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台風がそれても「キャンセル料」を聞き続けた私、どうしても言えなかった本当の理由

  • 2026.9.13
ハウコレ

天気の話にすれば角が立たない。そう考えて送り続けた私に、友人はまっすぐ聞いてきました。答えた一言は、嘘ではありませんでした。

宿の予約画面を開くたび、私は合計の欄で指を止めていました。

宿を決めたのは私でした

久しぶりの泊まりの旅行で、行き先も宿も私が選びました。友人は行き先を聞いても、全部任せるとだけ返してきました。それがうれしくて、少し奮発した部屋を押さえたのも私です。ところが予約のあとで家電の買い替えなど予定外の出費が続き、合計の金額が急に重く見えるようになりました。値段の欄だけを何度も開き直しても、金額は当然変わりません。取り直せば済む話だと分かっていても、自分で推した宿を今さら高いとは言えませんでした。

天気のことなら、角が立たないと思っていました

そこで私が持ち出したのが天気でした。「旅行の日、台風来るらしいね」と送れば、宿の話に持っていけると思ったのです。次の日には「台風なら、宿だけ1回キャンセルしておいたほうがいいかな」と送り、その次には「キャンセル料っていつからかかるんだっけ」と聞きました。進路がそれてからも、私は「直前に取り直したほうが安全かな」と書きました。天気を理由に一度予約を外してしまえば、取り直すときにもっと安い宿を出せます。そんな都合のいいことを考えていて、それでも指は同じ方向にしか動きませんでした。

聞かれても、値段のことは言えませんでした

店に入る前から、聞かれるだろうと思っていました。キャンセル料が発生する前日、駅前のコーヒー店で友人は先に聞いてきました。「もしかして旅行、行きたくない?」私はカップの持ち手を回して、「行きたくないわけじゃない」と答えました。嘘ではありません。聞かれた瞬間に浮かんだのも、金額のことでした。旅行そのものは楽しみで、やめたかったのは自分で選んだ宿のほうでした。友人にキャンセル料のことを聞かれて、私はスマホで予約画面を開きました。料金の発生する日付をしばらく見てから、宿の名前を指で押さえて、「あの宿、私が決めたやつだから」と言うのがやっとでした。それから合計金額のところを指して、「今見ると、ちょっと高くて」と続けました。

そして...

「高いって言ってくれたらよかったのに」と言われて、私は「全部任せてもらったのに、自分で選んだ宿を今さら高いって言うのが恥ずかしかった」と答えました。判断を間違えたと認めるのが怖くて、天気に肩代わりさせていたのだと思います。その場で宿を取り直し、旅行には行きました。新しく押さえたのは、はじめに選んだ部屋よりひと回り小さい部屋です。それ以来、旅行の相談では、宿を探す前にいくらくらいまでにするかを聞くようになりました。

(30代女性・販売職)

本記事は、読者アンケートに寄せられた実体験をもとにした本人視点の記事を参考に、相手側の心情を想定して制作しています。実際の相手本人への取材ではなく、編集部による解釈を含みます。

(ハウコレ編集部)

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