめるよう呼びかけています。部屋に着いたら、ポットの置き場所を先に確かめましょう。

まとめ 置き場所とふたの確認で、倒れたときのやけどを防ぐ

出典 www.nite.go.jp

電気ケトル・電気ポットでやりがちなNGと、代わりにできることをおさらいします。
・子どもの手が届く所や台の端に置き、コードを垂らす → コードも含めて子どもの手の届かない、安定した場所に
・ふたの閉め忘れ・ロック忘れ、ふたを持って運ぶ → ふたは確実に閉めてロックし、ふたを持って移動しない
・お茶の葉など水以外を入れる、傾けたり揺すったりする → 湯を沸かすだけにし、本体を傾けたり揺すったりしない
・注ぎ口や蒸気口に手や顔を近づける → 蒸気の出る所に手や顔を近づけない
・コードを引っ張ってプラグを抜く、棚に挟んで使う → プラグを持って抜き、コードを折り曲げたり踏んだりしない
NITEの製品事故の記録404件をweboo編集部で集計すると、やけどの約3割は本体が倒れた・落ちた(転倒・落下)事故で、21件のうち16件に子どもが関わっていました。コードごと手の届かない所に置く、ふたは確実に閉める、水だけを沸かす、蒸気に近づかない、プラグを持って抜く。今日ケトルを使うときに、置き場所から見直してみてください。

※本記事は電気ケトル・電気ポットの事故を防ぐための一般的な情報提供を目的としたものです。使う前に、お使いの製品の取扱説明書・本体の表示を必ず確認してください。
※起き方・原因別の件数は、製品評価技術基盤機構(NITE)の「NITE SAFE-Lite」で、電気ケトル・電気ポットの事故をweboo編集部が2026年9月27日に検索し、記録をもとに分類・集計した値です。記事の情報は2026年9月27日時点のものです。

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