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「やる気ないならやめろ」息子の野球のパワハラコーチに「命を救われた」母が『心から感謝したワケ』

  • 2026.7.23

コンプライアンスやハラスメントへの意識は会社だけでなく学校にも広がっている昨今。それでもなお、昔ながらの熱血指導を続ける指導者は存在します。その姿は一体、令和の子どもや親たちにとってどのように映るのでしょうか……今回は、私のお客様のエピソードをご紹介します。

熱血指導

私の長男は地域の野球チームに所属しています。コーチは昔ながらの熱血タイプで、「やる気ないならやめろ」「風邪は気合いで治せ」といった言葉を日常的に投げかけます。

時代錯誤にも思える指導ですが、コーチの熱心な指導のお陰で子どもたちはどんどん上達していきます。私も息子自身も、コーチの厳しさに少し戸惑いながらも、休むことなく練習に参加していました。

ノーブラで立ち尽くす朝

ある土曜日の朝、長男が野球に出かけた後、玄関にランドセルが置きっぱなしになっているのを見つけました。「忘れ物!」と慌てて飛び出した瞬間、今日は学校が休みだと気づきます。

その直後、2歳の次男がカチャリと鍵を閉める音。普段から「すぐに鍵を閉めること」と言い聞かせていたため、忠実に守った結果でした。けれど私はノーブラのパジャマ姿、スマホも鍵も持たずに外へ。玄関の前で立ち尽くすしかありませんでした。

危険な暑さ

「もう一回カチャってできるかな?」と声をかけても、次男の反応はなし。家の中にいるのかさえ分からず、不安が募ります。もしキッチンで火傷してしまったら。もしお風呂場で溺れてしまったら……

窓を割ることも考えましたが、破片が飛び散る危険を思うと踏み切れません。田舎の静かな住宅街、人影もなく助けを呼ぶこともできない。気温は、みるみる上昇し、私は熱中症になりかけていました。

そんな中、次男の安否が心配で、動けないまま時間だけが過ぎていく。まさに孤立無援の状況だったのです。

令和のコーチ

そこへなんと、野球姿の長男が帰宅してきました。私は思わず幻覚かと思いましたが、「コーチにやる気ないなら帰れって言われたから帰ってきた」とぶっきらぼうに告げる長男。そして彼の持っていた合鍵で玄関を開けると、次男はテレビに夢中で無事。九死に一生を得た瞬間でした。

スマホを確認すると、コーチから複数の着信がありました。帰宅した長男の安否を確認するための電話だったのです。厳しい言葉を投げかける一方で、子どもを見守る姿勢は令和的。コーチの「帰れ」という厳しい一言が私と次男を救ってくれたのでした。

時代錯誤に思える呼びかけも、時に心に響くものです。厳しい言葉は若者を傷つけることもあれば、逆に命を救う場面さえあります。大切なのは、厳しさだけでも優しさだけでもなく、その塩梅を学ぶこと。声をかける側も、受け止める側も、その過程で人は成長していくのかもしれません。

【体験者:40代・女性会社員、回答時期:2026年7月】

※本記事は、執筆ライターが取材又は体験した実話です。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

EPライター:桜井ひなの
大学卒業後、金融機関に勤務した後は、結婚を機にアメリカに移住。ベビーシッター、ペットシッター、日本語講師、ワックス脱毛サロンなど主に接客領域で多用な仕事を経験。現地での出産・育児を経て現在は三児の母として育児に奮闘しながら、執筆活動を行う。海外での仕事、出産、育児の体験。様々な文化・価値観が交錯する米国での経験を糧に、今を生きる女性へのアドバイスとなる記事を執筆中。日本でもサロンに勤務しており、日々接客する中で情報リサーチ中。

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