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「これ、あとで買うから置いておいてもらえます?」パンを2つ持ってきた女性。だが、思わぬ理由に困惑した

  • 2026.9.21
「これ、あとで買うから置いておいてもらえます?」パンを2つ持ってきた女性。だが、思わぬ理由に困惑した

「あとで買うから、置いておいて」

50代の私は、家の近くのコンビニで夕方のシフトに入っている。品出しとレジが主な仕事で、店長は私より一回り若いが、いつも落ち着いている人だ。

ある夕方、女性客が菓子パンを2つ持ってレジへやってきた。

私は会計だと思ったが、女性はパンだけをカウンターへ置いた。

「これ、あとで買うから置いておいてもらえます?」

「お取り置きでしょうか?」

聞き返すと、女性は少し声を落とした。

「もう少ししたら安くなりますよね。そのとき買いたくて」

どうやら、値引きされるまで商品を預かってほしいということらしい。

私では判断できず、店長を呼んだ。

店長が事情を聞くと、女性は悪びれる様子もなく説明した。

「前にこのくらいの時間に来たら、パンが安くなってたんです。売り切れたら嫌だから、先に取っておこうと思って」

なるほど、と私はようやく理由が分かった。

店長は女性を責めることなく答えた。

「申し訳ありません。値引きになるまで商品をお預かりすることはしていないんです」

女性は少し困った顔をした。

「じゃあ、自分で持ってるのはいいですか?」

「お買い物中でしたら大丈夫ですよ」

女性はパンを自分の買い物かごへ戻し、そのまま店内を回り始めた。

待っていれば安くなると思っていた

それからしばらくして、女性が再びレジへやってきた。

かごには先ほどのパン2つが入っている。

女性は時計を見てから、私に尋ねた。

「そろそろ、これ安くなりますよね?」

私は返事に迷い、近くにいた店長へ声をかけた。

女性は店長にも同じことを聞いた。

「前はこの時間に安くなってたんですけど。今日はまだなんですか?」

店長はそこで、女性が「時間になれば必ず値引きされる」と思っていることに気づいたようだった。

「この店では、毎日同じ時間に同じ商品を値引きするとは決まっていないんです。その日の商品を確認して、対象になるものだけ値引きしています」

女性は手元のパンを見た。

「じゃあ、これが今日安くなるとは限らないんですね」

「はい。少なくとも、今はこの価格で販売している商品です」

女性は少し考えてから、パンをレジ台へ置いた。

「そうだったんだ。じゃあ今日はこのまま買います」

私はいつもどおり会計をした。

帰り際、女性は苦笑しながら「待っていれば安くなるものだと思ってました」と言った。

最初は少し変わったお願いに思えたが、女性には以前の経験からそう思い込んでいた理由があった。

事情を聞いてみなければ分からないこともあるのだと、印象に残った出来事だった。


※本記事は、GLAMが独自に実施したアンケートで寄せられた50代男性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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