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【15周年篇】3.11が発生した2011年、 上映形式の変化や日本を盛り上げた映画を紹介!映画業界&劇場の“あの頃”を振り返ろう

  • 2026.7.17

昨年、映画ファンから大好評を集めたTOHOシネマズの「アニバーサリーキャンペーン」が2026年も好評開催中。劇場オープンから5年単位で周年を迎えるTOHOシネマズ15劇場限定で、毎月14日(トウ<10>フォー<4>の日)に1,300円で映画が観られるTOHOシネマズデイが復活するなど、おトクなキャンペーンやワクワクする企画が年末まで実施されている。

【写真を見る】2011年のヒット作、いくつ覚えてる?人気シリーズの完結や、3D映画ブームも!

それにあわせてMOVIE WALKER PRESSでは、アニバーサリーを迎える各劇場のオープン当時の社会の動きや映画界のトレンドなどを振り返りながら、スタッフの声をもとにそれぞれの劇場の特色や魅力などを紹介するコラムを不定期で連載中。全6回で展開する当コラムの第3回は、今年でオープン「15周年」を迎える2劇場にスポットライトを当てていこう。

“3.11”のあった2011年、映画界ではどんな出来事が?

【写真を見る】2011年のヒット作、いくつ覚えてる?人気シリーズの完結や、3D映画ブームも! [c]Everett Collection/AFLO ※写真は『ハリー・ポッターと死の秘宝 PART2』
【写真を見る】2011年のヒット作、いくつ覚えてる?人気シリーズの完結や、3D映画ブームも! [c]Everett Collection/AFLO ※写真は『ハリー・ポッターと死の秘宝 PART2』

「15周年」を迎える「TOHOシネマズ 甲府」と「TOHOシネマズ 上田」がオープンした2011年を振り返るうえで、まず避けて通ることができないのが東日本大震災だ。3月11日14時46分に発生したマグニチュード9.0の巨大地震と、それに伴う津波や原発事故、各地で相次いで起きた余震。東北地方を中心に東日本全体に時代な被害をもたらしただけでなく、日本中の人々が不安な日々を過ごすことになった。

そうしたなかで、復興に向けたテーマのひとつとなったのが“絆”だ。人同士のつながりの大切さがいま一度見直されると同時に、災害時でも安定した通信インフラやSNSなどを利用したリアルタイムでの情報共有が求められるようになりスマートフォンの利用率が急激に増加。また、「FIFA女子ワールドカップ」でサッカー女子日本代表の“なでしこジャパン”が優勝を果たしたことも、日本中に勇気と希望を与えるきっかけに。

2011年にもっともヒットした日本映画はスタジオジブリの『コクリコ坂から』 [c]2011 Chizuru Takahashi, Tetsuro Sayama/Keiko Niwa/Studio Ghibli, NDHDMT
2011年にもっともヒットした日本映画はスタジオジブリの『コクリコ坂から』 [c]2011 Chizuru Takahashi, Tetsuro Sayama/Keiko Niwa/Studio Ghibli, NDHDMT

なかでも映画は、優しく背中を押してくれたり、大勢で同じ空間を共有しながら1本の作品を味わう楽しさを教えてくれるなど、多くの人々の心の支えになったことだろう。震災の直後には首都圏でも安全点検や計画停電などの影響で休館となる映画館が多々見受けられたが、徐々に日常が取り戻されていった。この震災を契機に防災意識が高まることとなり、全国の映画館では、来場者に安心して映画を楽しんでもらうことをより最優先にした取り組みが、現在も続けられている。

作品単位でこの年を振り返れば、洋画では『ハリー・ポッターと死の秘宝 PART2』(11)を筆頭に人気のシリーズ作品が強さを発揮。一方の邦画は、スタジオジブリの『コクリコ坂から』(11)をはじめ堅実なヒット作が相次ぎ、「GANTZ」のような人気漫画の実写化から『モテキ』(11)などのテレビドラマの劇場版、『八日目の蝉』(11)のような文芸作品や『ステキな金縛り』(11)のような人気監督のオリジナル作品、さらには深夜アニメの劇場版ながら大ヒットを記録した『映画「けいおん!」』(11)と、多種多様な作品が映画館を盛り上げていた。

この年公開されたシリーズ第4作『パイレーツ・オブ・カリビアン 生命の泉』も3Dに! [c]Everett Collection/AFLO
この年公開されたシリーズ第4作『パイレーツ・オブ・カリビアン 生命の泉』も3Dに! [c]Everett Collection/AFLO

また、2000年代後半の3D映画ブームをきっかけにデジタル上映が主流となり、従来の35mmフィルムプロジェクターからデジタルプロジェクターへ移行する劇場が急増したのも2011年の映画界を象徴する出来事のひとつ。TOHOシネマズでは国内の全劇場の全スクリーンにデジタル上映システムの導入が完了した。次頁で紹介する「TOHOシネマズ 甲府」と「TOHOシネマズ 上田」は、新規開業時から全スクリーンがデジタル上映に対応したフルデジタルのシネコンとして、時代の先端をいくことに。

山梨県唯一の大型シネコン「TOHOシネマズ 甲府」

震災直後の3月17日に正式なオープンを迎えた「TOHOシネマズ 甲府」だが、初めて観客を迎えたプレオープンの日は、まさに震災当日の3月11日だった。劇場担当者は「甲府では震度5弱を計測し、来場されていたお客さまを含めた避難誘導を実施しました」と当時を振り返る。「その後もしばらくの間、大規模な計画停電の影響もあって営業を自粛するなど、対応に追われたことをよく覚えています。とても大変な時期でしたが、スタッフ同士はもちろん、お客さまと劇場との一体感が生まれる忘れがたい出来事になりました」。

まさに震災当日、2011年3月11日にプレオープンを迎えたTOHOシネマズ 甲府のロビー TM & [c] TOHO Cinemas Ltd. All Rights Reserved.
まさに震災当日、2011年3月11日にプレオープンを迎えたTOHOシネマズ 甲府のロビー TM & [c] TOHO Cinemas Ltd. All Rights Reserved.

山梨県の県庁所在地である甲府市に隣接する中巨摩郡昭和町。街の中心部からもアクセスしやすく、中央自動車道のICからも程近い場所に完成したショッピングモール「イオンモール甲府昭和」の開業と同時にオープンした同劇場。甲府エリアにはかつて多くの映画館が軒を連ねていたが、2000年代を境に次々と閉館。現在の山梨県は、実は日本国内でも特に映画館が少ない県だ。

「当劇場の開業によって、地域の皆さまから『近くに映画館ができてうれしい』という喜びの声を多くいただきました。開業当時は3D映画を多く上映していたので、ファミリーから学生、シニア層まで皆さん楽しそうに鑑賞している姿がとても印象に残っています。県内で唯一の大型シネコンということもあり、山梨県内の映画需要を一手に担っている。その自覚を持って、通常の映画作品のみならず、様々なライブビューイングなど話題性に富んだラインナップを用意し、より多くのお客さまに喜んでいただけるような運営を心掛けております」。

TOHOシネマズ 甲府のSCREEN6は、縦6.7×横16メートルの巨大スクリーン TM & [c] TOHO Cinemas Ltd. All Rights Reserved.
TOHOシネマズ 甲府のSCREEN6は、縦6.7×横16メートルの巨大スクリーン TM & [c] TOHO Cinemas Ltd. All Rights Reserved.

全9スクリーンで総座席数は1750席(車椅子用スペース21席を含む)。最大キャパシティを誇るSCREEN6のスクリーンサイズは、TOHOシネマズの独自規格である巨大スクリーン「TCX」にも匹敵する縦6.7×横16メートルのビッグサイズ。迫力満点の映画体験を味わえること間違いなしだ。

「『ゆるキャン』などの山梨を舞台にした作品から、山梨で撮影が行われていた映画など、いわゆる“ご当地映画”のイベントなども積極的に行なっています。これからも買い物や食事と一緒に映画が楽しめる、地域の皆さまに愛される劇場でありつづけるよう様々な取り組みを考えていきたいと思っております。県外の方々も是非遊びに来ていただき、映画だけでなく『イオンモール甲府昭和』の屋上駐車場から見える富士山や八ヶ岳の大パノラマも楽しんでもらいたいです」。

城下町の“身近な映画館”「TOHOシネマズ 上田」

2011年4月21日にオープンしたTOHOシネマズ 上田のロビー TM & [c] TOHO Cinemas Ltd. All Rights Reserved.
2011年4月21日にオープンしたTOHOシネマズ 上田のロビー TM & [c] TOHO Cinemas Ltd. All Rights Reserved.

「TOHOシネマズ 上田」も、震災直後の不安だらけの日々が続く4月21日にオープンの日を迎えた。「一緒に働くスタッフの皆さんは、研修の時から非常に高いモチベーションを持っていて、笑顔の練習から声出しまで一致団結している姿がとても印象的でした。社会全体が暗いムードに包まれているからこそ、新しくできるシネコンで地元の人たちに少しでも多くの笑顔を届けたいという熱意が伝わってきました」と、劇場担当者は振り返る。

長野新幹線の停車駅でもある上田駅から徒歩5分の場所に完成したショッピングモール「アリオ上田」の開業と同時にオープンした「TOHOシネマズ 上田」。ショッピングモール内にあるシネコンというと巨大な建物の上層階の一角にあるイメージが強いが、同劇場の場合はモールの敷地内に「シネマ棟」という独立した建物を構えているのが特徴だ。

1階から入場できてわかりやすいと評判のTOHOシネマズ 上田 TM & [c] TOHO Cinemas Ltd. All Rights Reserved.
1階から入場できてわかりやすいと評判のTOHOシネマズ 上田 TM & [c] TOHO Cinemas Ltd. All Rights Reserved.

「シネマ棟の入口は1階にあるので入りやすく、映画へのアクセスのしやすさが魅力です。建物に入った瞬間からポップコーンのにおいに包まれて『映画館に来た!』という気持ちが高まりますし、駐車場からすぐに行き来できるので、映画の余韻に浸ったまま帰路に就くことができます。もちろん映画の鑑賞だけでなく、チラシをもらいにきたりポップコーンやグッズを買いに来たり、気軽に立ち寄れる身近な映画館として地元の人々に親しまれています」。

長野県を代表する都市のひとつであり、古くから様々な映画館が軒を連ねてきた上田市。市内に本格的なシネコンが開業するのは同劇場が初めてであり、2026年現在、長野県内唯一の「TOHOシネマズ」劇場でもある。「映画を観ることがより身近になったという声や、休日に映画を観る楽しみが増えたという声を多くいただきました。開業当時は『塔の上のラプンツェル』など3D映画の上映が多かったので、たくさんのお客さまが『映画体験の選択肢が広がった』と声を弾ませていたのが印象に残っています」。

全8スクリーンで総座席数は1034席(車椅子スペース16席を含む)。SCREEN2のスクリーンサイズは縦6.8×横16.2メートルと、300席前後のシアターとしては珍しい巨大スクリーンを備えている。これも独立した建物を持つ劇場ならではの強みといえるポイントだろう。

「どのシアターで観ても高品質の映像と音響、大迫力が楽しめるよう心掛けています。また、地域の人々にとって身近な映画館であり続けられるように、接客面でのコミュニケーションには特に力をいれています」。豊かな歴史にあふれた上田市の玄関口にある、身近でアットホームな映画館。新幹線に乗れば東京からも1時間半で行けるので、観光のついでにふらっと立ち寄ってみるのもおすすめだ。

TOHOシネマズ 上田のSCREEN2も大迫力! TM & [c] TOHO Cinemas Ltd. All Rights Reserved.
TOHOシネマズ 上田のSCREEN2も大迫力! TM & [c] TOHO Cinemas Ltd. All Rights Reserved.

TOHOシネマズの「アニバーサリーキャンペーン」は、3月から12月にわたって展開。対象劇場は、今回紹介した甲府と上田のほか、5周年のセブンパーク天美、10周年の柏、仙台、20周年の八千代緑が丘、モレラ岐阜、なんば、岡南、はません、25周年の南大沢、おいらせ下田、秋田、東浦、35周年の渋谷だ。本連載をきっかけに最寄りの劇場の思い出に浸ったり、気になっていた劇場情報をチェックして、いまだけの特別な催しを楽しもう!

文/久保田 和馬

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