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好きな人と好きなものを認め合うって、こんなに素晴らしい! オタク女子とかわいい女性新入社員が織りなす、女同士の友情コメディ【書評】

  • 2026.7.18

【漫画】本編を読む

『君にかわいいと叫びたい』(ハッピーゼリーポンチ/KADOKAWA)は、「好きなものを好きと言うこと」の尊さを、全力で肯定してくれる友情コミックである。

主人公・桐山は、話しかけられると緊張して表情が引きつってしまい、職場でのコミュニケーションがうまくいかない会社員。そんな彼女の心の支えは、ひそかに溺愛しているドールだった。ところがある日、新入社員として入ってきた南が、そのドールにうりふたつだったことから、桐山の日常は大きく動き始める。最初は戸惑いながらも、桐山は南と少しずつ距離を縮めていく。自分の趣味を知られることへの不安、引かれるのではないかという怖さ。それでも、南は桐山の「好き」を否定しなかった。むしろ受け止め、認めてくれる。その瞬間、桐山の中で閉じていた世界が少しずつ開いていくのだ。

本作の魅力は、かわいいと思う気持ち、誰かを大切に思う気持ち、自分の好きなものを肯定してもらえた時の喜び、それらが全部まとめて、桐山の生きる力になっていくところにある。かわいいものを、かわいいと素直に愛でたい気持ちは誰にもあるもの。だからこそ、読んでいるこちらも、桐山と南の関係を思わず応援したくなってしまう。

2026年6月11日発売の3巻では、そんな桐山と南の関係が深まってきたところに、桐山が部署異動となり、勤務するビルも変わって離ればなれになってしまう衝撃の展開が描かれる。お互いに別々の業務になってすれ違いが続く中、ふたりは衝撃の決断を下すことになる――。ふたりの世界が新たな展開を迎えていく様子を、ぜひその目で確かめてほしい。

「好き」を隠して生きるのは苦しい。けれど、それを誰かに認めてもらえた時、無敵になったような高揚感を覚えるのではないだろうか。本作は、オタク、趣味、友情、自己肯定感を明るく勢いのあるコメディとして描きながら、その奥で「自分は自分を好きでいていい」というメッセージをまっすぐに届けてくれる。笑えて、元気が出て、ちょっぴり泣ける。まさに「かわいい」が人を救う物語である。

文=馬風亭ゑりん

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