1. トップ
  2. エピソード
  3. クリーニング前のスーツに残されていた、宛名違いの領収書一枚

クリーニング前のスーツに残されていた、宛名違いの領収書一枚

  • 2026.7.16
ハウコレ

結婚してから、週末に夫のスーツをクリーニングへ出すのは私の役目でした。内ポケットから出てきたのは、知らない宛名と4万円台の金額が記された領収書。すぐ夫に聞けず、私はその紙を引き出しにしまいました。

内ポケットから出てきた紙

夫のスーツをまとめる前に、ポケットの中身を小皿へ移すのがいつもの流れです。入っているのは、小銭や折りたたまれたレシートばかりでした。

その中に、私の知らない名前で切られた領収書がありました。店は個室のある居酒屋で、金額は4万円台。仕事の会食なら説明できるはずなのに、宛名が夫ではないことが気になりました。

聞けば済む話だと分かっていました。けれど、答え次第で夫との暮らしまで変わる気がして、紙を引き出しの奥へ入れました。

聞けないまま過ぎた3日

その後、夫の帰宅が遅い日が続きました。メッセージで「今日も遅くなる」と届くたび、引き出しの紙を思い出しました。

夕食を一緒に取る回数も減り、会話は仕事や天気の話で終わります。夫は普段通りでした。だからこそ、疑っているのが私だけのように思えました。

私は夫の帰宅時間やスマホの置き方まで気にするようになりました。聞かないまま確かめようとしても、答えは増えません。それでも、領収書を出す決心がつきませんでした。

「これ、誰の領収書?」

4日目、私は引き出しから紙を出し、夫の前に置きました。「これ、誰の領収書?」

夫は宛名を確認し、「後輩の送別会で預かってた領収書だよ」と答えました。さらに、幹事のやり取りが残るチャット画面を見せてくれました。会場名も日付も領収書と一致していました。

説明を聞けば、疑う理由はなくなりました。私は「もっと早く言ってよ」と伝えました。夫は、忙しくて忘れていたと謝りました。誤解は解けました。でも、3日間の不安まで数分で消えるわけではありませんでした。

そして...

私は、領収書を見つけた日に聞けばよかったと思います。同時に、夫にも、私がスーツのポケットを確認すると分かっているなら、預かり物があると先に話してほしかったです。

あの紙はもう手元にありません。それでも、聞けなかった私と、気づかなかった夫の間にできた3日間は残っています。

次に似たことがあったときは、疑いを引き出しへしまわず、最初に話せる夫婦でいたいと思っています。

(30代女性・会社員)

本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。

(ハウコレ編集部)

元記事で読む
の記事をもっとみる

注目コンテンツ