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「家賃25万円がもったいない」と1億円タワマンを購入した40代夫婦→数年後の転勤で“家2つ分のお金が出ていく”事態になったワケ

  • 2026.10.1
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※ChatGPTにて作成(イメージ)

皆さま、こんにちは。現役の不動産会社社長として、日々さまざまな土地や建物のご相談に向き合っている岩井です。

毎月20万円、25万円と高い家賃を支払い続けていると、「これだけ払うなら、家を買ったほうが得なのでは?」と考える方もいるのではないでしょうか。

特にマンション価格が上昇している時期には、「購入しても、住まなくなったら売ればいい」「売却が難しければ貸せばいい」と考え、購入に踏み切るケースもあります。

しかし、マンションは売りたいときに希望する価格で売れるとは限らず、賃貸に出せばすぐに借り手が見つかるとも限りません。

今日は、毎月約25万円の家賃を“もったいない”と感じ、1億円近いタワーマンションを購入した40代夫婦が、数年後の転勤をきっかけに直面した思わぬ誤算をご紹介します。

家賃25万円を払い続けるくらいなら買ったほうがいい

これは3年ほど前の話です。東京に住む40代Aさんは妻と二人暮らし。夫婦ともに安定した収入があり、都心の賃貸マンションで暮らしていました。立地や設備には満足していたものの、Aさんが気になっていたのが毎月約25万円の家賃です。

年間にすると約300万円。今後も同じ家賃を払い続けることを考えると、「賃貸のままでいいのだろうか」と思うようになったといいます。

「毎月25万円も払って何も残らないなら、買ったほうがいいんじゃない?」

夫婦でそんな話をするようになり、Aさんはタワーマンションを中心に物件を探し始めました。そのなかで気に入ったのが、都心にある1億円近いタワーマンションです。決して安い買い物ではありませんでしたが、立地や設備なども夫婦の希望に合っていました。

ただ、購入を検討していた当時、不動産会社の担当者からは将来の売却について、次のように説明されたそうです。

「同じマンションでも、部屋によって売却価格はかなり変わります。購入価格以上で売れるとは限らないので、『いざとなれば売ればいい』という前提で予算を組むのはおすすめしません」

それでも当時、Aさんは周辺のマンション価格が上昇しているという話を耳にすることが多く、インターネットでも中古マンションが高値で売り出されているのを目にしていました。

「タワマンなら、いざとなれば売ればいいよ」

夫婦で話し合った末、Aさんは購入を決断しました。

入居後は新居での生活にも満足していたそうです。さらに、同じマンションや周辺の中古マンションが高値で売り出されているのを見るたびに「よしよし!うちも買ったときより高く売れるかもしれない!」と、将来の売却に対する期待も次第に膨らんでいきました。

数年後の転勤。「むしろ高く売るチャンス」と思ったが…

ところが数年後、Aさんに遠方への転勤辞令が出ます。

単身赴任も考えましたが、妻と話し合った結果、夫婦で一緒に転居することにしました。そこで問題となったのが、購入したタワーマンションをどうするかです。

しかし、Aさんはそれほど心配していませんでした。

「マンション価格も上がっているし、むしろ売るにはちょうどいいタイミングかもしれない」

そう考えたAさんは、不動産会社へ査定を依頼し、購入価格を上回る金額で売却したいと希望しました。

ところが、周辺の成約事例や部屋の階数、向き、広さなどを踏まえて提示された査定額は、Aさんが期待していた金額には届きませんでした。

「同じマンションで、もっと高い金額で売りに出ている部屋があるのに…」

Aさんが査定結果に納得できなかった理由の一つが、インターネットで目にしていたほかの住戸の売出価格です。

しかし、不動産会社の担当者からは次のように説明されたそうです。

「売出価格と、実際に取引が成立した成約価格は別です。希望する価格で売り出すことはできますが、この価格では売却が長期化する可能性があります」

それでもAさんは「少し待てば、この価格でも買ってくれる人が現れるだろう」と考え、希望に近い強気の価格で売却を始めました。

実際に内見を希望する人は何人か現れたものの、なかなか購入申込みにはつながりません。そうしているうちにも時間は過ぎ、転勤の日が少しずつ迫ってきました。

「売れないなら貸せばいい」しかし、ここでも誤算が…

売却が長期化するなか、Aさんは別の方法を考えます。

「もう売却はいい!安く売るくらいなら、いったん貸したほうがいいんじゃない?」

妻にもそう話し、賃貸への切り替えを検討し始めました。住宅ローンや管理費などを家賃収入で賄い、転居後の負担を減らそうと考えたのです。

ところが、希望する家賃ではなかなか借り手が見つかりません。

さらにAさんが知ったのが、住宅ローン返済中の自宅を賃貸に出す際の注意点です。

住宅ローンは原則として本人や家族が住むことを前提としているため、転勤などの事情があっても、金融機関への事前相談や承諾、所定の手続きが必要になる場合があります。契約条件に反して無断で賃貸に出すと、ローンの切り替えや残債の一括返済を求められる可能性もあります。

「売れなかったら貸せばいいと思ってたけど、そんなに簡単じゃないんだな…」

Aさんはここで初めて、「いざとなれば売る・貸す」という考えが、必ずしも思いどおりにはいかないことに気付いたのです。

「家賃25万円がもったいなかったのに」待っていた二重の住居費

結局、Aさんのタワーマンションは、転勤日までに売却も賃貸も決まりませんでした。

夫婦は先に新天地へ引っ越すことになりましたが、誰も住んでいなくても住宅ローンや管理費、修繕積立金などの支払いは続きます。さらに、転勤先では新たな家賃も発生しました。

「家賃25万円がもったいなくて買ったのに、今は家が2つあるみたいにお金が出ていく…」

Aさんにとって一番の誤算は、マンション価格の上昇を見て「自分の部屋も高く売れる」と考えてしまったことでした。同じタワーマンションでも、階数や向き、眺望、広さなどによって売却価格は異なります。また、インターネットに掲載されている売出価格と、実際の成約価格が同じとは限りません。

マンションを購入する際は、現在の支払いだけでなく、転勤や家族の事情などで住み続けられなくなった場合も想定しておくことが大切です。「売ればいい」「貸せばいい」と安易に考えず、周辺の成約価格や賃料相場なども確認したうえで、将来の選択肢まで考えて購入を判断しましょう。



筆者:合同会社ゆう不動産 代表 岩井佑樹

不動産売買の専門家として仲介・査定・買取に携わりながら、不動産Webライターとして1,000記事以上を執筆。「売る力×伝える力」を軸に、情報発信と販売の両面から不動産の価値を高めている。派手さよりも誠実さを大切にし、地域に寄り添う姿勢で「早く・高く・安心」の取引を支える不動産の専門家。


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