1. トップ
  2. 暮らし
  3. 契約した月極駐車場に知らない車が…「無断駐車は3万円」の看板は有効?被害者が“やってはいけない”NG対応

契約した月極駐車場に知らない車が…「無断駐車は3万円」の看板は有効?被害者が“やってはいけない”NG対応

  • 2026.10.6
undefined
出典:PhotoAC ※画像はイメージです

月極駐車場など、契約者が決まっている駐車スペースに、知らない車が停まっているのを見かけたことはありませんか?待ち合わせや人の送迎など、「ほんの少しの時間だから」と空いているスペースに車を停めてしまう人もいるかもしれません。

しかし、その間に契約者が戻ってくれば、契約者自身が駐車スペースを利用できなくなってしまいます。反対に、自分の契約スペースに知らない車が停まっていたら、「勝手に停めないでほしい」「自分の場所なのだから車を移動させてもいいのでは」と思う人もいるでしょう。

では、月極駐車場への無断駐車は、たとえ短時間でも法律上の問題になるのでしょうか。また、自分の契約スペースに無断駐車された場合、勝手に車を移動させたり、タイヤをロックしたりしてもよいのでしょうか。

今回は、月極駐車場の無断駐車をめぐる法的責任と、絶対にやってはいけないNG対応、そして冷静かつ安全に解決するための正しい手順について、弁護士の寺林智栄さんに詳しく解説していただきました。

「少しの間なら大丈夫」は通用する?短時間の無断駐車でも法的問題に

---月極駐車場の契約者ではない人が、待ち合わせなどのために無断で車を停める行為は、法律上どのような問題となる可能性がありますか?

寺林智栄さん:

「月極駐車場の契約者ではない人が、契約者のために確保されている区画に無断で駐車する行為は、契約者の駐車する権利や駐車場管理者の権利・利益を侵害するものとして、民法709条の不法行為に該当する可能性があります。特に、『少しの間なら大丈夫』と考えて、待ち合わせや人の送迎などのために無断で車を停める場合でも、正当な使用権限がない以上、原則として許されるものではありません。

もっとも、無断駐車をしたからといって、直ちに高額な損害賠償責任が発生するわけではありません。例えば、契約者がその時間帯に駐車できず、コインパーキングを利用せざるを得なかった場合には、その利用料金など、無断駐車との因果関係が認められる実際の損害が賠償の対象となり得ます。ただし、看板に『無断駐車は3万円』などと記載されているだけで、当然にその金額を支払わなければならないとは限りません。

したがって、『短時間だから責任はない』ということではなく、短時間であっても無断駐車自体が法的問題となり得ると理解しておくことが重要です」

無断駐車の車を勝手に移動…被害を受けた側が責任を問われることも?

---自分が契約している駐車スペースに無断駐車されていた場合、契約者が自ら車を移動させたり、タイヤをロックしたりしてもよいでしょうか?

寺林智栄さん:

「自分が契約している駐車スペースに無断駐車されていたとしても、契約者が無断駐車車両を勝手に移動させたり、タイヤをロックして動かせなくしたりすることには注意が必要です。無断駐車によって権利を侵害されたとしても、原則として自力で相手の車を排除する『自力救済』が当然に認められるわけではありません。

例えば、車を勝手にレッカー移動した結果、車両に傷がついた場合には、無断駐車をした側から逆に損害賠償を請求される可能性があります。また、タイヤロックをして車両を動かせない状態にする行為についても、車の利用を妨げたとして、状況によっては違法な行為と評価される可能性があります。さらに、車両を故意に傷つけたり、車体に『罰金○万円』などの貼り紙を接着剤で貼り付けたりすることも避けるべきです。

無断駐車を発見した場合は、まず車両のナンバー、駐車状況、日時などを写真や動画で証拠として記録しておくことが重要です。そのうえで、駐車場の管理会社や所有者に連絡し、対応を求めましょう。悪質なケースや、無断駐車によって具体的な損害が発生している場合には、警察や弁護士への相談も検討しましょう。

『自分の契約区画なのだから、車をどかして当然』と考えて実力行使に出るのではなく、証拠を残したうえで、管理者や法的手段を通じて解決することが重要です」

注意しても動かしてくれない…無断駐車されたときは「まず管理会社へ」

---自分が契約している駐車スペースに無断駐車され、注意しても車を移動してもらえない場合、どのように対処するのが適切でしょうか?

寺林智栄さん:

「無断駐車が続き、注意しても移動してもらえない場合には、まず駐車場の管理会社や所有者に連絡し、契約者であることを伝えたうえで対応を求めるのが基本です。無断駐車の日時、場所、車両のナンバーなどを写真で記録しておくと、その後の対応にも役立ちます。

警察への相談も選択肢ですが、月極駐車場の区画の使用をめぐる問題は、原則として民事上の問題として扱われることが多く、警察が直ちに車両を強制的に移動させてくれるとは限りません。ただし、車両が道路をふさいでいる場合や、事件性が疑われる場合などは、警察への相談を検討すべきでしょう。

それでも解決しない場合には、弁護士を通じて車両の撤去を求めたり、損害が発生していれば損害賠償を請求したりする方法があります。状況によっては、裁判所に妨害排除を求める訴訟や仮処分を申し立てることも考えられます。

先ほども述べたように、契約者自身が車両を勝手にレッカー移動したり、タイヤをロックしたり、車体を傷つけたりすることは避けるべきです。『証拠の確保→管理会社への連絡→必要に応じて警察・弁護士へ相談』という順序で、冷静に対応することが重要です」

無断駐車されても「勝手に動かす」は避けて

月極駐車場の契約スペースに無断で車を停める行為は、たとえ短時間であっても法的な問題となる可能性があります。実際に契約者が別の駐車場を利用せざるを得なくなるなどの損害が生じれば、賠償の対象となることもあるとのことです。

一方、自分の契約スペースを無断で使われたからといって、相手の車を勝手に移動させたり、タイヤをロックしたりすることにも注意が必要です。対応によっては、無断駐車をされた側が逆に損害賠償を請求されるなど、別のトラブルにつながる可能性があります。

無断駐車を発見したら、まずは車両のナンバーや駐車状況、日時などを記録し、駐車場の管理会社や所有者へ連絡しましょう。解決しない場合には、状況に応じて警察や弁護士への相談を検討するなど、自分で実力行使をするのではなく、適切な手順で対応することが大切です。


監修者:寺林智栄

2007年弁護士登録。札幌弁護士会。てらばやし法律事務所。2013年頃よりネット上で法律記事の執筆・監修を開始。Yahoo!トピックスで複数回1位獲得。読む方にとってわかりやすい解説を心がけています。


【エピソード募集】日常のちょっとした体験、TRILLでシェアしませんか?【2分で完了・匿名】

の記事をもっとみる

注目コンテンツ