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ハリウッドきっての犬好き!『ハート・オブ・ビースト』の熱演も納得のブラピの愛犬家伝説

  • 2026.9.27

ブラッド・ピット主演の最新作『ハート・オブ・ビースト』が公開中だ。監督は『フューリー』(14)以来のタッグとなるデヴィッド・エアー。ピットは戦争の傷を引きずる元陸軍特殊部隊の退役兵、ジェームズ・ベルモントを演じる。彼は戦場で脚を失い義足となった元軍用犬オーディンを連れてアラスカへ。ところが、飛行機事故で“魔の領域”と呼ばれる奥地に取り残され、100kmにおよぶ険路を踏破することになる。

【写真を見る】相棒オーディン役には“犬界のブラッド・ピット”のような顔立ちのジャーマン・シェパードをキャスティング(『ハート・オブ・ビースト』)

アラスカの奥地に取り残された退役軍人とPTSDを抱える愛犬の絆を描く『ハート・オブ・ビースト』 [c]2026 Paramount Pictures. All Rights Reserved.
アラスカの奥地に取り残された退役軍人とPTSDを抱える愛犬の絆を描く『ハート・オブ・ビースト』 [c]2026 Paramount Pictures. All Rights Reserved.

ブラピが共演の犬と強い絆を育んだ『ハート・オブ・ビースト』

ほかの登場人物はごくわずかで、物語の大半はピットと犬の“2人”だけ。台詞もほとんどない。エアー監督は、「絆を描くことが、監督として最大の挑戦だった。でも撮影の終盤には、それがとても自然なものになっていた。2人にカメラを向けるだけで、魔法のようなことが起こるようになったんだ」と振り返っている。ピットも「僕にとっては、ジェームズそのものというより、彼とオーディンの関係のほうが大きかったんだと思う。人間と犬、犬と人間の間にある絆は、本当に素晴らしいものだよ」とコメントしている。

【写真を見る】相棒オーディン役には“犬界のブラッド・ピット”のような顔立ちのジャーマン・シェパードをキャスティング(『ハート・オブ・ビースト』) [c]2026 Paramount Pictures. All Rights Reserved.
【写真を見る】相棒オーディン役には“犬界のブラッド・ピット”のような顔立ちのジャーマン・シェパードをキャスティング(『ハート・オブ・ビースト』) [c]2026 Paramount Pictures. All Rights Reserved.

オーディンを演じた4頭のジャーマン・シェパードのうち、メインを務めたのは体重45kgを超えるウーバーだ。警察犬から捜索救助犬に転身し、パートナーを亡くして引退していた苦労人ならぬ苦労犬。“犬界のブラッド・ピット”のような顔立ちを買われ、多くのクローズアップを任された。

飛行機事故でアラスカ奥地に取り残されたジェームズとオーディン(『ハート・オブ・ビースト』) [c]2026 Paramount Pictures. All Rights Reserved.
飛行機事故でアラスカ奥地に取り残されたジェームズとオーディン(『ハート・オブ・ビースト』) [c]2026 Paramount Pictures. All Rights Reserved.

残る3頭は、川泳ぎや山登りなど屋外での動きが得意なジカ、スタント担当のライカー、最年少でやんちゃなホンドというウーバーの息子たち。4頭は観客に見分けがつかないよう、メイクで外見がそろえられている。ピットは撮影開始の3週間前にニュージーランド入りして犬たちと過ごし、撮影中は自らトレーニングにも励んで心を通わせた。撮影現場で毎日配られるコールシート(予定表)には、本来主演俳優が出演リストの1番目に記載されるものだが、本作ではウーバーの名前が記されていたという。

ジェームズを側で支えるオーディン(『ハート・オブ・ビースト』) [c]2026 Paramount Pictures. All Rights Reserved.
ジェームズを側で支えるオーディン(『ハート・オブ・ビースト』) [c]2026 Paramount Pictures. All Rights Reserved.

ピット自身もインタビューでウーバーの格付けを問われた際、「モーガン・フリーマンやアンソニー・ホプキンスと同じトップカテゴリー。ジョージ・クルーニーやマット・デイモンはその次」とジョークまで飛ばしている。実は彼、ハリウッドでも指折りの愛犬家なのだ。

人間を寄せ付けない“魔の領域(ハート・オブ・ビースト)”(『ハート・オブ・ビースト』) [c]2026 Paramount Pictures. All Rights Reserved.
人間を寄せ付けない“魔の領域(ハート・オブ・ビースト)”(『ハート・オブ・ビースト』) [c]2026 Paramount Pictures. All Rights Reserved.

見事なコンビネーションでパルム・ドッグ賞を獲得

ピットのスクリーンの歴史を振り返ると、犬との深い縁はいまに始まったことではない。『セブン』(95)や『スナッチ』(00)、『ザ・メキシカン』(01)といった彼の代表作には犬が出演(『セブン』に登場するミルズの飼い犬は実際にピットが飼っていた犬ともいわれている)。ピットが第92回アカデミー賞助演男優賞を受賞した『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』(19)では、彼が演じたクリフ・ブースの相棒としてピットブルのブランディが登場する。ブランディ役を務めたサユリ(映画初出演)とは撮影前からじっくり信頼関係を築き上げ、劇中でも見事なコンビネーションを披露。カンヌ国際映画祭の期間中、彼女には優れた犬の演技に贈られる「パルム・ドッグ賞」が授与された。

ピットブルのブランディ役を務めたサユリ(『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』) [c]Everett Collection/AFLO
ピットブルのブランディ役を務めたサユリ(『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』) [c]Everett Collection/AFLO

撮影中に出会った野良犬たちを保護

さらに、ファンの間で語り継がれているのが90年代のアルゼンチンでの出来事だ。『セブン・イヤーズ・イン・チベット』(97)の撮影でメンドーサ州に滞在していた際、過酷な環境で暮らす野良犬たちを見過ごせず、10頭以上の犬を自ら保護。餌を与えるだけでなく獣医に診せ、里親探しまで行った。なかでも特に強い絆で結ばれたグレイハウンドミックスのブランコは、撮影終了後にアメリカの自宅へと連れ帰り、愛犬として生涯大切に育てることとなった。

このようなロケ先や日常での保護活動は彼にとって特別ではなく、ごく当たり前のこと。米国の自宅には専用のシェルターまであり、避妊・去勢手術を済ませてから里親に託しているという。スクリーンの外でも筋金入りの“犬ファースト”なのだ。

『セブン・イヤーズ・イン・チベット』撮影中に出会った野良犬たちを保護した [c]Everett Collection/AFLO
『セブン・イヤーズ・イン・チベット』撮影中に出会った野良犬たちを保護した [c]Everett Collection/AFLO

現在、ピットの自宅にはサンデーとヴァンディというプードル系ミックス犬が暮らしており、最近さらに1頭の保護犬を家族に迎え入れたそうだ。

「どれほどつらい一日だったとしても、玄関のドアを開ければ尻尾を振って全力で迎えてくれる。それを見ると、文句を言っている場合じゃないなと思えるんだ」。

ジェームズとオーディンの絆に心が揺さぶられる(『ハート・オブ・ビースト』) [c]2026 Paramount Pictures. All Rights Reserved.
ジェームズとオーディンの絆に心が揺さぶられる(『ハート・オブ・ビースト』) [c]2026 Paramount Pictures. All Rights Reserved.

この言葉の通り、オザーク地方の森や湖で育った彼にとって犬は単なるペットではなく人生の相棒そのもの。『ハート・オブ・ビースト』でジェームズがオーディンに向ける温かい眼差しには、ブラッド・ピットがこれまでの人生で愛犬たちと紡いできた本物の絆が息づいているのだろう。

文/竹島ルイ

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