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「参加できなくても1万円は出して」法事の費用を決めようとした叔父。黙っていた祖母が取り出したもの

  • 2026.9.21

年末の居間で、叔父が持ち出した法事の話

3年ほど前の年末、祖母の家に顔を出した。

いとこや叔父、叔母も来ていて、みんなでこたつを囲んでいた。

みかんを食べながら話していると、叔父がふと思い出したように口を開いた。

「そうだ、来年の法事なんだけど。費用はみんなで同じくらいずつ出す形でいいよね」

私はその場で初めて法事の話を聞いた。そのころは仕事の予定がまだ読めず、参加できるかどうかも分からなかった。

「私、まだ仕事の予定が分からないんだけど。行けるかどうかも決まってなくて」

すると叔父は、少し考えるような顔をしてから言った。

「でも、参加できなくても1万円は出して。来られる人だけが負担するのも不公平だろ?」

叔父なりに、みんなで同じように負担したほうがいいと考えていたのだと思う。

ただ、日程も詳しい内容も聞いていないうちに金額まで決められ、私は戸惑った。

「まだ何も決まってないし、少し考えてからでもいい?」

「いや、先に決めておいたほうが楽だから。参加できなくても1万円は出して」

同じ言葉をもう一度言われ、私は返事に困った。

叔母が「まあ、まだ先の話なんだし…」と遠慮がちに口を挟んだが、叔父は「あとで揉めるより今決めたほうがいいだろ」と譲らなかった。

黙っていた祖母が、帳面を開いた

そのとき、それまで黙って聞いていた祖母が湯のみを置いた。

「ちょっと待ちなさいよ、何勝手に決めてるのよ」

叔父は少し驚いた様子で祖母を見た。

「でも母さん、みんな同じにしたほうが分かりやすいだろ?」

「そう思ってくれたのは分かるよ。でも、お金のことまで勝手に決めなくていいから」

祖母はそう言って立ち上がると、棚から古い帳面を取り出した。

これまでの法事について、かかった費用や誰が負担したのかを書き留めていたものだった。

祖母はページをめくりながら、一つずつ確かめていった。

「このときは私と上の娘の家で出してるね。こっちは私が出してる」

叔父も黙って帳面をのぞき込んでいた。

何ページか確認したあと、祖母が静かに言った。

「あんたに出してもらった年は、ここにはないね」

叔父は何か言いかけたものの、そのまま口を閉じて湯のみに目を落とした。

祖母は責めるような口調にはならなかった。

「だから今回も、誰にいくらお願いするかは私が考えるよ。決まったらちゃんとみんなに知らせる。それでいいでしょう?」

少し間があって、叔父はうなずいた。

「…分かった。じゃあ、母さんに任せるよ」

「うん。そうして」

そこでようやく話は終わった。

叔父にも公平にしたいという考えはあったのだと思う。ただ、自分だけで金額まで決めてしまえば、周りが戸惑うこともある。

帰り際、祖母が淡々と線を引いたあの言葉が、妙に印象に残った。


※本記事は、GLAMが独自に実施したアンケートで寄せられた30代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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