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夕暮れの交通事故NG5つ 死亡事故は11月が最多

  • 2026.9.23

日の入り前後1時間の「薄暮時間帯」は、交通死亡事故が多い時間帯です。警察庁の令和3〜7年の集計では、この時間帯の死亡事故は11月が214件で最多でした。国立天文台の日の入り時刻で8都市を比べると、9月末から11月末までに東京で59分早まります。服の色、反射材、横断、自転車のライトなど、夕方にやりがちなNG5つをまとめました。

10月に入ると、夕方5時にはもう外が薄暗い……という日が増えてきます。学校帰りや夕方の買い物、保育園のお迎えの時間が、いつの間にか「暗くなりかけ」の時間と重なってくる季節です。
警察庁は、日の入り時刻の前後1時間を「薄暮(はくぼ)時間帯」と呼び、この時間帯に交通死亡事故が多いとして注意を呼びかけています。
この記事でわかることは次のとおりです。
・薄暮時間帯の死亡事故は何月に多いのか(警察庁の5年分の集計)
・9月末・10月末・11月末で、日の入りが何分早くなるのか(8都市の比較)
・服の色・反射材・横断・自転車のライトなど、夕方にやりがちなNG5つと代わりにできること
根拠にしたのは、警察庁・政府広報オンライン・国立天文台の公表データと、道路交通法の条文です。

夕暮れの死亡事故は10〜12月に多く、11月が最多

警察庁が令和3年〜令和7年(2021〜2025年)の5年間の交通死亡事故を分析した資料では、死亡事故は日の入り時刻と重なる17時台から19時台に多く発生しています。
そのうち薄暮時間帯(日の入り前後1時間)の死亡事故1,555件を月別に見ると、多いのは10月178件・11月214件・12月197件。いちばん多い11月は、いちばん少ない6月(70件)の約3倍です。
10〜12月の3か月だけで589件、5年間の薄暮時間帯の死亡事故の37.9%を占めています。

出典 www.npa.go.jp

数字を見るときの注意
・令和3年〜令和7年(2021〜2025年)の5年間を合計した件数です(1年あたりの件数ではありません)
・死亡事故だけの集計です。けがをした事故は含まれていません
・「薄暮時間帯」は日の入り前後1時間。日の入り時刻は、その日の各都道府県庁所在地(北海道は各方面本部所在地を含む)の時刻(国立天文台の計算)で決めています
10〜12月に多い理由を、この資料は数字で説明しているわけではありません。ただ、警察庁は薄暮時間帯について、周囲の視界が徐々に悪くなり、自動車や自転車、歩行者などの発見がお互いに遅れたり、距離や速度が分かりにくくなる時間帯だと説明しています。そして10〜12月は、次に見るように日の入りがどんどん早くなる時期とも重なります。

9月末から11月末で、日の入りは東京で59分早くなる

では、薄暮時間帯は実際に何時ごろになるのでしょうか。国立天文台が公表している2026年の日の入り時刻を、8つの都市で9月30日・10月31日・11月30日の3日分並べてみました。
・札幌:17:19 → 16:29 → 16:01(78分早く)
・仙台:17:22 → 16:39 → 16:17(65分早く)
・東京:17:27 → 16:47 → 16:28(59分早く)
・名古屋:17:38 → 16:59 → 16:41(57分早く)
・大阪:17:44 → 17:06 → 16:47(57分早く)
・広島:17:56 → 17:18 → 17:00(56分早く)
・福岡:18:05 → 17:28 → 17:10(55分早く)
・那覇:18:17 → 17:48 → 17:37(40分早く)
東京では、9月30日に17:27だった日の入りが、11月30日には16:28。2か月で59分、ほぼ1時間早くなります。

並べてみると、早くなるペースは11月より10月のほうが速いこともわかります。東京は10月の1か月で40分、11月の1か月で19分。札幌は10月だけで50分も早まります。
「先週はまだ明るかった時間なのに、今日はもう暗い」と感じやすいのが10月、ということです。
日の入りが17時より前になる最初の日は、次のとおりです。
・札幌:10月11日
・仙台:10月15日
・東京:10月21日
・名古屋:10月31日
・大阪:11月7日
広島・福岡・那覇は、2026年のうちに日の入りが17時より前になる日はありません(いちばん早い日でも広島17:00・福岡17:10・那覇17:37)。同じ日でも、西の地域ほど日の入りが遅くなります。

薄暮時間帯は日の入りの前後1時間なので、11月30日で計算すると次のようになります。
・札幌:15:01〜17:01
・仙台:15:17〜17:17
・東京:15:28〜17:28
・名古屋:15:41〜17:41
・大阪:15:47〜17:47
・広島:16:00〜18:00
・福岡:16:10〜18:10
・那覇:16:37〜18:37
東京なら、15時台の後半から、もう薄暮時間帯に入ります。学校帰りや夕方の買い物、お迎えの時間が、そのまま薄暮時間帯に入ってくる季節だということです。
※日の入り時刻は国立天文台の計算値(各都道府県庁所在地・標高0m、太陽の上辺が地平線に一致する時刻)です。周りの建物や山の高さによって、実際に暗くなる時刻は前後します。

夕暮れの死亡事故は「車と歩行者」が約半数 多くは横断中

同じ警察庁の資料で、死亡事故を「誰と誰の事故か」で分けると、薄暮時間帯は1,555件のうち771件(50%)が自動車と歩行者の事故でした。昼間(薄暮時間帯を除く)は6,308件のうち1,323件(21%)なので、夕暮れは、歩いている人が巻き込まれる割合が高い時間帯です。
さらに、薄暮時間帯の自動車と歩行者の死亡事故(広場や道の駅などを除く758件)のうち、646件(85%)は歩行者が道路を横断している最中でした。横断中の646件を場所で分けると、横断歩道以外が443件(69%)、横断歩道が203件(31%)です。
横断歩道以外の443件では、歩行者の70%(311件)に法令違反がありました。いちばん多いのは「走行車両の直前直後横断」の156件。走っている車のすぐ前や後ろを渡ってしまうケースです。

NG1|夕方の外出に、黒や紺など暗い色の服で出る

秋冬は、黒・紺・グレーなど落ち着いた色の上着が増える季節です。でも政府広報オンラインは、「黒など暗い色の服装は、ドライバーから見えにくい」と書いています。
夕暮れは、歩いている自分からは車のライトがよく見えます。そのぶん「相手からも見えている」と思いがちですが、暗い色の服は周りの景色にまぎれてしまいます。

代わりに:明るい目立つ色の服に。暗い色なら反射材を足す。
警察庁は「明るい目立つ色の衣服を着用」することをすすめています。お気に入りの黒いコートをやめる必要はありません。政府広報オンラインにも「明るい色の服装と反射材を併せることで、ドライバーからより見やすくなります」とあります。明るい色のストールやバッグを足す、次のNG2の反射材を組み合わせる、といった方法もあります。

NG2|反射材は「夜だけ」、またはカバンの中にしまったまま

反射材は、車のライトの光を、光が来た方向にそのまま強く返す素材です。暗い所で光が当たると、運転者からは光って見えます。
ただ、キーホルダー型の反射材をカバンの内ポケットに入れたまま、ということはないでしょうか。光が当たらない場所にあると、役目を果たせません。また「真っ暗になってから」ではなく、警察庁は薄暮時間帯や夜間に反射材・ライトを活用するよう呼びかけています。

代わりに:靴・服・カバンなど外から見える所に。夕方から。
警察庁は「靴、衣服、カバン、つえなどに反射材用品等を付けたりするようにしましょう」としています。政府広報オンラインでは、靴や杖、カートにつけるシールやキーホルダー、足首・手首のバンド、たすきなどが例に挙がっています。反射材が最初から組み込まれた靴やバッグもあるので、ふだん使うものから選ぶと続けやすくなります。

NG3|近道で、横断歩道のない所や車の直前・直後を渡る

さきほどの数字のとおり、薄暮時間帯の歩行者の死亡事故は、多くが横断歩道以外を渡っているときに起きています。違反の中でいちばん多かったのは「走行車両の直前直後横断」(156件)、次が近くの横断歩道を使わずに渡る「横断歩道外横断」(87件)でした。
道路交通法は、歩行者のルールとして次のように決めています。
・第12条:横断歩道がある場所の付近では、その横断歩道を渡らなければならない
・第13条:車両等の直前または直後で道路を横断してはならない(横断歩道を渡るときや、信号に従って渡るときを除く)

代わりに:近くに横断歩道があれば横断歩道へ。車の前後は渡らない。
買い物帰りで荷物が重いと、つい近道をしたくなります。政府広報オンラインも、「進行中や停車中の自動車等車両の直前又は直後を横断しない」ことを挙げています。止まっている車の陰から出ると、反対側から来る車からは見えにくくなります。少し遠回りでも横断歩道まで歩きましょう。

出典 www.npa.go.jp

NG4|自転車・車のライトを「暗くなってから」つける

自転車のライトは、周りが見えにくくなってからつける人も多いのではないでしょうか。
道路交通法第52条は、車両等(自転車も含まれます)は夜間、道路にあるときはライトなどの灯火をつけなければならないと決めています。そしてこの「夜間」を「日没時から日出時までの時間」と書いています。つまり、つけなければならないのは暗くなってからではなく、日の入りからです。
東京の11月30日の日の入りは16:28。16時半前には、もうライトをつけて走る時間ということになります。自転車安全利用五則にも「夜間はライトを点灯」があります。

代わりに:法律上は日没から。薄暗くなる前に早めに点灯。
車を運転する人も同じです。警察庁は、薄暗くなる前から前照灯を意識的に使用する「前照灯の早め点灯」を呼びかけています。ライトは自分が見るためだけでなく、周りに自分がいることを知らせるためのもの。日の入り時刻を目安に、早めにつけておきましょう。

NG5|こちらから車が見える=運転者からも見えている、と思う

警察庁は、「歩行者や自転車利用者から見て自動車が接近してきていることが分かっても、自動車運転者からは歩行者や自転車がよく見えないことがあります」と書いています。
車はライトをつけているので、歩いている側からはよく見えます。でも運転者の側から見ると、暗い色の服を着て道の端を歩いている人は、景色にまぎれて見つけにくいことがあります。

代わりに:運転者からは見えにくいことも。渡る前・すれ違いに一層注意。
警察庁は、薄暮時間帯や夜間は自動車の距離や速度が分かりにくくなることが多いので、「横断するときや自動車とすれ違うときは、昼間と比べて一層注意しましょう」としています。「まだ遠いから渡れる」と思った車が、思ったより速く近づいてくることもあります。渡る前は、車が本当に止まってくれるか、通り過ぎるかを確かめてからにしましょう。

よくある質問

「薄暮時間帯」は何時から何時のことですか

警察庁の定義では日の入り時刻の前後1時間です。日の入り時刻は日付と場所で変わるので、決まった時刻ではありません。たとえば2026年の東京なら、9月30日は16:27〜18:27、11月30日は15:28〜17:28です。住んでいる地域の日の入り時刻は、国立天文台の「各地のこよみ」で都道府県庁所在地ごとに調べられます。

日の入りがいちばん早いのはいつですか

国立天文台の2026年の日の入り時刻では、東京は11月29日から12月13日まで16:28が続き、これがいちばん早い時刻です。つまり12月前半まで、日の入りは11月末とほぼ同じ早さのままです。警察庁の集計でも、12月の薄暮時間帯の死亡事故は197件と、11月に次いで多くなっています。年末の忙しい時期も、夕方の注意は続けましょう。

日の入りの前でも、自転車のライトはつけたほうがいいですか

法律でライトをつけなければならないのは、道路交通法の「夜間」=日没時からです。ただ、警察庁は薄暮時間帯(日の入りの1時間前から)について、周囲の視界が徐々に悪くなり、お互いの発見が遅れやすい時間帯だとしています。日の入りの前でも、薄暗いと感じたら早めにつけておくと安心です。

まとめ 日の入り時刻を「ライトと反射材の時刻」に

夕暮れの交通事故でやりがちなNGと、代わりにできることをおさらいします。
・夕方の外出に、黒や紺など暗い色の服で出る → 明るい目立つ色の服に。暗い色なら反射材を足す
・反射材は「夜だけ」、またはカバンの中にしまったまま → 靴・服・カバンなど外から見える所に。夕方から
・近道で、横断歩道のない所や車の直前・直後を渡る → 近くに横断歩道があれば横断歩道へ。車の前後は渡らない
・自転車・車のライトを「暗くなってから」つける → 法律上は日没から。薄暗くなる前に早めに点灯
・こちらから車が見える=運転者からも見えている、と思う → 運転者からは見えにくいことも。渡る前・すれ違いに一層注意
警察庁の令和3年〜令和7年(2021〜2025年)の5年間の集計では、薄暮時間帯の死亡事故は10〜12月に多く、11月が214件で最多でした。同じ時期、日の入りは東京で9月末から11月末までに59分早まり、11月末には16:28になります。
明るい色の服と反射材で「見えるように」、横断歩道を渡り、日の入りからはライトをつける。スマホで今日の日の入り時刻を一度確かめておくだけでも、夕方の外出の準備が変わります。

※本記事は夕暮れ時の交通事故の予防に関する一般的な情報提供を目的としたものです。
※事故の件数は警察庁「薄暮時間帯における死亡事故に係る分析」(令和3年〜令和7年(2021〜2025年)の5年間の合計)によるもので、死亡事故のみの集計です。月別の件数は同資料のグラフの値(政府広報オンライン掲載のグラフで数値を確認)、割合はweboo編集部が件数から計算しました。
※日の入り時刻は国立天文台 暦計算室「各地のこよみ」の2026年の値(各都道府県庁所在地・標高0m)をもとに、何分早まるか・17時前になる日・薄暮時間帯をweboo編集部が計算したものです。記事の情報は2026年9月22日時点のものです。

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