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「別れも視野に入れてる」と告げた途端に態度が一変?妥協で始める子作りの先にある、夫婦のリアルな落としどころ【作者に聞く】

  • 2026.7.27

結婚して5年。夫婦仲は決して悪くないものの、36歳という年齢を迎え「そろそろ子どもがほしい」と切実に願う妻のミカ。しかし、具体的な子作りの相談を始めると、夫は機嫌を悪くして「まだいいじゃん」とのらりくらりと話題をはぐらかし続ける。自然妊娠のタイムリミットを意識して焦るミカと、向き合おうとしない夫――。

漫画家のグラハム子(@gura_hamuco)さんが描く新刊コミック『うちの夫は子どもがほしくない』(竹書房)は、子どもを持つ・持たないをめぐる夫婦間の決定的な価値観のズレと、その先にある人間関係の深い葛藤をリアルに描いた話題作だ。

2026年7月現在も、多様化するライフスタイルや家族観、夫婦間のコミュニケーションのあり方に多くの注目が集まるなか、今回は子作りに悩む夫婦のリアルな心理と、取材を通して見えてきた「子どもがほしくない派」の本音について、作者のグラハム子さんへのインタビューを交えて紹介する。

「子を持つことが幸せの象徴ではない」 取材で解像度が上がった“子どもがほしくない派”の切実な本音

うちの夫は子どもがほしくない01 画像提供:(C)グラハム子/竹書房
うちの夫は子どもがほしくない01 画像提供:(C)グラハム子/竹書房
うちの夫は子どもがほしくない02 画像提供:(C)グラハム子/竹書房
うちの夫は子どもがほしくない02 画像提供:(C)グラハム子/竹書房
うちの夫は子どもがほしくない03 画像提供:(C)グラハム子/竹書房
うちの夫は子どもがほしくない03 画像提供:(C)グラハム子/竹書房

本作の制作にあたり、グラハム子さんは「子どもが欲しい女性」と「欲しくない男性」の計4名に丁寧な取材を行い、そのリアルな声を作品に落とし込んだ。自身は子どもが欲しいタイプだったため、当初は「欲しくない派」の心情にぼんやりとしたイメージしか持てていなかったが、取材を経てその解像度は飛躍的に上がったという。

なかでも特に印象的だったのが、「今はもう子を持つことが一人前、幸せの象徴ではないから」という言葉だった。

「社会から認められるツールとして子どもを持つ必要はないし、むしろそのために誕生させられるなんて子どもに失礼だという考え方です。子どもを大切な存在だと思っているからこその『欲しくない』なのだなと、深く共感しました」とグラハム子さんは語る。

作中では、夫婦の年齢を同い年に設定し、あえて経済力格差やEDといった要素を描かないことで、対等な夫婦が純粋な価値観の違いに向き合う姿を丁寧に描き出している。

単なる子作りの問題ではない。愛するがゆえに自分を抑圧してしまう「夫婦の葛藤」と決断

物語の中で、埋まらない価値観の違いに耐えかねたミカが「別れも視野に入れていかなきゃ……」と告げた瞬間、夫は「わかった。作ろう、子ども」とあっさり前言を撤回する。「別れるくらいなら子どもがいるほうがマシだ」という夫の言葉に、一見すると落としどころを見つけたように見えた二人だったが、そこにはさらなる葛藤が待ち受けていた。

読者からは「夫の対応に誠意を感じない」「タイムリミットがある中でリアルな覚悟がないのは厳しい」といった声が上がる一方で、夫側にも言葉にできない抱え込まれた理由が存在する。

グラハム子さんは、本作に込めた真のテーマについて次のように明かす。

「タイトルは子どもの有無をテーマにしているように見えますが、実は大きなテーマは『夫婦の問題』です。愛情があるからこそ相手を尊重したいと願い、でも尊重すると自分が苦しくなる。その苦しさをどう和らげるか試行錯誤しながら、主人公が自分で自分の生き方を見つけていく物語です。ぜひ自分はどちらに近いかな?と考えながら読んでいただけたらうれしいです」

取材協力:グラハム子(@gura_hamuco)

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