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「カール・ハンセン&サン」の端材でつくった、世界にひとつのモビール【エディターの偏愛録】

  • 2026.9.23

家具の端材から、世界にひとつのモビールを

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6月に取材で訪れた、コペンハーゲンのデザインイベント「3daysofdesign」。「カール・ハンセン&サン」のフラッグシップストアでは、「Balanced Principles」と題した展示が行われていました。

取材中、会場の一角でスタッフが準備していたのが、家具の製造工程で生まれた端材を使ってモビールをつくるワークショップです。大小さまざまな木片やしなやかに弧を描く細い木の棒が並ぶ様子を見ているうちに、どうしても参加してみたくなり、取材を終えたあとに私も体験させてもらいました。

まずは、モビールの土台となる端材をひとつ。そして、左右に吊るす木片をそれぞれひとつずつ、合計3つを選びます。

「これはオーク材かな」「もともとは、どの家具の一部だったのだろう」。木目や色、重さの異なる端材を手に取り、それぞれのもとの姿を想像しながら組み合わせを考える時間は、家具を選ぶのとはまた違う楽しさがありました。

構造はいたってシンプル。選んだ木片を中央の棒に接続し、左右のバランスを調整していきます。木片の大きさや重さ、取り付ける位置によって、モビールの表情は少しずつ変わります。あれこれ試しながら、ようやく自分だけの組み合わせが完成。

このモビールをデザインしたのは、ロンドンを拠点に活動する日本人デザイナー、櫻井靖幸と佐野梨沙によるデザインスタジオ、メンセン(Mentsen)。家具やプロダクトから一点もののオブジェまで、クラフトと工業デザインの間を行き来しながら、素材を活かしたものづくりを行っています。スタジオ名は、日本語の「面」と「線」に由来するそう。

コペンハーゲンからわが家へ。窓辺の風景になったモビール

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コペンハーゲンから手荷物として機内に持ち込み、大切に連れて帰ったモビール。 中央でモビールを支える黒い曲線の木片は、ハンス J. ウェグナーがデザインした椅子“CH88”の背もたれの先端部分です。曲木でつくられた背もたれの両端は、自然に肘を置けるよう考えられた機能的な形。その特徴的な形を残す端材が、モビールの造形として活かされています。

「3daysofdesign」から約3カ月。風が入るたびにゆっくりと揺れる姿はすっかり部屋になじみ、いまでは家具の製造過程で生まれた端材からできていることを忘れてしまうほどです。

家具にならなかった小さな木片も、見方や組み合わせ方を変えれば、暮らしを彩るオブジェになる。端材を単に再利用するのではなく、それぞれの木目や形を個性として尊重し、別の用途へと軽やかに転じる。その発想に、デザインの面白さを感じました。

クラフツマンシップを大切にしながら、素材を最後まで無駄なく活かす。窓辺でゆらゆらと揺れる小さなモビールは、「カール・ハンセン&サン」のものづくりの姿勢を、何より身近に感じさせてくれます。

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