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新居の庭で“業者の忠告”を無視してツリーを植えた40代夫婦→数年後、隣人から“思わぬ苦情”に後悔したワケ

  • 2026.9.28
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

皆さま、こんにちは。現役の不動産会社社長として、日々さまざまな土地や建物のご相談に向き合っている岩井です。

新築の庭づくりでは、建物だけでなく植栽にもこだわりたいと考える方は多いのではないでしょうか。なかでも、家の顔ともいえる「シンボルツリー」は、外観の印象を大きく左右します。

しかし、新築時にはまだ小さな木でも年月が経てば背が高くなり、枝葉も大きく広がっていきます。そのため、植える場所によっては、自宅だけの問題では済まなくなることもあります。

今日は、新築時に外構業者から「そこに植えるのはやめたほうがいい」と止められながらも、希望する場所にシンボルツリーを植えた40代夫婦のエピソードをご紹介します。

外構業者から止められたシンボルツリーの場所

以前、私が住まいについて話を聞いた40代のAさん夫婦のエピソードです。

Aさん夫婦は10年ほど前、念願だった新築戸建てを購入しました。夫婦ともに庭づくりを楽しみにしており、新居にはシンボルツリーとして落葉樹を1本植えることにしたそうです。なかでも妻が気に入っていたのが、リビングから木を眺められる場所でした。

「ここならリビングから見たときもきれいだし、庭全体のバランスもいいよね」

夫もその意見に賛成し、夫婦のなかでは植える場所がほぼ決まっていました。しかし、その場所は隣地との境界に比較的近い位置でした。現地を確認した外構業者からは、はっきり止められたといいます。

「この場所に植えるのはやめたほうがいいですよ。今は小さくても、成長すると枝がかなり広がります。落ち葉も隣のお宅へ飛びやすいので、別の場所をおすすめします」

それでも、夫婦にとっては新築時から思い描いていた庭のイメージがあり、簡単には諦められませんでした。

「枝が伸びてきたら、その都度切れば大丈夫じゃない?」

夫婦で話し合った結果、こまめに手入れをすれば問題ないだろうと考え、希望を優先することにしました。

「手入れはきちんとするので、この場所でお願いします」

こうしてAさん夫婦は外構業者の忠告を押し切り、当初希望していた場所にシンボルツリーを植えてもらったそうです。

数年後、隣人から「雨どいまで入ってくるんです」

シンボルツリーを植えてからしばらくは、特に問題なく過ごしていたAさん夫婦。植えたばかりの木はまだ小さく、枝葉もそれほど広がっていなかったため、隣家へ影響することもほとんどありませんでした。

「やっぱりここにしてよかったね」

リビングから見える木を眺めながら、夫婦でそう話すこともあったといいます。

ところが、木は毎年少しずつ成長していきました。数年が経つ頃には、新築当初とは比べものにならないほど枝葉が広がり、秋になると大量の葉が落ちるようになったそうです。

Aさんも自宅の庭に落ちた葉を掃除していましたが、風に飛ばされた落ち葉までは、それほど気にしていませんでした。そんなある日、隣人から声をかけられます。

「すみません。あの木のことなんですが…」

話を聞くと、隣人は困った様子でこう続けたそうです。

「庭に落ちるくらいなら掃除できます。でも、雨どいにも落ち葉がたまって困っているんです」

まさか隣家の雨どいにまで落ち葉が入り込んでいるとは思っておらず、Aさんは驚きました。改めて周囲を確認してみると、自宅の庭だけでなく、隣家の敷地や屋根まわりにも落ち葉が入り込んでいたのです。

「自分の家に落ちた葉を掃除していれば大丈夫だと思ってた…」

Aさんはこのとき、外構業者があれほど強く別の場所を勧めていた理由を、身をもって実感したそうです。

「最初から言うことを聞いておけば…」毎年続く剪定

隣人から指摘を受けたAさん夫婦は、すぐに外構業者へ相談しました。

まずは隣家側へ広がっていた枝を中心に、大きく剪定(せんてい。樹木の枝を切って形や成長を整える作業)することに。枝葉はすっきりし、Aさん夫婦も隣人に事情を説明しました。

しかし、一度剪定すれば解決するわけではありません。

その後も木は成長し、枝が伸びれば再び隣地側へ広がります。そのため、Aさん夫婦は以前よりもこまめに木の状態を確認するようになりました。さらに、木が大きくなるにつれて、自分たちだけでは剪定が難しい部分も増えていったそうです。業者へ依頼すれば、そのたびに費用もかかります。

「植えたときは、伸びたら切ればいいくらいにしか考えてなかったんですよ。でも、大きくなると自分では簡単にできないし、毎年気にしないといけない。こんなに手間がかかるとは思いませんでした」

妻も当時を振り返り、

「見た目ばかり気にして場所を決めちゃったよね。最初から業者さんの言うことを聞いておけばよかった」

と後悔したそうです。

幸い、隣人との大きな争いには発展しませんでした。しかし、それ以降、秋が近づくたびに「また隣のお宅に落ち葉が入っていないだろうか」と気にするようになったといいます。

新築当初は夫婦のお気に入りだったシンボルツリー。それが数年後には、剪定の手間や費用だけでなく、隣家への気遣いまで必要な悩みの種になってしまったのです。

庭木は「成長したあと」を考える

庭木を選ぶ際は、植えた直後の見た目だけでなく、成長したあとの姿まで考えておくことが大切です。

特に確認しておきたいのが、成長後の樹高や枝の広がり方、落ち葉の量、隣地との距離です。植えた当初は十分なスペースがあるように見えても、数年、十数年と経つうちに枝葉が広がり、隣地へ影響を及ぼすことがあります。

また、落葉樹の場合、自宅の庭に落ちた葉を掃除するだけで済むとは限りません。風向きや周囲の建物との位置関係によっては、落ち葉が隣家の庭やベランダ、屋根、雨どいまで入り込む可能性もあります。

そのため、庭木の種類や植える場所を決める際は、現在の大きさだけで判断せず、成長後にどの程度のスペースが必要になるのかまで確認しておきましょう。

外構業者や造園業者から植える場所の変更を勧められた場合も、「希望していた場所と違うから」と聞き流すのではなく、なぜその場所を避けたほうがよいのか、具体的な理由を確認することが重要です。

シンボルツリーは、植えて終わりではなく、その後も剪定や落ち葉の掃除といった手入れが続きます。

庭づくりでは「大きく育ってからも無理なく管理できるか」「隣家へ影響しないか」という視点を持って植える場所を決めることが、将来の近隣トラブルを防ぐことにつながるでしょう。



筆者:合同会社ゆう不動産 代表 岩井佑樹

不動産売買の専門家として仲介・査定・買取に携わりながら、不動産Webライターとして1,000記事以上を執筆。「売る力×伝える力」を軸に、情報発信と販売の両面から不動産の価値を高めている。派手さよりも誠実さを大切にし、地域に寄り添う姿勢で「早く・高く・安心」の取引を支える不動産の専門家。


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