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上司「10月から転勤して」突然の内示に焦った40代会社員「あと1ヶ月もない…」待ち受けていた“想定外の事態”

  • 2026.9.29
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

皆さま、こんにちは。現役の不動産会社社長として、日々さまざまな土地や建物のご相談に向き合っている岩井です。

転勤が決まると、新居探しや引っ越しの手配、現在住んでいる賃貸住宅の解約など、短期間で多くのことを進めなければなりません。そんなとき、「できるだけ家賃が重ならないようにしたい」と考える方も多いのではないでしょうか。たしかに、住んでいない部屋の家賃を払うのはもったいなく感じるものです。

しかし、家賃の重複を避けることを優先しすぎると、かえって別の費用が発生してしまうことがあります。

今日は、転勤をきっかけに現在の住まいの解約を急いだ結果、思わぬ出費が発生してしまった40代男性のエピソードをご紹介します。

「10月から転勤してもらうことになった」突然の内示

会社員のAさんは40代。妻と二人で賃貸住宅に暮らしていました。9月上旬、勤務先で上司から突然呼ばれました。

「急な話で申し訳ないんだけど、10月から転勤してもらうことになった」

転勤先は、現在住んでいる地域から簡単に通勤できる距離ではありません。単身赴任も考えましたが、妻と話し合った結果、二人で引っ越すことにしました。

「あと1ヶ月もないじゃん。家も探さないといけないし、引っ越し業者も決めないと…」

妻も突然の転勤に戸惑っていたといいます。Aさん夫婦はすぐに新居探しを始めましたが、Aさんにはもう一つ気になっていることがありました。

それが、現在の住まいの家賃です。

「どうせ引っ越すなら、今の家の家賃を余計に払うのはもったいないよな」

そこでAさんは、新居が正式に決まる前に、現在の賃貸住宅の解約手続きを進めようと考えました。

やめたほうがいいと言われたのに…家賃を惜しんで、新居が決まる前に解約

Aさんが現在の部屋の管理会社へ連絡すると、担当者からこんな話をされたそうです。

「転勤でお急ぎなのはわかりますが、新居の入居日が決まる前に解約するのはやめたほうがいいですよ。予定どおり新居に入れなければ、住む場所がなくなる可能性もあります」

しかし、Aさんが気にしていたのは、現在の住まいと新居の家賃が重なることでした。

「でも、1ヶ月余計に家賃を払うのはもったいないですよね。今月中には出るつもりなので、解約でお願いします」

担当者から注意点を説明されたものの、Aさんは予定どおり解約することを選びました。

ところが、ここから予定が狂い始めます。転勤先で物件を探してみると、家賃や間取り、駅までの距離など、夫婦の希望に合う物件がなかなか見つかりません。

時間だけが過ぎていくなか、ようやく二人が納得できる物件を見つけました。しかし、不動産会社から告げられたのは、思いがけない言葉でした。

「こちらのお部屋ですが、入居できるのは10月中旬からになります」

現在の部屋を退去する予定日から、新居へ入居できる日まで約2週間。家賃の重複を避けるために退去を急いだ結果、Aさん夫婦には「住む家がない期間」ができてしまったのです。

祈るような気持ちで「退去日、延ばせませんか?」

新居に入居できるまで約2週間の空白ができるとわかり、焦ったAさんは現在の部屋の管理会社へ連絡しました。

「すみません。次の家に入れるのが遅くなってしまって…。退去日を2週間くらい延ばせませんか?」

祈るような気持ちでお願いしたAさんでしたが、返ってきたのは厳しい回答でした。

「すでに次の入居者が決まっているため、申し訳ありませんが、予定どおり退去をお願いします」

解約を申し出たからといって、必ずしも次の入居者がすぐに決まるわけではありません。しかし、今回はすでに次の入居者が決まっていたため、Aさん夫婦の希望だけで退去日を延ばすことはできませんでした。

結局、Aさん夫婦は予定どおり現在の部屋を退去することに。

しかし、新居にはまだ入居できません。そのため、新居へ入るまでの約2週間は、ホテルなどを利用して生活することになりました。さらに困ったのが、家具や家電、段ボールなどの荷物です。

ホテルへすべての荷物を持ち込むわけにはいかないため、Aさんは何とかコンテナボックスを借り、家具や家電などを一時的に預けることにしました。

家賃の重複を避けるために早めに解約したはずが、Aさん夫婦は「住む場所」と「荷物を置く場所」の両方を確保しなければならなくなったのです。

家賃を節約するつもりが、約20万円の出費に

Aさん夫婦の場合、ホテルなどの宿泊費だけで約10万円かかりました。さらに、荷物の一時保管や追加の運搬などで約10万円。合計すると、予定外の出費は約20万円になったそうです。

もちろん、実際にかかる金額は宿泊先や荷物の量、保管期間、引っ越し業者などによって大きく異なります。それでもAさんにとっては、家賃の重複を避けようとした結果、それを上回る出費が発生してしまったことになります。

さらに、通常であれば「旧居から新居へ」と一度で済んだはずの移動が、「旧居から一時保管先」「一時保管先から新居」という形になり、荷物の出し入れにも手間がかかりました。

Aさんは、転勤が決まって焦っていたとはいえ、家賃だけを見て退去を急いだことを後悔したそうです。

転勤時は「家賃を重ねないこと」だけを優先しない

転勤に伴う引っ越しでは、限られた時間のなかで新居探しと現在の住まいの解約を進めなければならないことがあります。その際に確認しておきたいのが、「新居の入居可能日」「現在の住まいの解約予告期間」「実際の引っ越し日」です。

特に注意したいのは、新居が決まっていない段階で現在の住まいの退去日を確定させてしまうこと。賃貸住宅の解約を申し出たあとに「やっぱり住み続けたい」と思っても、必ず撤回や退去日の変更ができるとは限りません。すでに次の入居者が決まっている場合などは、予定どおり退去しなければならない可能性があります。

家賃が数日から数週間重なると、「もったいない」と感じるかもしれません。

しかし、旧居と新居の間に空白期間ができれば、宿泊費だけでなく、家具や家電などの保管費用、追加の運搬費用が発生することもあります。さらに、慌ただしい引っ越しは家族の負担にもなります。

転勤で時間に余裕がないときほど、まずは新居へいつから入れるのかを確認し、現在の住まいの解約条件と照らし合わせてから退去日を決めることが大切です。



筆者:合同会社ゆう不動産 代表 岩井佑樹

不動産売買の専門家として仲介・査定・買取に携わりながら、不動産Webライターとして1,000記事以上を執筆。「売る力×伝える力」を軸に、情報発信と販売の両面から不動産の価値を高めている。派手さよりも誠実さを大切にし、地域に寄り添う姿勢で「早く・高く・安心」の取引を支える不動産の専門家。


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