1. トップ
  2. 住まい
  3. 「牢屋みたいで嫌」“ハウスメーカーの忠告”を無視した30代夫婦→9連休の留守中に残された“恐ろしい痕跡”【一級建築士は見た】

「牢屋みたいで嫌」“ハウスメーカーの忠告”を無視した30代夫婦→9連休の留守中に残された“恐ろしい痕跡”【一級建築士は見た】

  • 2026.9.30
undefined
出典元:PIXTA(画像はイメージです)

「旅行から帰ったら、勝手口の小窓の枠に傷がついていて。ガラスは割れていなかったけど、誰かが来ていたようなんです」

そう話すのは、5年前に郊外の住宅地に大手ハウスメーカーで注文住宅(4LDK・延床約117㎡/土地約162㎡、約5,700万円)を建てたAさん(30代夫婦・子ども1人の3人暮らし)です。結婚8年目、家の設計は二人で決めてきました。

シルバーウィークの9連休に家族旅行で家を空け、戻って裏へ回ると、勝手口の脇の小窓の枠に工具でこじったような傷とへこみがありました。ガラスは無事で、家の中も荒らされていませんでした。

設計のときに、担当者が作成した見積もりには勝手口と浴室の小窓の面格子が入っていましたが、二人はそれを外す案を出しました。担当者からは「そこは道路から見えない死角です。面格子や防犯ガラスがない状態はおすすめしません」と、外さないようはっきり止められていました。

それでも「面格子は牢屋みたいで嫌」という妻と、「予算を絞りたい」という夫の意見が一致し、担当者の反対を押し切って外してしまったのです。

侵入者は、5分で諦める

一戸建ての侵入口で最も多いのは窓で、手口は鍵のかけ忘れが約半数、ガラスを割って鍵を開けるガラス破りが約3割を占めます。一方で、侵入に5分以上かかると約7割が諦めるとされています。有効な防犯対策は、侵入に「時間をかけさせる」ことです。

面格子や補助錠、防犯フィルムや防犯ガラスを組み合わせ、窓からの侵入に対して「5分の壁」を作ることが重要です。5分以上の抵抗を確かめた部品にはCPマークが付いています。

留守の家は、外から分かる

Aさんの家は、長期の留守を外から悟られやすい状態でした。ポストには郵便とチラシがあふれ、夜は真っ暗、車もなく、旅行の様子は出発した日からSNSに投稿していました。そのうえで、死角となる勝手口の小窓には標準のクレセント錠が付いているだけでした。侵入しやすい条件がそろっていました。

帰宅したAさんは傷に触らず、まず110番に電話しました。未遂でも警察は現場を確認し、記録を残してくれます。ただ、侵入を途中でやめた理由は分かりませんでした。

警察の助言を受けた夜、夫からの「すぐに格子を付けよう」という提案に、妻の「牢屋みたいな格子は避けたい」という思いもすり合わせながら、二人で穏やかに解決策を探りました。結果的に、細い黒の縦格子なら気にならないと妻が選び、補助錠は夫が手配し、防犯フィルム(CPマーク)は専門業者に施工を依頼して、勝手口と浴室の小窓を固めました。

費用は合わせて約8万円。設計のときに断った金額とほぼ同じで、あのとき付けておけばと二人で悔やみました。

面格子と、留守だと悟られない工夫

連休の旅行は、家族の楽しみです。一方で、留守が外から分かる家は狙われやすいからこそ、窓を固めることと、留守に見せない工夫の両方が欠かせません。

・道路から見えない小窓は、面格子・補助錠・防犯フィルム(CPマーク)で「5分」を稼ぐ
・長期間留守にする際は、郵便局に不在届を出して配達を止める。照明はタイマーを活用し、夜間も明かりがつくようにする
・旅行のSNS等への投稿は帰宅後に。位置情報や日程を出発前に公開しない
・こじった跡を見つけたら、触らずに110番。未遂でも相談する

出発前の戸締まりの際には、裏の小窓を外から眺めてみてください。

参考:
住まいる防犯110番(警察庁)
空き巣や強盗から命と財産を守る「住まいの防犯対策」(政府広報オンライン)


ライター:yukiasobi(一級建築士・建築基準適合判定資格者)
行政で住宅政策・都市計画・建築確認審査など10年以上の実務経験を持つ。現在は住宅・不動産分野に特化したライターとして活動し、空間設計や住宅性能、都市開発に関する知見をもとに、高い専門性と信頼性を兼ね備えた記事を多数執筆している。


【エピソード募集】日常のちょっとした体験、TRILLでシェアしませんか?【2分で完了・匿名】

の記事をもっとみる

注目コンテンツ