1. トップ
  2. マンガ
  3. 彼女の誕生日に毎年日用品を贈ってきた俺の理由

彼女の誕生日に毎年日用品を贈ってきた俺の理由

  • 2026.7.15
ハウコレ

テーブルにプレゼントを置いて「はい」と言ったあと、俺は彼女の若干固い笑顔を見ました。彼女が席を立ったあの瞬間、俺には何かが足りなかったことだけは、分かっていました。

「ちゃんと考えてたんだけどな」と、俺はスマホ画面を閉じました。

メモしていた言葉

彼女と付き合って5回目の彼女の誕生日でした。何を贈るか、一か月前から考えていました。俺のメモ帳には、彼女がここ最近、日常会話で言っていた言葉が並んでいます。

「このハンドソープ高くて買えないな」「柔軟剤って種類ありすぎてよくわからない」「洗剤そろそろなくなりそうで面倒」

全部、ちゃんと書き留めていました。だから今年のプレゼントは洗剤と柔軟剤とハンドソープのセット。彼女が「これ欲しい」と言っていたブランドのものを、店で一つずつ確認して選びました。

「…ありがとう」の間

「はい」と言って紙袋を渡すと、彼女は中身を取り出しました。

「…ありがとう」

短い返事でした。笑顔で席を立って、キッチンのほうへ向かいました。それで十分だと思っていました。でも何度も思い返すと、自分でも気づいていたのです。彼女の「ありがとう」は、いつもより間が長かった。笑顔は作ったような形をしていた。

「毎日使うやつだから」

そう言ってフォローしようとして、でも何かが足りないのは分かっていました。

日用品なら使いやすい?

1年目はバスタオルのセットでした。彼女が使っていたものが古くなっているのに気づいて、新しいものに替えてあげたかったのがきっかけです。2年目は食器用洗剤と掃除グッズ。贈ったものを毎年きちんと使ってくれているのを見て、翌年もまた同じように日用品を選ぶようになりました。
キッチンのほうから、水の音がしばらく聞こえていました。俺はリビングに座ったまま、テーブルの上に残った紙袋の持ち手を折りたたんでいました。

そして...

その夜、スマホにメッセージが届きました。彼女からでした。
まとまりきっていない文面でしたが、そこには「ときめくプレゼントがほしい」と書かれていました。
5年分の紙袋を思い返しました。全部、彼女の暮らしに足りないものを補う選び方でした。俺はそれがいちばんの贈り物だと思っていました。でも彼女が誕生日に届けてほしかったものは、たぶん、そういうことではなかったのです。
俺はスマホの画面を閉じました。来年のプレゼントは、もっと考えて選ぼうと思います。

(20代男性・会社員)

本記事は、読者アンケートに寄せられた実体験をもとにした本人視点の記事を参考に、相手側の心情を想定して制作しています。実際の相手本人への取材ではなく、編集部による解釈を含みます。

(ハウコレ編集部)

元記事で読む
の記事をもっとみる

注目コンテンツ