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「抱っこしてるんだからいいでしょ」犬をケースに入れず電車に乗った乗客。だが、他の乗客が注意した結果

  • 2026.10.30
「抱っこしてるんだからいいでしょ」犬をケースに入れず電車に乗った乗客。だが、他の乗客が注意した結果

昼の車内で抱かれていた小さな犬

平日の昼、僕は休みを取って役所の用事を済ませ、その帰りに電車に乗った。

車内は空いていて、座席にもところどころ空きがある。僕はドアの近くに立ち、ぼんやり窓の外を眺めていた。

向かいのドアのそばには、中年の女性が立っていた。腕の中には茶色い小さな犬がいる。

犬はケースにもかばんにも入っておらず、そのまま女性に抱かれていた。

僕も家で犬を飼っているので、その姿が気になった。

電車に犬を乗せるときは、ケースにきちんと入れる必要があるはずだ。

すると、近くの座席にいた年配の男性が女性に声をかけた。

「すみません。それ…だめなんじゃないですか」

女性は犬を抱き直し、少し眉をひそめた。

「抱っこしてるんだからいいでしょ」

男性が「でも…」と言いかけると、女性は今度は少し強い口調になった。

「だから、抱っこしてるんだからいいでしょ」

男性は困ったように口を閉じた。近くに座っていた若い女性が、犬から少し距離を取るように体を寄せるのも見えた。

犬がおとなしいかどうかとは別に、苦手な人やアレルギーのある人もいる。僕はしばらく迷ったが、そのままにしていいとは思えなかった。

駅員さんが静かに繰り返したこと

次の駅で、後から来る急行を待つため数分停車するというアナウンスが流れた。

僕はホームに降り、近くにいた駅員さんに声をかけた。

「すみません。車内で犬をそのまま抱いている人がいるんですが……」

「ありがとうございます。確認しますね」

駅員さんは僕と一緒に車内へ入り、女性の前で軽く頭を下げた。

「お客さま、小動物をお連れの場合は、全身が入るケースに入れていただく必要があります」

女性は犬を抱いたまま答えた。

「でも、この子はおとなしいですよ」

駅員さんは声を荒らげることもなく、同じ落ち着いた調子で続けた。

「申し訳ありません。おとなしいかどうかにかかわらず、ケースに入っていない状態ではご乗車いただけません」

女性は少し黙ったあと、犬を抱き直した。

「……ケース、持ってきてないんですけど」

「恐れ入りますが、ケースをご用意いただいてからご利用をお願いします」

女性は何も言わず、そのまま犬を抱いてホームへ降りていった。

駅員さんは女性を責めるような言い方をしていなかった。ただ、できないことはできないと、同じ調子で伝えていただけだった。

その夜、玄関に置いてある自分の犬のケースを拭きながら、妻に昼間の出来事を話した。

「『抱っこしてるんだからいいでしょ』って、言っててさ」

「駅員さんはどうしたの?」

「怒ったりせずに、ケースに入れないと乗れませんって説明してた。結局、その人は降りていったよ」

決まりは、犬がおとなしいかどうかだけで決められているわけではない。自分も犬を連れて出かけるときは、周りの人への配慮を忘れないようにしようと思った。


※本記事は、GLAMが独自に実施したアンケートで寄せられた30代男性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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