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「遠足の日くらい、好きな物が入ってるとうれしいよね」お弁当を笑われた私に、向かいのママが見せたもの

  • 2026.9.22
「遠足の日くらい、好きな物が入ってるとうれしいよね」お弁当を笑われた私に、向かいのママが見せたもの

芝生のシートに、お弁当を広げた

親子遠足の日、広場の芝生にレジャーシートを敷いて、同じクラスの親子が大きな輪になって座った。

私は前の晩から息子の好きな物を考え、その朝は少し早起きしてお弁当を詰めた。唐揚げと、皮がぱりっとするまで焼いたウインナーが2本。それに一口サイズのおにぎりを並べた。

「やった、ウインナー入ってる!」

ふたを開けた息子がうれしそうに声を上げる。その顔を見て、早起きしてよかったと思った。

すると、隣に座っていたママ友がお弁当をちらりとのぞき込んだ。

「え、ウインナーが2本も?唐揚げもあるし、お肉ばかりで可哀想」

笑いながら言われ、私は一瞬、何と返せばいいのか分からなかった。

「今日は遠足だし、好きな物を入れてあげようかなって思って」

そう答えると、ママ友は自分の子のお弁当を見せた。ブロッコリーや星形に切ったにんじんが、彩りよく並んでいる。

「うちは野菜も入れるようにしてるよ。こういうときって、つい好きな物ばっかりになっちゃうけどね」

「きれいに作ってるね」

私はそう返したものの、さっきまで楽しかった気持ちが少ししぼんでしまった。

息子は普段なら野菜炒めも食べる。ただ、その日は遠足だったから、一番喜ぶ物を詰めただけだった。

それをわざわざ説明するのも言い訳みたいな気がして、私は黙ってお弁当に目を落とした。

向かいのママが、自分のお弁当を見せた

すると、向かい側に座っていた別のママが、こちらを見て笑った。

「うちの子もウインナー大好きだよ。おいしそうじゃん」

そう言って、自分の子のお弁当をこちらへ少し傾けて見せてくれた。

「ほら、うちにも入ってる。今朝、『絶対入れてね』って念押しされたの」

見ると、そこにも切り込みを入れて焼いたウインナーが入っていた。

「一緒だね」

私が笑うと、そのママも「ね」と笑った。

「遠足の日くらい、好きな物が入ってるとうれしいよね」

責めるような言い方ではなく、本当に何気ない一言だった。

ママ友は自分のお弁当に目を戻しながら、「まあ、子どもによって好きな物も違うもんね」と小さく言った。

そのとき、隣から息子の声がした。

「ママ、ウインナーおいしい!」

見ると、口いっぱいに頬張りながら満足そうに笑っている。

「ほんと?よかった」

「もう一本食べる!」

「はいはい、どうぞ」

そのうれしそうな顔を見ていたら、さっきまで気にしていたことが少しどうでもよくなった。

息子は唐揚げもおにぎりも、最後まできれいに食べてくれた。

帰り道、バス停へ向かうゆるい坂で、向かいに座っていたママが隣に並んだ。

「今日のウインナー、うちの子も見てたみたい。帰ったら『明日も入れて』って言われそう」

「うちなんて、たぶん明日も2本って言うよ」

「それは覚悟しないとね」

二人で笑った。

それをきっかけに、送り迎えのときにも少しずつ話すようになり、しばらくして連絡先を交換した。

あれから何年たっても、そのママとは、ときどき子どものお弁当の話をして笑っている。


※本記事は、GLAMが独自に実施したアンケートで寄せられた40代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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