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「あなた一人が片づけ続けることではない」大雨のたび坂の上からごみと落ち葉が流れてくる。掃除を続けた僕と住民の反応

  • 2026.9.26

坂の下の車庫にたまるもの

坂の下の一戸建てに住んで、もう長い。

春から秋にかけて、台風や大雨が来るたび、坂の上から流れてきたごみや落ち葉が、車庫の前にある排水口の鉄の網にびっしりとたまった。

そのままにしていると水が流れにくくなり、車庫の前に水がたまってしまう。

雨が少し弱まるのを待って、僕はほうきと火ばさみを持って外へ出ていた。

お菓子の包みや空き袋、水を吸って重くなった落ち葉。

それを拾ってごみ袋に分け、ごみの日まで車庫の隅に置いておく。ひどい日は、片づけたばかりなのに数時間後にはまた網がふさがっていた。

ある晩、その日掃除を終えて家に入ると、妻がタオルを差し出した。

「また行ってたの?今日、何回目?」

「2回目。朝と、それから今」

妻は窓の外を見ながら、少し困ったように言った。

「これ、ずっと一人でやるのは大変よ。町内会に相談してみたら?」

僕も、このまま続けるのには限界があると感じていた。そこで、それまで撮っていた排水口の写真を日付ごとに整理し、どのくらいの頻度で掃除したのかも分かるように一冊のファイルにまとめた。

町内会長さんが返した一言

後日、そのファイルを持って町内会長さんの家を訪ねた。

70代くらいの男性で、事情を説明すると、一枚ずつ写真を見てくれた。

「これは、いつごろから続いているんですか」

「もう何年もです。ひどい日は、朝に掃除しても昼にはまた詰まって、夜にも片づけることがあります」

会長さんはページをめくる手を止めた。

「これを、ずっとお一人で?」

「はい。放っておくと、車庫の前に水がたまるので」

会長さんは少し考えてから、僕を見た。

「それは、あなた一人が片づけ続けることではないでしょう」

その言葉を聞いて、肩の力が少し抜けた。

次の町内会の集まりで、会長さんは僕がまとめた写真を見せながら、坂の上から流れてくる落ち葉やごみについて話をした。

写真を見た一人の男性が、驚いたように言った。

「こんなに下まで流れてるんですね。知りませんでした」

ほかの人たちも写真を見ながら、どうしたらいいか話し合った。

会長さんはそこで提案した。

「大雨の前は、それぞれの家の周りの落ち葉やごみをできる範囲で片づける。それでも流れてしまったものは、雨のあとにみんなで確認する。そういう形にしませんか」

反対する人はいなかった。その内容は翌週、回覧板でも町内に知らせることになった。

次の台風が過ぎた朝、車庫のシャッターを開けると、外から人の声が聞こえた。

見ると、近所の人たちがほうきやごみ袋を持って、排水口の周りを掃除していた。

「おはようございます。今日はこっちもやっておきますね」

「ありがとうございます」

僕も外へ出ようとすると、「今日は大丈夫ですよ」と声をかけられた。

家に戻ると、妻が湯のみを二つ並べていた。

「今日は、朝から掃除に出なくていいのね」

「そうみたいだな」

何年も当たり前のように一人で片づけてきた。でも、状況を記録して伝えたことで、ようやく「一軒だけの問題」ではないと知ってもらえたのだった。


※本記事は、GLAMが独自に実施したアンケートで寄せられた60代以上男性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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