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妻「月極より隣を買ったほうが便利だよ!」自宅隣の土地を購入した40代男性、まもなく直面した“誤算”

  • 2026.10.2
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

皆さま、こんにちは。現役の不動産会社社長として、日々さまざまな土地や建物のご相談に向き合っている岩井です。

家族が増えたり、子どもが成長したりすると、もう1台、車が必要になる家庭もあるのではないでしょうか。

しかし、自宅の駐車スペースを簡単に増やせるとは限りません。そんなとき、自宅のすぐ隣に土地が売り出されたら、「駐車場として買えば便利そう」と考える方もいるでしょう。

今日は、子どもの成長をきっかけに2台目の車が必要になり、自宅隣の空き地の一部を駐車場として購入した40代男性のエピソードをご紹介します。

子どもの成長で2台目の車が必要に

Aさんは40代の会社員。妻と子どもと一緒に、数年前に購入した戸建てで暮らしていました。

自宅には1台分の駐車スペースがあり、これまでは夫婦で1台の車を使っていました。しかし、子どもの成長とともに家族それぞれの予定が増え、夫婦が別々に車を使いたい場面も増えてきたそうです。

そこで妻と相談し、2台目の車を購入することにしました。ただ、自宅の駐車スペースに2台停めることはできません。

「近くで月極駐車場を借りるしかないかな」

そう考えていた矢先、自宅の隣にある空き地が売りに出されました。

Aさんが不動産会社へ問い合わせたところ、その一部を購入できることがわかります。自宅のすぐ隣なら、離れた月極駐車場まで車を取りに行く必要もありません。

「月極駐車場代を毎月払い続けるより、隣を買ったほうが便利だよ!買っちゃおう!」

妻とも話し合った結果、Aさんは駐車場として利用するために土地を購入しました。

無事に引き渡しを終え、2台目の車も購入。自宅のすぐ隣に駐車スペースを確保できたことで、Aさんは「これなら便利になる」と喜んでいたそうです。

「ここはずっと私が管理してきた土地なんです」

ところが、車を停め始めて間もない頃のことです。Aさんが駐車場に車を停め、降りようとしていると、近所に住む高齢女性・Bさんから声をかけられました。

「ここ、買われたんですか?」

突然のことに少し驚きながらも、Aさんは、

「はい。駐車場として使うために購入しました」

と答えました。すると、Bさんから思いがけない言葉が返ってきます。

「ここはずっと私が管理してきた土地なんです」

最初は何のことかわからなかったAさん。詳しく話を聞いてみると、Bさんは以前の所有者と長年付き合いがあり、土地が空き地だった頃から草取りやゴミ拾いを続けていたそうです。

Bさん自身の土地ではありませんでしたが、雑草が伸びれば草を取り、ゴミが落ちていれば拾うなど、長年にわたって周辺の景観や環境を気にかけてきたのでしょう。

そんな事情をまったく知らなかったAさんは戸惑いながらも、

「そうだったんですね。今まで管理していただいてありがとうございます。これからはこちらで管理します」

と伝えました。Bさんも長年気にかけてきた土地だけに、所有者が変わったからといって、すぐに気持ちを切り替えるのは難しかったのかもしれません。

一方のAさんは、「これまで管理してくれていた人がいたんだな」くらいに受け止め、その日は話を終えました。これからは自分たちで管理していけばいい。このときは、そう考えていたそうです。

しかし、その後もBさんから声をかけられることが続きました。

「もう少し奥に停めて」続く指摘にストレスが…

それからというもの、Aさんが駐車場を使っていると、Bさんからたびたび声をかけられるようになりました。ある日、いつものように車を停めていると、

「もう少し奥に停めたほうがいいですよ」

と声をかけられます。別の日には、駐車場の端に物を置いているのを見て、

「そこには物を置かないほうがいいんじゃない?」

さらに、少し草が伸びてくると、

「草が伸びていますよ。前はこんな状態にはしていなかったんですけどね」

と指摘されたこともあったそうです。Bさんにとっては、長年手入れを続けてきた土地です。所有者が変わったとわかっていても、以前の状態と違えば、つい気になってしまったのかもしれません。

一方、Aさんにも思うところがありました。自分たちで代金を支払い、正式に購入した土地です。最初のうちは、「長い間、管理してくれていたんだから」と受け流していました。

しかし、車の停め方から物を置く場所、草の状態まで指摘が続くと、次第に「また何か言われるのでは」と気にするようになります。

妻からも、「また言われたの?自分たちの土地なのに、毎回気にしながら使うのは嫌だよ…」と言われました。

せっかく「自宅の隣なら便利だから」と購入した駐車場。それなのに、AさんはBさんの姿が見えると車の位置を確認したり、少し草が伸びただけで気になったりするようになったそうです。

便利になるはずだった2台目の駐車場が、いつの間にか夫婦にとって小さなストレスの種になっていました。

「これからはこちらで管理します」改めて伝えた結果

このままでは、お互いに不満がたまってしまうと考えたAさんは、まず土地を仲介した不動産会社に連絡し、購入前の管理状況やBさんとの関わりについて改めて確認しました。そのうえで、Bさんと顔を合わせた際に、自分の気持ちを伝えることにします。

「今まで長い間、きれいに管理していただいたことはありがたいと思っています。ただ、これからの管理や使い方はこちらで行いますので、任せてもらえませんか」

長年にわたって草取りやゴミ拾いをしてくれたことには感謝を伝えつつ、所有者が変わった以上、今後は自分たちで管理していくことをはっきり伝えたのです。

Bさんも長年気にかけてきた土地だけに、すぐに気持ちを切り替えるのは難しかったようです。それでも、Aさんの考えを改めて伝えたことで、車の停め方や土地の使い方について声をかけられることは徐々に減っていきました。

幸い、大きな近隣トラブルに発展することはなく、Aさんも以前のように周囲を気にしながら車を停めることはなくなったそうです。

ただ、自宅のすぐ隣だからこそ、一度関係がこじれてしまえば、その後の暮らしにも影響する可能性があります。自宅の隣に便利な駐車場を手に入れた一方、購入前には想像していなかった近隣との関係に悩むことになったAさん。

Aさんにとって、土地購入後の思わぬ誤算となりました。

土地だけでなく「これまでの使われ方」にも目を向ける

土地を購入するときは、面積や価格、境界、希望する用途に利用できるかだけでなく、これまでの管理状況にも目を向けることが大切です。特に長期間空き地だった土地では、近隣住民が善意で草取りやゴミ拾いをしているなど、書類だけではわからない事情があるかもしれません。

購入前に不動産会社へ、「これまでの管理状況で気になる点はなかったか」などを売主に確認してもらうよう依頼しておくと、購入後の行き違いを減らしやすくなります。

また、不動産売買契約時には、売主から物件の現在の状況や買主に伝えておくべき事項について説明を受けます。物件状況報告書には、近隣との申し合わせ事項や取り決めなどを記載する欄があるため、売主から申告されている内容について、契約前にしっかりと目を通しておくことが大切です。

特に自宅に隣接する土地は、購入後も近隣との付き合いが続きます。土地そのものの条件だけでなく、これまでの使われ方や周囲との関わりも確認したうえで、購入を判断しましょう。



筆者:合同会社ゆう不動産 代表 岩井佑樹

不動産売買の専門家として仲介・査定・買取に携わりながら、不動産Webライターとして1,000記事以上を執筆。「売る力×伝える力」を軸に、情報発信と販売の両面から不動産の価値を高めている。派手さよりも誠実さを大切にし、地域に寄り添う姿勢で「早く・高く・安心」の取引を支える不動産の専門家。


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