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隣人「実は丸見えなんです…」新築戸建てで入居翌月、30代夫婦を襲った“8万円の出費”

  • 2026.9.29
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

皆さま、こんにちは。大手不動産会社に入社以降10年以上の現場経験があり、宅地建物取引士の資格を持つライターのT.Sです。住まいを新築したり購入したりする際、部屋の明るさや日当たりを重視する人は多く見られます。

自然の光が多く入るリビングに開放感を求め、心地よい生活空間が生まれることを期待してのことです。今回は、採光を優先して透明なガラスを選んだことで、思わぬ相談を近隣住民から受けてしまった話を紹介します。

カーテンを開けたら目が合う、入居翌月に隣家から届いた相談

Hさん(33歳・会社員)は去年結婚した妻(31歳)とともに、今年の3月に注文住宅の新築戸建てへ入居しました。購入した敷地の東側は、隣家と接しています。

設計の打ち合わせでは、リビングの東側に幅1.8mの腰高窓を設ける案が出ました。境界線からの距離は70cmです。工務店の担当者は「境界から1mを切る窓は、後からお隣に目隠しを頼まれる例もあります。型ガラスにするか位置を上にずらしませんか」と提案します。

図面に描かれているのは隣家の建物の輪郭だけで、窓の先に何が見えるかまでは読み取れません。目隠しが要るほどの近さだと感じられなかった夫婦は、リビングの明るさを優先して透明なガラスのまま工事を進めました。

隣家の居住者がHさん宅を訪ねてきて、以下のように頼みました。

「暖かくなってカーテンを開けたら、実はうちの居間が丸見えなんです。目が合ってしまって、目隠しをお願いできませんか」

Hさんが自宅のリビングから東の窓を見ると、正面には隣家の居間にある掃き出し窓が位置していました。こちらから室内が見通せる以上、相手からも同じように見えていたのです。

外壁に穴を開けて8万円のルーバーを後付けする結末

困ったHさんは、設計を手がけた工務店の担当者に電話をかけ、東の窓に目隠しを付けたいと相談しました。連絡を受けた担当者は「窓の外側に羽根の角度を変えられるルーバーを付ければ、光を取り入れながら隣家からの視線を遮れます」と提案します。

設計の打ち合わせで勧められた段階で型ガラスを選んでいれば、後から工事をする必要はありませんでした。夫婦は自分たちの判断を後悔したものの、入居したばかりの立場では隣家からの頼みを断るわけにはいきません。

ルーバーが届いて取り付けが終わるまでの数週間、明るさを求めて透明なガラスにした東の窓は、カーテンを閉めたままでした。取り付けは外壁に穴を開けて金具を固定する作業になり、工事費を含めて約8万円かかりました。

境界から1m未満の窓に生じる民法の規定と現地確認

「後からお隣に目隠しを頼まれる例もある」と聞くと、隣家しだいのお願いのように受け取るかもしれません。しかし民法では、境界線から1m未満の場所に隣の敷地を見通せる窓を作る場合、目隠しを付けなければならないと定められています。隣家から求められれば、付けることになります。

建築基準法には目隠しの設置を義務づける規定がないため、建てる前に図面を確かめる手続き(建築確認)では指摘されません。工務店側も民法上の義務が生じるリスクを明確に説明すべきですが、透明なガラスを採用するかどうかを決めるのは施主自身です。

境界から1mを切る窓の案が出たら、着工前に現地で窓の位置に立ち、隣家のどの部屋と向き合うかを確かめてください。Hさんのように、隣家の窓の位置までは図面から分からないことがあるためです。居間や寝室と向き合うなら、設計段階でガラスの種類や窓の位置を変えるだけで済みます。型ガラスにするか窓を高い位置にずらすかを、建てる前に決めましょう。

参考:
隣に建築中の建物の窓から家の中を覗かれてしまいそうです。目隠しの設置について規制はないのですか(武蔵野市)
民法の相隣関係についての基礎知識(金沢市)



ライター:T.S(宅地建物取引士・2級ファイナンシャルプランニング技能士)
大学卒業後、大手不動産会社に入社。10年以上にわたり、都心のタワーマンションから郊外の築古戸建てまで、数多くの現場経験を積む。現在は不動産ライターとして「業界の不都合な真実」や、消費者が陥りやすいマネーの罠について、実体験に基づく記事を執筆している。


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