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妻「だから言ったじゃん」エアコン“2027年問題”に焦った40代夫→十数万円支払ったあとに気づいた“大誤算”

  • 2026.9.28
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出典:PIXTA(※画像はイメージです)

皆さま、こんにちは。現役の不動産会社社長として、日々さまざまな土地や建物のご相談に向き合っている岩井です。

突然ですが、「エアコンの2027年問題」をご存じでしょうか。2027年4月から家庭用エアコンの新しい省エネ基準が始まり、メーカーにはこれまでより高い省エネ性能が求められるようになります。

そのため、省エネ性能の向上に伴ってエアコンの価格が上がる可能性も指摘されており、「高くなる前に買い替えたほうがよいのでは」と考える方もいるかもしれません。

今日は、「2027年からエアコンが高くなるかもしれない」という情報をきっかけに、まだ問題なく使えていたエアコンを慌てて買い替えた40代男性のエピソードをご紹介します。

2027年からエアコンが高くなるという情報を知る

私の元同僚のAさんは40代の会社員。家族と一緒に、数年前に購入した戸建て住宅で暮らしています。2026年の夏、Aさんが気になったのが、エアコンに関するニュースでした。

「2027年4月からエアコンの省エネ基準が変わる」「基準が厳しくなることで、価格が上がる可能性がある」

こうした情報を目にしたAさんは、自宅のエアコンを購入してからある程度年数が経っていたこともあり、「高くなる前に買い替えたほうがよいのでは」と考えるようになったといいます。

「来年になって高くなるなら、今年買ったほうがいいんじゃない?」

妻にそう話すと「でも、今のエアコンは普通に動いてるよね?本当に今替える必要あるの?」と返されました。実際、そのエアコンは冷房もしっかり効いており、異音や水漏れといった目立った不具合もありませんでした。

それでもAさんは、「来年から高くなるかもしれない」という情報が気になって仕方ありません。

「どうせ何年かしたら買い替えるんだから、安いうちに買ったほうが得だよ」

そう考えたAさんは、夏のセール期間中に家電量販店へ足を運び、そのまま新しいエアコンを購入。エアコン本体と工事費などを合わせて、十数万円を支払いました。

買い替えたあとに知った制度の本当の内容

買い替えを終えたAさんは、「これで値上がりを気にしなくて済む」とひと安心していました。

ところが後日、何気なく「エアコン2027年問題」について詳しく調べたところ、自分が思っていた内容とは少し違うことに気付きます。

2027年度から始まる新しい省エネ基準は、トップランナー制度(現在販売されている製品のうち、最も省エネ性能が優れた製品を基準に、将来の目標基準を定める制度)に基づき、メーカーなどに対してより高い省エネ性能を求めるものです。

だからといって、現在家庭で使用しているエアコンを2027年4月までに買い替えなければならないわけではありません。また、新しい基準を満たしていない製品が、一律に製造・出荷できなくなる制度でもありません。

Aさんはそこで初めて、「2027年になる前に買い替えたほうが得」と焦る必要はなかったことに気付きました。

「え…じゃあ、すべてのエアコンが確実に値上がりするわけじゃないし、今年中に急いで替える必要はなかったってこと?」

妻からも、「だから、ちゃんと調べてからでいいって言ったじゃん…」と言われてしまったそうです。

もちろん、新しいエアコンに交換したこと自体が無駄だったとは限りません。以前より省エネ性能の高い機種であれば、今後の電気代を抑えられる可能性もあります。

ただ、Aさんが後悔したのは、現在のエアコンがあとどのくらい使えそうなのかを考えず、「値上がりするかもしれない」という不確実な情報だけで、まだ十分に使えるエアコンを手放して十数万円もの出費をしてしまったことでした。

値上がりへの焦りから十数万円の買い物を決断

Aさん宅で使っていたエアコンには、すぐに交換しなければならないほどの故障や不具合はありませんでした。それにもかかわらず、「2027年から高くなるかもしれない」という情報を見て、買い替え時期を十分に検討しないまま十数万円を支払ってしまったのです。

実際、2027年度から省エネ基準が引き上げられることで、省エネ性能の向上に伴い、エアコンの販売価格が上がる可能性はあります。

ただし、エアコンの販売価格は省エネ基準だけで決まるものではありません。資源エネルギー庁によると、需要と供給のバランス、製品の性能や付加機能、銅やアルミなどの素材価格、製造・輸送コスト、メーカーや販売店の販売戦略など、さまざまな要因によって決まります。

そのため、「2027年度から新しい基準になるから、すべてのエアコンが一律に値上がりする」と決まっているわけではありません。

また、省エネ性能が向上すれば、購入後の光熱費を抑えられる可能性もあります。そのため、エアコンを購入する際は本体価格だけでなく、省エネ性能による光熱費の削減効果なども含めて考えることが大切です。

Aさんの場合、「高くなる前に買わなければ損」という焦りが先行し、現在使っているエアコンの状態や、新しい機種へ買い替えた場合のメリットまで十分に比較しないまま購入したことが、大きな誤算だったようです。

「エアコンの2027年問題」を正しく理解しよう

2027年度から、家庭用エアコンの一部を対象に新しい省エネ基準が始まります。

ただし、現在使用しているエアコンを2027年4月までに買い替える必要はありません。また、新しい基準を満たしていない製品についても、2027年度以降、一律に製造・出荷が禁止されるわけではありません。

そのため、「2027年になる前に買わなければ」と急ぐのではなく、現在使っているエアコンの使用年数や故障・不具合の有無などを確認したうえで、買い替え時期を考えることが大切です。

一方で、新しい省エネ基準を満たすエアコンには、光熱費を抑えられるメリットも期待できます。

資源エネルギー庁の試算では、2027年度基準を満たす製品は、現行の2010年度基準と比べ、6畳用(2.2kW機)で年間約2,760円、14畳向け(4.0kW機)で年間約1万2,600円の光熱費削減効果が期待されています。ただし、これは一定の条件に基づく試算であり、実際の光熱費は家庭の環境や使用状況などによって異なります。

また、エアコンの販売価格は、省エネ性能だけでなく、需要と供給、素材価格、製造・輸送コスト、メーカーや販売店の販売戦略など、さまざまな要因によって決まります。そのため、「2027年になればすべてのエアコンが値上がりする」と決まっているわけでもありません。

住宅設備は高額なものも多く、「値上がりするかもしれない」「制度が変わる」と聞くと、早めに購入したほうが得だと考えてしまうこともあるでしょう。

しかし、制度の内容を十分に確認しないまま焦って買い替えると、Aさんのように「まだ使えたのに、急いで買い替える必要はなかったかもしれない」と後悔することもあります。

大きな買い物だからこそ、ニュースの見出しだけで判断せず、現在使っている製品の状態や買い替えによるメリットを確認し、自分の家庭にとって本当に今が買い替え時なのかを考えることが大切です。

参考:27年4月からエアコンの新たな省エネ基準がスタート!エアコンについて知っておくべきポイントは?(経済産業省 資源エネルギー庁)



筆者:合同会社ゆう不動産 代表 岩井佑樹

不動産売買の専門家として仲介・査定・買取に携わりながら、不動産Webライターとして1,000記事以上を執筆。「売る力×伝える力」を軸に、情報発信と販売の両面から不動産の価値を高めている。派手さよりも誠実さを大切にし、地域に寄り添う姿勢で「早く・高く・安心」の取引を支える不動産の専門家。


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