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妻「機械式で大丈夫?」確認を受け流した30代夫→新車SUVを480万円で購入後、直面した“痛い出費”【一級建築士は見た】

  • 2026.10.2
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

「夫が契約した新車のSUVは、高さが1,700mm近くあったんです。マンションの機械式駐車場は1,550mmまでで、入りませんでした」

そう話すのは、3年前に新築の分譲マンション6階(3LDK・76㎡、約6,900万円)を買ったKさん(30代女性・会社員、夫と子ども1人の3人暮らし)です。結婚5年目で、子どもは3歳になります。

Kさん一家は、敷地内の機械式駐車場の標準区画を、月1万5,000円で借りています。購入時の説明会では「標準区画に入るのは、全高1,550mm・全幅1,850mmまでの車です。背の高い車向けのハイルーフ区画は数が少なく、抽選になります」と案内を受けていました。

マンションを検討していたころ、夫はコンパクトカーを買いました。そのときディーラーの営業担当者からは、「機械式のマンションだと、次にSUVに乗り換えるのは難しいですよ。乗り換えるつもりなら、平置きの駐車場がある物件を」と説明を受けていました。それでもKさんは、駅からの近さと学区を優先して、このマンションを選びました。SUVに乗りたがっていた夫に「機械式で大丈夫?」と聞くと、夫は「そのとき考える」と答えたのです。

機械式駐車場は、入る車の大きさが決まっている

機械式駐車場の標準区画は、全高1,550mm・全幅1,850mm前後の車を前提に作られています。セダンやコンパクトカーは収まりますが、SUVやミニバンは全高1,600〜1,900mmの車が多く、標準区画には入りません。ハイルーフ区画(高さの上限は、物件によって1,800〜2,000mm前後)は台数が限られ、空きが出るまで、抽選や順番待ちをすることになります。

制限を超える車を入れると、天井や部品に当たって設備を壊す恐れがあります。大きな車に合わせて設備を改造するには大がかりな工事が必要で、個人の希望では変えられません。

さらに、車を買うときには、多くの地域で車庫証明が必要です。置く場所は自宅から2km以内で、車全体が収まることが条件です。車が区画の大きさの制限を超えていれば、その区画では車庫証明が取れません。

車庫証明の書類で分かったこと

子どもの成長に合わせて、夫はコンパクトカーを下取りに出し、国産SUVの新車(約480万円)を契約しました。全高が1,700mm近くある車です。

数日後、夫はディーラーに頼まれ、車庫証明の申請に使う、保管場所使用承諾証明書(駐車場の使用承諾書)をもらいに管理員室へ行きました。すると「標準区画は1,550mmまでなので、この車は入れられません」と言われたのです。ハイルーフ区画は、すでに8世帯が空きを待っている状態でした。

Kさんが「機械式で大丈夫かって聞いたのに…」と言うと、夫は答えられませんでした。注文した車はすでに生産の手配が進んでいて、解約すると費用がかかると言われたため、二人は車をそのまま受け取ることにしました。

夫は歩いて7分の月極駐車場(月3万円)を借り、そこを置き場所として車庫証明を取りました。敷地内の区画は解約したので、駐車場代は月極だけで年36万円になります。

ハイルーフ区画の空き待ちにも登録し、順番が来るまでは月極駐車場に停める予定です。

マンション選びは、駐車場の制限まで見る

機械式駐車場は、限られた敷地に多くの車を収め、都市部のマンションに駐車場を確保する仕組みです。ハイルーフ区画が取れれば、SUVでも問題なく所有できます。

一方で、標準区画の1,550mmという高さの制限は、乗れる車の選択肢を大きく狭めます。だからこそ、マンションを買う前にも、車を買い替える前にも、乗りたい車の全高と区画の制限を照らし合わせておくことが欠かせません。

・機械式の標準区画は、全高1,550mm・全幅1,850mm前後が目安。SUVやミニバンの多くは入らない
・ハイルーフ区画は台数が少なく、抽選や順番待ちになる。購入前に空き状況を確かめる
・区画の制限を超える車は、その区画では車庫証明が取れない。自宅から2km以内の月極を借りることになり、都市部では月3万円前後かかることもある
・設備の改造には管理組合の決議と費用が必要で、個人では変えられない

車を選ぶ前に、駐車場使用細則の「全高」の数字を一度確認してみてください。

参考:
よくあるご質問(立体駐車場工業会)
機械式立体駐車場の安全対策は大丈夫ですか?(東京都 東京くらしWEB)
自動車の保管場所証明申請(警察庁)


ライター:yukiasobi(一級建築士・建築基準適合判定資格者)
行政で住宅政策・都市計画・建築確認審査など10年以上の実務経験を持つ。現在は住宅・不動産分野に特化したライターとして活動し、空間設計や住宅性能、都市開発に関する知見をもとに、高い専門性と信頼性を兼ね備えた記事を多数執筆している


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