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新築タワマン28階を購入も「聞いてない…」結婚6年目、30代妻が総会の資料を見て青ざめたワケ【一級建築士は見た】

  • 2026.9.29
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※ChatGPTにて作成(イメージ)

そう話すのは、5年前に新築のタワーマンション28階(2LDK・66㎡、約7,200万円)を買ったGさん(30代女性・会社員、夫と子ども1人の3人暮らし)です。結婚6年目で、家計はGさんが管理しています。

マンションを買うと、毎月の住宅ローンとは別に「管理費」と「修繕積立金」を払います。管理費は日常の清掃や管理員の人件費などに使うお金で、修繕積立金は、将来の大がかりな修繕に備えて住民全員で積み立てておくお金です。Gさん宅の購入時の負担は、管理費が月1万8,000円、修繕積立金が月6,000円でした。夫はGさんに「合わせて月2万4,000円で済む」と説明していました。

モデルルーム見学には夫だけで行き、不動産業をしている夫の友人が同行しました。その友人からは「国が示している修繕積立金の目安は、この広さのタワーマンションなら月2万円ほど。6,000円はその3分の1しかない。数年のうちに必ず上がる。この額で家計を組むのはおすすめしない」と、はっきり止められていました。

それでも夫は「上がるとしても少しだろう」と捉えました。夫は、契約前の重要事項説明で「修繕積立金は段階的に増額する計画になっている」と聞いていたことも、妻であるGさんに伝えていませんでした。

最初の積立金は、入口の額

修繕積立金は、外壁や屋上の防水、エレベーター、給水や排水の配管などを、十数年ごとに大がかりに直す工事に備えて積み立てるお金です。

国土交通省はガイドラインで、積立金の目安を示しています。20階以上のタワーマンションでは、専有面積(自分の部屋の床面積)1㎡あたり月300円台が目安です。66㎡の部屋なら、月2万円前後になります。

ところが、新築で売り出すときの積立金は、買いやすいように低い額から始めて、数年ごとに引き上げていく「段階増額」という方式が長く一般的でした。国のガイドラインでは現在、最初の額を、最初から一定額を積み立てる場合の6割以上にするよう求めています。ただし、5年前に売り出された物件は、その前の考え方で決められています。

しかもタワーマンションは、高すぎて外壁に足場を組めず、エレベーターも特注品です。そのため修繕の費用は、一般的なマンションより高くつきます。

総会の議案書に、3倍の数字

入居して5年目の春、マンションの総会の議案書が届きました。Gさんが開くと、長期修繕計画の見直しにともない、来年から修繕積立金を月1万8,000円にする案が載っていました。

3倍になっても、まだ目安(月2万円前後)には届きません。議案書には、5年後にはさらに引き上げる見通しも書かれていました。

Gさんは夫に「聞いてない」と言いました。夫は、重要事項説明のときに受け取った書類を出してきて、謝りました。

積立金の増額は、総会で住民の賛成を得て決めます。もし否決されれば、積立金が足りないまま修繕が遅れることになります。Gさん夫婦は、賛成に票を入れました。

管理費と合わせた毎月の維持費は、2万4,000円から3万6,000円になりました。Gさんは、家計を組み直しました。

夫は管理組合から長期修繕計画を取り寄せ、次に積立金が上がる時期と額を表にして、Gさんと共有しています。

積立金は、目安との差で見る

タワーマンションの修繕積立金が上がるのは、建物を守るために必要なことです。計画どおりに積み立てられている建物は、将来売るときにも評価されます。

一方で、最初の額が低いほど、あとで引き上げる幅は大きくなります。だからこそ、買う前に、今の積立金と目安との差を確かめておくことが欠かせません。

・修繕積立金の目安は国土交通省のガイドラインに示されていて、20階以上のタワーマンションは1㎡あたり月300円台。専有面積を掛けると、自分の部屋の月額の目安が分かる
・新築時の積立金は、段階的に上げていく前提の「入口の額」であることが多い。長期修繕計画を見て、将来いくらになるかを確かめる
・増額には総会での決議が要る。否決が続けば修繕が遅れ、建物の価値にも響く
・毎月の維持費は「管理費+将来の積立金」で家計を組む

モデルルーム見学の帰りに、修繕積立金の月額を専有面積で割ってみてください。1㎡あたりの額が目安より大幅に低ければ、あとで上がる額もそれだけ大きくなります。

参考:
マンションの修繕積立金に関するガイドライン(令和6年6月改定)(国土交通省)
修繕積立金とは(横浜市)


ライター:yukiasobi(一級建築士・建築基準適合判定資格者)
行政で住宅政策・都市計画・建築確認審査など10年以上の実務経験を持つ。現在は住宅・不動産分野に特化したライターとして活動し、空間設計や住宅性能、都市開発に関する知見をもとに、高い専門性と信頼性を兼ね備えた記事を多数執筆している。


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