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プール掃除中に流れた『天国と地獄』→野球部と水泳部を本気にさせた先生の"あの一言"とは

  • 2026.8.7

筆者と同じ高校の野球部と水泳部の話。
プール掃除担当の彼らをやる気にさせた名曲はいったい──?

夏の恒例行事は、まるでお祭りのようだった

高校2年の夏休み前、毎年恒例のプール掃除の日がやってきた。
担当は水泳部と野球部。
プールの壁を磨く班、デッキブラシで床をこする班、プールサイドを掃除する班に分かれ、最初こそ真面目に作業していたものの、すぐにいつもの雰囲気に戻る。
水を掛け合って笑ったり、「おい!そっち遅いぞ!」と声を掛け合ったり、みんな汗だくになりながらも楽しそうだった。
そんな時、校舎から吹奏楽部の合奏が聞こえてきた。
『世界に一つだけの花』だ。
誰かが歌い始めると、気付けば野球部も水泳部も一緒になって大合唱。
デッキブラシをスタンドマイクや楽器に見立てて、大盛り上がりだった。
曲が終わると、今度は『さくら』『宝島』など数曲。
「次は何かな~?」
掃除をしながら、みんな自然と吹奏楽部の演奏を楽しみにするようになっていた。

突然始まった『真剣勝負』

そして、次に流れてきたのは『天国と地獄』だった。
誰もが知っている、運動会の定番曲である。
イントロが聞こえた瞬間、先生が大きな声で叫んだ。
「ただ今より、野球部と水泳部のプール掃除対決を始めます!」
そのひと言で空気が一変した。
「よっしゃー!負けるか!」
「もっと早くこすれ!」
さっきまで笑いながら掃除していた部員たちは、一斉に猛スピードでデッキブラシを動かし始める。
まるで本当に競技が始まったかのような勢いで、プールサイドには笑い声と先生の実況が響き渡った。
「水泳部リード! 野球部追い上げろ!」
演奏も掃除も終わると、プールは見違えるほどきれいになっていた。

数日後に知った先生の作戦

数日後、吹奏楽部の友人と話していた時のことだった。
「天国と地獄の演奏、あれ先生に頼まれたんやで」
思わず「えっ!?」と聞き返すと、体育の先生が演奏中に吹奏楽部を訪れ、「あとで天国と地獄をお願い」と頼んできたらしい。
あの日の競争は、先生の作戦だったのだ。
まんまと乗せられた形だったが、不思議と悔しさはなかった。
面倒に感じがちなプール掃除が、みんなで笑いながら終えた夏の思い出になったのは、先生のちょっとした遊び心のおかげだったのかもしれない。

【体験者:30代男性・会社員、回答時期2026年7月】

※本記事は、執筆ライターが取材又は体験した実話です。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

Qolyコラムニスト:maki
学生時代からスポーツ・部活動に打ち込んできた40代。現在はサッカースクールに通う子供の親として、スポーツと関わりを持つ。自身の経験談はもちろん、チームメイトや友人・知人から聞いたスポーツにまつわるリアルなエピソードを中心に取材し、スポーツの現場で起きた人間ドラマをコラムとして執筆している。

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