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「だったら、その50万円で返せばよかったじゃん」家計から借金を返した私が、数年後に知った夫の本音

  • 2026.10.30
「だったら、その50万円で返せばよかったじゃん」家計から借金を返した私が、数年後に知った夫の本音

入籍の1か月前に聞かされた50万円

入籍を1か月後に控えたある晩、当時の婚約者だった夫が、言いにくそうに口を開いた。

式場の打ち合わせを終え、新居に置く家具のカタログを二人で眺めていたときだった。

「あのさ、ちょっと話があるんだけど」

「何?」

夫はしばらく黙ったあと、小さな声で言った。

「実は、50万円借りたんだ」

思わず夫の顔を見た。

「50万円?何に使うの?」

「結婚前に、ちょっと必要でさ」

「ちょっとって…50万円だよ?」

何度聞いても、夫は「いろいろ必要なんだ」と繰り返すだけだった。

さっきまで楽しみに見ていた家具のカタログが、急にどうでもよくなった。

「それ、どうやって返すの?」

夫は少し目を伏せた。

「結婚したら、家計から少しずつ返せないかな」

「え?何に使うかも分からないのに、二人のお金から返すの?」

「一気にじゃなくていいから。毎月少しずつで」

納得できたわけではなかった。それでも入籍を目前にしていた私は、その場で強く言い切ることができず、不安を抱えたまま結婚した。

結婚後は、毎月の返済分を家計から出すことになった。

少しでも負担を減らそうと、私は特売の日を選んで買い物をし、食費や日用品代を少しずつ抑えた。買おうと思っていたものを棚に戻したことも、一度や二度ではない。

ようやく返済が終わった月、家計簿の端に小さく丸をつけた。

「これで50万円、やっと終わったよ」

そう伝えると、夫は「そっか。ありがとう」と短く返した。

その軽さに少し引っかかったものの、当時は返済が終わった安心感のほうが大きかった。

何年もたって聞かされた本当の理由

それから何年もたった夏の夜。子どもたちが寝たあと、夫と二人で過ごしていると、夫が昔話でもするような口調で言った。

「そういえば、結婚前の50万円って覚えてる?」

「忘れるわけないでしょ」

私がそう返すと、夫は少し気まずそうに笑った。

「あれさ、実は何か買うために借りたわけじゃなかったんだ」

「…どういうこと?」

「結婚したら、自分で自由に使えるお金が減るかなって思って。手もとにお金を置いておきたかったんだよ」

一瞬、意味が分からなかった。

「ちょっと待って。その50万円を、自分用に持っておきたかったってこと?」

「まあ…そう」

私は思わず聞き返した。

「だったら、その50万円で返せばよかったじゃん」

夫は黙った。

「私、食費を削ってたんだよ。特売の日を選んで、買うものを減らして。それ、見てたよね?」

「……うん」

「自分のお金は残して、借金だけ家計から返せばいいって思ってたの?」

夫は目を伏せた。

「今考えたら、本当におかしかった。ごめん」

頭の中に、あのころの家計簿が浮かんだ。返済が終わった日に、うれしくてつけた小さな丸まで思い出した。

「私が腹立つのは、50万円借りたことだけじゃないよ」

夫が顔を上げる。

「私は二人の借金だと思って、本気でやりくりしてたの。それなのに、あなたは自分のお金を残すためだったんでしょ」

「……うん。本当に悪かった」

「今になって笑い話みたいに言われるのも嫌。私はあのとき、本気だったんだから」

夫はしばらく黙ったあと、もう一度「ごめん」と言った。

その夜、すぐに気持ちが収まったわけではない。

ただ、それまで飲み込んでいたことを初めて全部口にできた。

それ以来、夫がお金のことで何か決めるときは、以前より先に私へ相談するようになった。

あの50万円を、私は今でも完全な笑い話にはできない。

けれど、夫婦だからこそ、お金のことを曖昧にしたままにしてはいけない。そのことを強く意識するきっかけになった出来事だった。


※本記事は、GLAMが独自に実施したアンケートで寄せられた40代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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