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駅のショーウィンドウに映った私の口元は、まだ「うざ」の形に歪んでいました

  • 2026.7.18
ハウコレ

「あなたが正しいとは言えないかな」。家に帰った私の話を最後まで聞いた母の一言だけが、降ろせなかった気持ちの重さの正体を教えてくれました。

駅で塗り直せばいいと思っていた

高校に通うようになってから、日焼け止めはバッグの一番取り出しやすい場所に入れています。家を出る前に塗り忘れても、駅のホームか電車の中でさっと塗り直せばいい、くらいに考えていました。私はその朝も、混んでいなさそうな車両を選んで、ドアの近くに立ちました。

手のひらにチューブから白いクリームを出して、空いている方の腕に伸ばしていく。車体が1度ぐらりと傾いた拍子に、私の肘が、隣に立っていた女の人のブラウスに当たったのが少し見えました。

知らない大人に、いきなり指摘されて

女の人が私のほうを見て、声をかけてきました。

「すみません、ここで日焼け止めはちょっと…」

言われた瞬間、頭にきました。日焼け止めを塗っているだけなのに、知らない人に口を出される筋合いはない。私は「は?」とだけ返して、そのままスマホに目を落としました。次の駅でドアが開くと、わざと聞こえるように「うざ」と漏らしてホームに出ました。背中越しに視線を感じましたが、振り返りませんでした。

駅のガラスに映った私の口元

改札に向かう途中、駅構内のショーウィンドウに自分の姿が映りました。ピンクのリップを塗ったばかりの口元が、まだ「うざ」の形に歪んでいるように見えました。

あの女の人の声は、決して大きくはなかった。むしろ周りに聞こえないよう気を遣っていたのだと、改札を通ってから気がつきました。

帰宅して母に話したら、いっしょに笑ってくれると思っていました。母は私の話を最後まで聞いて、「あなたが正しいとは言えないかな」と一言だけ言いました。

そして...

それから何日かの間、私はバッグから日焼け止めを取り出すたびに、あの一言を思い出します。塗り直したいときは降りた駅のトイレに寄るようになりました。注意してくれた女の人にお礼を言える機会はもうないけれど、せめて次にチューブを開ける場面が来たら、私のほうから先に場所を変える側でいたいと思っています。

(10代女性・高校生)

本記事は、読者アンケートに寄せられた実体験をもとにした本人視点の記事を参考に、相手側の心情を想定して制作しています。実際の相手本人への取材ではなく、編集部による解釈を含みます。

(ハウコレ編集部)

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