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先輩の「適当にやって」でYouTube視聴し大目玉…アスペルガーの女性が直面した“予想外のすれ違い”【作者に聞く】

  • 2026.7.25
【漫画】本編を読む 画像提供:(C)春野あめ/竹書房
【漫画】本編を読む 画像提供:(C)春野あめ/竹書房

自身の発達障害に関する特性や体験談を発信している春野あめ(@AmeHaruno)さん。実習中「はかりの上に物を置かないでね」と注意されただけなのに、「攻撃的な言葉を言われた」「責められた」と感じて泣いてしまった体験を描き、反響を呼んでいる。今回は春野さんの著書『発達障害が理解されにくいワケを自分で考えてみた』より、「case.04 ちょっとした言葉を攻撃と感じる」を紹介するとともに、本人に話を聞いた。

発達障害が理解されにくいワケを自分で考えてみた はじめに(2) 画像提供:(C)春野あめ/竹書房
発達障害が理解されにくいワケを自分で考えてみた はじめに(2) 画像提供:(C)春野あめ/竹書房
発達障害が理解されにくいワケを自分で考えてみた はじめに(3) 画像提供:(C)春野あめ/竹書房
発達障害が理解されにくいワケを自分で考えてみた はじめに(3) 画像提供:(C)春野あめ/竹書房
発達障害が理解されにくいワケを自分で考えてみた はじめに(4) 画像提供:(C)春野あめ/竹書房
発達障害が理解されにくいワケを自分で考えてみた はじめに(4) 画像提供:(C)春野あめ/竹書房

※本作は著者の闘病体験を描いたコミックエッセイです。紹介している病状や治療の経過には個人差があり、医学的な見解を代弁するものではありません。気がかりな症状がある場合は、必ず専門の医療機関にご相談ください。

「適当にやって」でYouTube視聴?理解されにくい特性による“やらかし”

「なんで失敗を繰り返すの?」「わざとやってるの?」。発達障害は周囲から理解されにくく、当事者はその都度落ち込んだり、傷ついたりする。蓄積された体験はネガティブな思考につながりやすく、「自分はダメな人間だ」と落ち込む人もいれば、怒りとして発散してしまう人もいる。春野さんも、発達障害と診断されてから特性を理解し、二次障害と向き合えるようになるまで8年の歳月を要したという。

たとえば、仕事中に手が空き先輩に「適当にほかのことやってて」と言われた際、言葉を文字通りに受け取ってYouTubeを見てしまい、「さすがにそれは…」とあきれられたことがある。「適当に」とアバウトに言われると、話の意図をくみ取れなくなってしまうのだ。また、実習生として物を片付けていたときに「はかりの上に置かないで!」と注意喚起されただけで、「攻撃された」と感じて泣いてしまったことも。「ちょっとした言葉を攻撃と感じる」その背景には、当事者特有の複雑な思考回路があった。

トラブルの背景にある“思考回路”をひも解く。専門家の解説も収録

本作は、「トラブルの際にそのような言動をしたのはなぜか?当事者の思考回路を知り、納得できれば周囲との関係も変わっていくのでは」という思いから制作が始まった。

春野さんは、「私自身、自分が周りの人たちを振り回した経験を包み隠さずに描くことは勇気がいりました。しかし、『発達障害についてもっと詳しく描きたい』『いろんな人に知ってほしい』という気持ちがあったので、引き受けることにしました」と経緯を語る。

作中では、自身が起こした対人トラブルを中心に、当時の思考回路や発達障害の特性について解説している。どうすれば自分をコントロールしやすくなるのか、実際の工夫や考え方も網羅した。専門的な部分は臨床心理士・心理学博士の中島美鈴さんが監修しており、要所でコラムも収録されている。実例方式でわかりやすいのが本書の大きな見どころだ。

「診断はあってもなくてもいい」生きづらさを抱える人へ送るエール

本書には「人との距離感がおかしい」「融通がきかない」「自覚なく人を不快にさせてしまう」など、ASDやADHD傾向の特性に分かれた13のケースが描かれている。

春野さんは、「他人とは比べられないので『生きづらい』ってどれくらいなのか、自分なりに努力や我慢をしている人も多いと思います。もし悩んだら、すぐに心療内科に行ってみてください」と呼びかける。同時に、「診断はあってもなくてもいいです!まず自分にはどんな特性があるのかを知ると、どこでつまずいてきたのか、どんどん芋づる式にわかってくるはずです」と自己理解の重要性を強調する。

「どんな考え方を持ち、どんなことに傷ついてきたのか。一歩一歩自分を知っていくことが大切だと思っています。今回の漫画は、自己理解のちょっとした足しにしてもらえたらうれしいです」。春野さんの作品は、発達障害で「生きづらさ」を感じている人にとって、解決の糸口の1つになるはずだ。

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