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「外は、殺すか殺されるかだ」 『ラスト・サバイバー』予告解禁

  • 2026.7.15

パンデミックで人類の大半が消えた世界を舞台にした映画『ラスト・サバイバー』の最新予告が解禁された。監督は『ブレードランナー』の巨匠リドリー・スコット。終末ものにうんざりしていたと明かす彼が、それでもこの物語を選んだ理由とは。(フロントロウ編集部)

生き残った者たちが、互いに牙をむく

配給元の発表によると、映画『ラスト・サバイバー』の最新予告が解禁された。日本公開は8月28日。

舞台となるのは、謎のパンデミックで人口の大半が死滅した世界だ。生き延びた者たちは人間性を失い、奪い合い殺し合う“狂った生き残りたち”と化している。主人公は、愛犬と亡き妻の記憶だけを拠り所に暮らすパイロットのヒッグ。ある日、無線に届いた謎の声に導かれ、彼はまだ残されているかもしれない希望を求めて未知の空へと飛び立つ。

解禁された予告が映し出すのは、その荒れ果てた世界で交錯する登場人物たちの緊張関係だ。無線の先にわずかな光を見出したヒッグに対し、隣人のバングリー(演:ジョシュ・ブローリン)は「外は、殺すか殺されるかだ」と冷徹に言い放つ。よそ者を警戒するジャック(演:ガイ・ピアース)が「よそ者を受け入れたら死ぬぞ」と吐き捨てる一方、その娘シーマ(演:マーガレット・クアリー)は「コーヒーをくれるわ」と、新たな出会いのほうに希望を見出そうとする。

生き延びるという目的は同じなのに、その手段をめぐって互いの警戒心がぶつかり合う。世界の終わりに残されたのは、本当に“狂った生き残り”だけなのか——予告は、その問いを見る者に突きつけたまま幕を閉じる。

主演は、いまハリウッドが最も欲しがる俳優

ヒッグを演じるのは、ジェイコブ・エロルディ。ギレルモ・デル・トロ監督の『フランケンシュタイン』で第98回アカデミー賞の助演男優賞に初ノミネートされたばかりの、いまハリウッドで最も注目を集める俳優のひとりだ。

彼を取り囲むのが、ジョシュ・ブローリン、ガイ・ピアース、マーガレット・クアリーという、いずれも一癖ある役を得意とする実力派たち。原作小説では、彼らの内面がさらに深く掘り下げられている。ヒッグは愛する存在を失った喪失感を抱え、無口で皮肉屋な隣人バングリーだけが唯一の繋がり。バングリーが信じる生存術は、膨大な武器を備えて自分たちの領域を死守することだ。

対するシーマは、過酷な状況でも折れない精神を持ち、ヒッグと同じく“希望”を追い求める人物。その父ジャックは、娘と今日を生き抜くことを最優先し、そのためなら手段を選ばない。希望を求め続ける者と、目の前の現実にしがみつく者。相反する信念が交錯することで、物語は単なるサバイバル劇を超えた重厚なヒューマンドラマへと変わっていく。

巨匠が「多すぎる」と言いながら、それでも撮った理由

原作は、「史上最高のディストピア小説」のひとつとも称されるピーター・ヘラーのベストセラー「ドッグ・スターズ」(原題:THE DOG STARS)。今月3日には、映画の公開に先駆けて邦題『ラスト・サバイバー』名義の文庫版も発売されている。

じつは、リドリー・スコット監督自身は終末ものというジャンルに食傷気味だったという。過去のインタビューで、彼は「世の中には世界の終わりを描いた物語が多すぎる」と語っている。『ブレードランナー』や「エイリアン」シリーズで、荒廃した世界や絶望的な状況を誰よりも描いてきた張本人の言葉だけに、なかなかの皮肉が効いている。

それでも彼がこの物語を選んだ理由は、はっきりしている。同じインタビューで、スコット監督はこう続けているのだ。「この物語には、多くの希望が込められている。結局のところ、人は人を必要としているんだ」。

滅びの過程ではなく、滅びたあとに人が誰かを必要とする姿。私たちがかつて経験したパンデミックの記憶とも地続きの“人と人との繋がり”こそが、この終末世界の主題ということなのだろう。ヒッグたちがたどり着く答えは、日本では8月28日より全国劇場にて公開される本編で確かめられる。

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